ショートステイは排便ステイではないのです

Pocket

free-illustration-ojiisan-kurumaisu-irasutoya.jpg
毎週月曜日~水曜日をショートステイで過ごして木曜日~日曜日を自宅で過ごすとか、
3泊4日ショートを利用して自宅に2泊3日帰るという利用方法を繰り返す、
定期の利用者にありがちなのだが、
自宅では一切下剤を服用せず便を溜めておいて、
『入所日から退所日まで毎日下剤を服用させるように』
という家族希望が多々ある。

スポンサーリンク

◆ショートステイは排便ステイじゃない

あくまで利用者が希望しているのではなく
家族が希望していることがほとんどなのだが、
毎日ラキソベロンやプルゼニドなどの下剤を服用すれば
当然、反応便と呼ばれる下痢便が毎日出る。
来る日も来る日も出る。
1日に何回も出る。
水様便に近いのでパッドやオムツからだだ漏れる。
拭いても拭いても便付着し処理が終わってもすぐまた出る。
そして退所となり、自宅へ帰り
また便を溜め込んで次回の入所のために
待機をしている状態が繰り返されている。
ひとつ申し上げたいのだが、
ショートステイは排便をするための便所ではない。
『短期入所生活介護』という名の通り、
日常的な生活介護の場であり、
ご家庭でされているケアに沿って
自宅でのケアの延長線上にあるのがショートステイなのだ。
自宅で下剤を服用していないのに、
ショート利用中だけ下剤を服用させるなんて
ケアの押し付けでしかない。
介護士はプロなので『完璧な介護をして当然』という危険な考え方
(2017年5月24日)
の記事で述べた通りだ。
(スポンサーリンク)

◆排便ステイは絶対ダメでは無いが家族しか得をしない

そういった利用方法や
下剤与薬の指示が絶対ダメというわけではない。
実際、そういう便所扱いの利用方法をしているのだから
出来るだけ希望に添えるようにはケアをする。
しかし、介護職員からしてみれば
・図々しい
・押し付けすぎ
・下痢便の処理や更衣が頻回になる業務負担増

というネガティブな印象を持ってしまう。
利用者にとっては
・利用中に何度も便失禁をしてしまう羞恥
・何度も便失禁することによる皮膚異常や尿路感染のリスク増

というリスクを抱えてしまうことにもなる。
排便ステイの利用により
自宅で便の処理をする必要のない家族だけが
得をする片手落ちの希望と言えよう。

ショートステイの利用は
もちろんレスパイト目的でも良いのだが、
家族だけしか得をしない排便ステイは如何なものだろうか。
保険財源が乏しい現状で、
家族も大切な社会資源のひとつである。
家族の協力があってこそ
適切で適正なケアが実施できるのだ。
ただただ権利者意識を振りかざすだけでは、
今後の介護業界の繁栄は難しいだろう。
家族の希望を100%叶えるのが介護保険制度の目的ではない。
介護保険制度は素人や一般人には
本当に複雑で煩雑なのは重々承知だ。
家族も重要な社会資源と捉え、
『多職種連携・協働』
を適切に実現していくのが
本来のケアマネジメントなのだ。
居宅ケアマネはもっともっと『倫理』を持って
ケアマネジメントをしていって欲しい。
そして理解のある家族が増えれば、
ケアスタッフも益々働きやすくなり、
もっと良いケアがしていける。
物事を『点』だけで見ず、
『線』だけで見ず、
『線の流れ方や方向性』『循環』
を意識していける環境であって欲しい。


介護職員ランキング

コメント

  1. MOCO より:

    いろいろな家族さんがおられますね。
    私もショートスティの部署に勤務しています。
    片麻痺の男性利用者さん。ほぼ自分でできます。
    家ではリハパンを履いているのに、ショートでは布パンツです。
    トイレも見守りは必要ですが体に触れることを極端に嫌われます。
    立ち上がりと座るときはトイレコールで職員を呼びます。
    触ると怒るので見ているだけ。
    すでにパンツ、ズボンは自分で上げています。
    自宅に帰るとよくパンツに少量の便付着があり
    何度も何度もクレームがきます。
    「確認させてください。」と言っても聞き入れてもらえません。
    何度かはしっかり拭きとりをし、便付着が無いのを確認の上、
    帰って頂きました。
    それでもクレームは続きます。便付着があると「どんな介護してるんだ!」と。
    帰る途中で便付着の可能性もあるのに。
    家族さんは介護士さんです。本当にこんな家族さん、困ります。

    • 山嵐 より:

      >MOCOさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      家での生活よりハードルを上げてくる家族は困りますよね。
      しかも同業者だなんて、人間性が疑われます。

      常識的に考えて、無理難題や過剰な要求をしてくる利用者や家族を排除できるシステムの構築を早期に確立して欲しいです。