正しい介護技術があれば腰痛にならないという間違った認識

Pocket

ID-100178567.jpg
『腰痛になるのは介護技術が不足しているからだ』
『正しい介護技術があれば腰痛にならない』

という間違った認識をされている人がいます
確かにボディメカニクスを勉強し
正しい介護技術と介助方法を実践することは
介護者にとっても利用者にとっても
負担を軽減する
という点で大変有効です。
間違っているのは
『正しい介護技術』の部分ではなく
腰痛にならない』の部分です。

スポンサーリンク

◆ボディメカニクスとは

ボディメカニクスは
『負担を軽減する』
『最小の労力で疲労が少ない』
『無理のない自然な姿勢で行う』

介助方法のことで力学的原理を利用した介護技術になります。

● 介助の労力を軽減する「ボディメカニクス」とは
(1)両足を開いて体を安定させる
床面に接している部分の広さのことを専門用語で「支持基底面積」といいます。
この広さ(支持基底面積)は広いほうが安定しますので、介助をするときは両足を肩幅くらいに開いて立つようにしましょう。体を動かす時の重心の移動による腰や筋肉への負担を少なくすることにもつながります。
(2)重心は低くする
お相撲さんの取り組みを想像してみてください。膝を曲げて腰を落とし、重心を低くすると、姿勢が安定し、効果的に力を使うことができます。相手の体を抱える時など、活用してみてください。
腰を曲げた前傾姿勢では重心が高くなり、腰にも負担がかかってしまいます。
(3)相手の体になるべく近づく
相手の重心を自分に近づけるほど力が伝わりやすくなります。
体を持ち上げるときなどは、自分の体に密着させるようにしてみてください。腰を曲げず、重さを広い面で支えられるので、体への負担が減らせます。
(4)テコの原理を応用する
体を動かしたいときなどに、肘や膝などを支点にして力を加えると、通常よりも小さな力で動かすことができます。
(5)相手の身体を小さくまとめる
動かすものが小さいほうが、力は小さくてすみます。体の向きを変えるとき、ベッドの上で体を動かすとき、相手に胸の上で腕を組んでもらう、両膝を立ててもらう、膝を組んでもらうなど、体を小さくまとめる工夫をするといいでしょう。
引用元:『あんしん介護のススメ』ホームページ
https://www.secom.co.jp/kaigo/method/20161020.html

「腰痛になるリスクを軽減させることが出来る」のであって「腰痛になるリスクが0(ゼロ)になるわけではありません」
(スポンサーリンク)

◆知識や技術があれば『腰痛にならない』という無知

介護職員は1日の業務の中で
利用者を移動・移乗したり
排泄介助をしたり
入浴介助をしたり
様々な場面で腰を使います。
毎回正しいボディメカニクスを駆使したとしても
腰を使う回数が多ければ多いほど腰痛のリスクは増えるわけです。
他にも腰痛予防コルセットを巻いたり
ストレッチや体操をしたり
人員に余裕があれば二人で介助するなどして
日々、涙ぐましい努力をしているわけですが、
それでも腰痛リスクが0(ゼロ)になるわけではありません。
ですから、
正しい介助方法で行えば腰痛にならない
と言い切れる人は
介護現場を知らない人
が大多数かと思います。
いないとは思いますが、
介護現場を知っている介護職員で
そう言い切れる人がいたとすればその人は
・ボディメカニクスの本質を理解できていない知識不足な人
・腰を使う業務を殆ど又は全くやっていない人
・腰が人並み外れて強靭な人

のいずれかではないでしょうか。

◆腰痛になってしまった場合

正しい介護技術を知っていれば
腰痛に『ならない』のではなく『なりにくい』
ということは理解して頂けたかと思います。
日々、腰を酷使して業務をしていらっしゃる介護職員の皆様
本当にお疲れ様です。
腰への負担と疲労の蓄積によって起こる
比較的軽度な腰痛は安静にすることで
日にち薬で軽快しますが、
仕事柄、なかなか安静や休養が難しいかとは思います。
しかし椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの
致命的な腰痛になってしまっては元も子もありません。
体が資本の仕事ですし、
無理をせずに
自分を守ること
に専念して下さい。
腰痛になってしまった場合は
すぐに上司に申し出て下さい。
大体の人が致命的な腰痛になってからしか
上司に言いません。
『これくらいで迷惑を掛けられない』
『少し様子を見れば良くなるだろう』

という遠慮と配慮と忍耐の気持ちもわかりますが
自分の腰を守って下さい。
軽度の腰痛で皆が皆訴えていたら
業務は回らなくなるかもしれません。
他の職員に負担が掛かってしまうかもしれません。
だからといって
アナタの腰が潰れてしまっていいはずがありません。
今まで一人で介助していた業務を
二人介助で行ったり
介護補助具の導入を検討したり
今後は介護ロボットにも期待できます。
そうすることで
現状より介護職員も利用者も負担が相当軽減します。
しかし現状では人員不足なので
今まで一人でやっていた業務を二人でやるなどということは
難しいかと思います。
だからこそ人員確保が重要なのだと思います。
人員を確保することで
利用者と介護職員の安心と安全は大きく改善します。


介護職員ランキング