『待つ介護』が大切なのに『待っていられない』環境が悪循環を招く

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介護に携わるに当たり、『自立支援』を意識して『残存能力の活用』を促しながら介護をすることが大切です。

ある程度の経験と知識がある介護職員ならそんなことは重々承知のことでしょう。

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◆『待つ介護』が大切

『待つ介護』とは、
・声掛け支援
・動作誘導
・一部介助
・半介助

という介護方法で、当然ですが、
利用者一人ひとり介助方法が違ってきます。

利用者の思いや、その人なりのやり方があるので、
声掛けや希望を聞きながら
じっくりと腰を据えて介護をすると利用者も納得しながら動作が出来るので良いケアが実践可能です。

今、注目されている
ユマニチュード』という介護技法があります。

ここでは詳しくは述べませんが、
「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱
を基本としています。

世間では『魔法みたいなケア』とさえ言われています。
『魔法』を使えば問題行動をする利用者がいなくなるはずなのに
何故、そんな『魔法』がもっと浸透しないのでしょうか?

知識だけに踊らされて、
やろう、やろう、どんどんやろう
というポジティブバカになっていませんか?

現状を理解・把握し、
実践できない理由
に目を向けることが大切だと思います。

「やる前からネガティブ思考はダメ」
「やってから文句を言え」
と言われるかもしれませんが、
「ポジティブバカは厚顔無恥な砂上の楼閣ですよ」
と声を大にして言いたいところです。

◆『待つ介護』が実践不可能な理由は?

『ユマニチュード』を私の言葉で簡単に説明すると、
時間を掛ける介護』のことです。

利用者一人ひとりに時間を掛ければ
時間を掛けない時より
良いケアが出来るのは当然です。

利用者が行う動作を出来るだけ自分でやってもらい、
どうしても出来ない所を介助で補うやり方をすると、
一連の動作や介助を終えるのに時間が掛かってしまいます。

何故、ユマニチュードや時間を掛けるケアが出来ないのか?

答えは簡単です。

介護職員は人材不足で『時間を掛けるケア』が出来ないのです!

利用者とゆっくり会話をしていようものなら、
別の利用者から
「おトイレ連れてってー」
と言われ、それと同時に
他の部屋からナースコールが鳴り、
呼ばれた部屋に行く途中にすれ違った利用者に呼び止められ、
その対応をしていると外線電話が掛かってきて
外線対応をしている最中にまた他の利用者に何かを訴えられるのです。

それが今の介護職員の現場の日常なのです。
『ユマニチュード』とか『待つ介護』だとか言っている場合ではないのです。

◆良いケアをしていくためには

介護職員だって介護のプロである以上、
良いケア』をしたいに決まっています。

魔法のケア』だって実践できるものなら
やりたいのは山々ですが、
現状の環境や人員配置では限界を超えてしまっているのです。

介護職員に知識や技術や技法を教え込み、
実践させようとする姿は一見素晴らしいように見えますが、
まずは『良いケア』が出来る環境を整えてあげるのが先ではないでしょうか。

2011年から日本に導入された『ユマニチュード』が砂上の楼閣となり迷走・珍走しようとしている悪の根源は、国や行政や事業所や一部の本質を見抜けない講師やコンサルタントと呼ばれている人ではないでしょうか?

我々、介護職はいつも真っすぐに利用者を見つめ直接的にケアを行っています。

我々に指導・監督・指示を出す立場の人達には、
本質を見抜き迅速で適切な対応が出来る目
を養ってもらえる事を切望しております。

そろそろ『悪循環LOVE』はヤメにしませんか?