ユニットごとにケア方法が違っていても「統一した介護」と言えるのか

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介護業界では久しく「ユニットケアが推奨」されています。

「ユニットケア」を簡単に説明すると

・完全個室

・個別ケア

・同じ入所者と同じ職員での「なじみの関係」の構築

を目指したハード面(建物や設備等)、ソフト面(人間関係等)の整備によって利用者の生活の質(QOL)を向上させようという方針になります。

定義だとか方針だけを聞いていると、本当に素晴らしい「終生楽土」「地上の楽園」のようなケアスタイルなのですが、その現実は相当厳しいものがあります。

もちろん、本当に実現すれば素晴らしいことなのでしょうが、土台や基盤や制度を工事することなく推し進めてしまったために

「砂上の楼閣」

「机上の空論」

と揶揄されている空想理論となってしまっています。

【参考記事】

ユニットケアは「既に破綻している空想理論」である理由をわかりやすく解説

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◆「統一した介護」との矛盾

ユニットケアは「個別ケア」を目指すものなので、同じ施設内で複数のユニットが存在し、各々のユニットで「ユニットリーダー」という摩訶不思議なポストの職員が配置され、ある程度のユニット運営の権限を委譲されています。

ユニットリーダーという肩書・ポストが何故「摩訶不思議」なのかは

ユニットリーダーという謎のポスト(前編)

ユニットリーダーという謎のポスト(後編)

という私の体験談を含めた記事を参考にして下さい。

ユニットリーダーにある程度のユニット運営の権限委譲をされていることで各ユニットの方針ややり方やケア方法や管理方法は異なってきます。

しかし、その反面、もう一方の方針として「統一した介護」というものが推奨されています。

つまり「方針やケア方法は全職員が周知徹底し個々の勝手な判断で勝手なケアをしてはいけませんよ」ということになります。

同じ施設内でユニットごとに方針やケア方法が異なれば、「統一した介護」との矛盾しているように感じる人もいらっしゃるかもしれません。

◆それは矛盾ではない

私は「それは矛盾ではないか」という所まで考えついた人は、思考停止せずにユニットケアの問題点を挙げようとしている点では評価したいと思います。

しかし、厳密には「ユニットごとにケア方法が違う」ということと「統一した介護」という方針には矛盾はないのです。

施設をひとつの事業所として考えると確かに矛盾を感じてしまいますが、ユニットケアでは「ユニットをひとつの小さな事業所(単位)」という認識で運営していく方針になります。

つまり

・ユニットごとでケア方法は違っても良い

・ユニットごとの特色を出した運営をしても良い

・ユニットごとで雰囲気が違っても良い

ということになります。

ですから、結論として矛盾はなく問題もないのです。

◆統一した介護は不要?

「統一した介護はどこにいったのか?」

ということですが、もちろん統一した介護はしなければなりません。

ユニット内での方針や運営方法やケア方法はユニット内の職員で情報共有され、周知徹底した上で「統一した介護」を行う必要があります。

つまり、ユニットケアにおいては

「ユニット内で統一した介護を実践していく必要がある」

ということになります。

◆まとめ

ユニットケアであっても統一した介護は必要です。

しかし、本当の問題は冒頭でも述べたように「既にユニットケアは破綻している」ということです。

介護職員の人員確保が大幅に改善していけば、「やっとスタートラインに立てるかな」という状況にななりますが、現状ではスタートラインにさえ立てていません。

主観ですが「むしろ衰退」していっています。

私の施設でも約6年ほど前にユニットケアを推進しようという試みがあり

・24時間シート

・ユニットケア推進委員会

という介護職員の自己犠牲に頼る過重負担の方針が実施されていましたが、今では見る影もありません。

24時間シートは1回か2回やっただけでいつの間にかやらなくなってしまいました。

委員会は賛同者の多くが辞めていってしまい自然消滅しました。

現状ではそんなことをやっている場合ではなく「今日の勤務をどこから応援を貰ってどうやって切り抜けていくか」というツギハギだらけの目先のケアしかできておらず、個別ケアなどというものは空想理論でしかありません。

ですから、最終的な結論としては

「人員確保が出来ないのならユニットケアは廃止」

「廃止したくないのなら有効な対応策を検討即実施」

「まずはユニットケアを推進している人が率先して現場に入る」

「統一した介護は大切」

ということになります。

コメント

  1. とも より:

    こんばんは
    引っ越し後、初のコメントします。

    統一した介護、ユニット内でもできていませんよ、うちの特養。理由は簡単。職員が「統一した介護」の必要性を理解していないから。今日さえ乗りきればいいと大半が思っているから。です。
    ごみ集めは早番がする、掃除は遅番がする、てのを決める前に、○○さんが~て言ったらこう対応するとかを決めたい。と思いますが「その時によって臨機応変に」という、行き当たりばったり介護をしています。ケアマネなども、見て見ぬふり。自分の思ったこと言うだけで話し合いにならないし…。
    先日ある職員が早番時に皮膚剥離の事故が二件起きました。これまで起きたことのない利用者でしたが「内出血あったんかな、移乗した時に…」と言い自省の言葉もなし←ちなみに、昨日入浴時、臥床時、介助してますが、内出血ありません。誰もその時を見ていないけど怪しいものです。一人で対応しているのも、統一した介護がおろそかになる原因かもですね。

