介護士はプロなので『完璧な介護をして当然』という危険な考え方

Pocket

介護施設や介護サービスを受けるときに、
利用者やその家族が
介護士はプロなんだから『完璧な介護をして当然』
という危険な考え方
をしている人がたまにいます。

何が『危険』かというと
①介護士を過信しすぎている点
②お金を払っているんだから、してもらって当然という強い権利者意識
③介護保険サービス(予防も含む)の存在意義を理解していない点
④介護福祉業界の現実を理解していない点
が挙げられるかと思います。

スポンサーリンク

①介護士を過信しすぎている点

当然リスク管理や予防、質の高い介護を目指していますが、
介護士だって人間です。

一人の人間として精一杯の努力はしますが
スーパーマンでは無いので人智を超えた介護は出来ないという事です。

②お金を払っているんだから、してもらって当然という強い権利者意識

『お金を払っているんだから』とか
『給料を貰っているんだから』という
強い権利者意識を持っていらっしゃる人もいます。

当然、介護士も一人の人間として精一杯努力しています。

過剰な権利者意識は益々介護士を委縮させ
『義務と権利』『労働と対価』が正比例していないことを
痛烈に意識させることでしょう。

アナタは賽銭箱にお金を投げ入れた後、
お金を入れたのだから願いが叶って当然
と思っていますか?

神様でも叶えられないことは人間の介護士にも叶えられないと思っていた方が
両者にとっても良い関係が生まれ
巡り巡ってより良い介護が提供できるのではないでしょうか。

ですから過度で過剰な権利者意識は捨て去って下さい。

③介護保険サービス(予防も含む)の存在意義を理解していない点

介護保険サービス(予防も含む)は基本的に自立支援が根本です。

利用者がどうしても出来ない事を介護で支援し、
自分で出来る事は自分でやって頂く

そうして、あわよければ出来る事をひとつずつ増やしていって
自分で出来るよう自立を支援するというものです。

出来ることも出来ないことも一緒くたにして
全部やって貰おうなど愚の骨頂です。

介護保険、社会資源の無駄遣いですよ。

介護士が何でもかんでも身の回りのことから下の世話までやる義務はないのです。

利用者ごとのケアプランに沿って利用者の出来ること出来ないことを判断し
自立支援を促す介護士こそ本当のプロなのです。

④介護福祉業界の現実を理解していない点

介護福祉業界はずーーーっと介護士不足状態です。

質の高いケアが出来て知識を持っている介護士も沢山いますが、
人材不足によって日中は1人の介護士で平均5人~10人の利用者をみています。

夜間は1人の介護士で20人の利用者をみています。

ユニットケアでは、1人の介護士に3人の利用者であるべき
とされていますが、実はこれにも裏があって
その割合は、『そのユニットに所属している介護士』の人数と
『現に利用している利用者』の人数で割り当てられているのです。

どういうことかと言いますと、
『そのユニットに所属している介護士』とは、
その日、休日(公休)の介護士の人数も入れられているのです。

つまり、実際に出勤している日勤職員は2名~4名なので
利用者が20名いたら、割合は
「介護士1人:利用者10人」~「介護士1人:利用者5人」
となる都合の良いお決まり事なのです。

この被害者は利用者であり、
実際勤務している介護士でもあるのです。

また、上記の理由により
24時間利用者に張り付いていることは到底不可能なので、
目の行き届かない所で事故は起こりますし、
トイレ等の訴えも順番待ちになり全ての利用者の訴えを
不平不満無くこなす事が難しい現状となっています。

まとめ

『介護士はプロなんだからちゃんとやってよね』

などと末端の介護士をいじめてみたところで何も変わりません。

介護士は知識や技術はプロですが、
1人の利用者に関わる時間や量は
素人以下だと思って下さって間違いないです。

国も介護職員の人材確保には動いていますが、
現状で殆ど結果が出ず何も変わってないのではないでしょうか。

国レベルでもっと突き詰めた議論・政策・システム・対策が急務です。