    なんか書いていて恥ずかしくなってきました笑

    • 山嵐 より:

      >ともさん

      こんにちは~
      移転後の初コメントありがとうございます^^

      結局うちの施設もそんな感じですね。
      やはり職員の資質が全体的に低いのでしょうね。

      不明傷や内出血が増えると人間関係もギスギスしてきますし、利用者にとっても不幸なことですね。
      職員ひとりひとりの意識も大切ですし、人員配置や適材適所の配置ができていない環境にも問題があると思います。

      右を向いても左を向いても「行き当たりばったりケア」の事業所ばかりですね。

  2. デイちゃん より:

    こんにちは。
    ブログの引っ越し、お疲れ様でした。

    介護って、マニュアルなどで仕事のやり方を決めようとすると、「杓子定規に利用者を型にはめるやり方だ」だの、「その方にあったやり方(≒個別のケア)でやるのが望ましい」だの言い出すアホウな人がいて、結局どうすりゃいいわけ?って感じですね。
    「ご本人様のご意向にそって」とか言うけど、スタッフもいないし、利用者のわがまま聞いてたらキリがないんだし。

    「今、スタッフがいないから、ここまでしかできない」っていう限界をはっきりさせて、そのできることを日常の業務に落とし込むって方が現実的。
    先にやるべきことを決めて、それを現場スタッフに無理やりやらせるんじゃなくて。
    できもしないことを業務に義務的にいれても、結局できないまま・しないままになりますからね。
    ですので、「統一した介護」とは、「現場のマンパワーから導き出した今できる最大限のことを時間内に事故なく効率よくできるような仕事のやり方」ってことになりますね。

    そうそう、私のデイですが、夏祭りがあったんですよ。
    利用者45人参加。昔なら「利用者40人なら午前中に入浴できないから、午前午後に分けないと」って言ってたんです。でも午後はお祭りがあるからそれは不可能。
    でも、いつも10時~12時で30人入浴してるから、9時から入浴スタッフ二人いれて9時から10時で15人入浴できたら、9時~12時で45人入浴できるよね?って、常勤さん達を説得して人員配置を変えて。
    したら結局、入浴できたんですよ。
    昔だったら、「午前中に40人入浴なんて無理、絶対終わらないし、事故が起こるし、スタッフも体がもたない」って思っていたのに。
    その後の夏祭りも、スタッフは配置基準以下なのに、すいかわりや盆踊りなどすごく盛り上がって、事故もなかった。昔だったら、「スタッフいないから、見守りができないからできない!」って言っていたのに。
    スタッフの人数や時間や施設の設備の制限があるけど、それを最大限活用して、時間内に効率よく仕事をすれば、もしかしたらできる場合もあるのかもしれないなって思ったのでした。
    管理者はわけのわからない研修に参加して不在でしたが。私は自分が回したので、ちょっとドヤ顔。(笑)
    でも管理者的には、「無理なことも、スタッフにさせれば、意外とできるんだな」って思ったかもしれないから危険だけど。(笑)

    • 山嵐 より:

      >デイちゃんさん

      こんにちは~
      移転後の初コメントありがとうございます^^

      9時~12時で45人入浴って凄いですね。
      デイは大浴場みたいな作りになっているから可能なのかもしれませんが、ユニット型での個浴とか機械浴だったら考えられない入浴人数です(笑)

      デイちゃんさんの的確な判断と指示により、無事に入浴でき、夏祭りも大成功に終わったようで良かったです^^

      • デイちゃん より:

        返信ありがとうございます。

        普通のデイだと自立してる利用者が多いので、誘導さえすればあとは自分で入ってくれるのかもしれませんが・・。
        私のデイは介護3以上の人ばかり。着脱は全部見ないといけないし、おしりを洗ったら便が・・・。認知症の人って失禁のリスクがあるので、共同浴槽に入れられないんですよね~。
        で結局、個浴が5人、機械浴が8人。しかも入浴前に浣腸お願いしますって利用者が2人・・とかおかしいでしょ。
        で、その状況を放り出して、管理者は研修に行ってるし。まああんた、いい身分だね~。
        でもそのおかげで管理者の存在感はゼロ。お祭り終わった後、頭のしっかりした利用者さん達が私に、「夏祭り実行委員長お疲れさまでした」って言ってた。
        管理者は何もしてないって、ちゃんとわかってくれたんだね~。(笑)

        私は運動会と夏祭りをやったので、今年いっぱいは何もしません。さあ10月から有給とらなきゃ。(笑)

        • 山嵐 より:

          >デイちゃんさん

          おはようございます。

          見ている人はちゃんと見てくれていますね。

          シビレるような1日、お疲れ様でした。
          手当いっぱい貰って下さいね(笑)