適切なケアをすれば『認知症は治る』という洗脳

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随分前になるが、
とあるテレビ番組で『認知症は治る』
と銘打って放送された。
そして介護業界でも
『正しいケアをすれば認知症は改善する』
ということが言われており、
ケアに対する研修も行われている。

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◆完治する認知症はごくわずか

まず最初に申し上げたいのが、
『完治』ということが『治る』ということならば
全ての認知症が完治するわけではないことを知っておいて頂きたい。
完治する認知症はケアの方法はあまり関係ない。
外科的な手術で完治するのだ。
・脳血管性認知症(慢性硬膜下血腫)
・正常圧水頭症(NPH)

この2つは早期発見し手術や適切な治療を行えば
完治でき得る認知症になる。
しかし、認知症の中でも割合が大きい
・アルツハイマー型認知症
・レビー小体型認知症

などは現代医学では完治は出来ないと言われている。
『認知症は完治できる』
などと一括りにして誤解や錯覚を与える言い方をする前に
まずは認知症の種類を知り、
『完治できる認知症』と『完治できない認知症』がある
ということを知っておくことが必要だ。
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◆適切なケアをすれば認知症が完治するという洗脳

認知症の症状には
『周辺症状(BPSD)』と『中核症状』がある。
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『周辺症状』は行動・心理症状のことで、
心理的な要因や周囲との関わりの中でみられる症状をいう。
『正しいケア』で改善や軽減するのは
この周辺症状のことを指している。
それに対し『中核症状』とは、
脳の神経細胞が壊れることによって
直接的にみられる症状をいう。
脳が直接的に破壊されていっているのだから
『正しいケア』によって改善することは難しい。

今、話題の『ユマニチュード』という認知症ケアを用いても
中核症状を改善するのは困難だろう。
中核症状には投薬で進行を遅らせるという方法が主流だ。
周辺症状と中核症状の理解無くして、
『認知症は治る』
などと平然と言い切ってしまうのは
利用者にとっても家族にとってもケアスタッフにとっても
『洗脳』と言っても過言ではないだろう。

◆まとめ

周辺症状と中核症状は同時にみられる場合があるので
当然ながら『適切なケア』をしていくことは
周辺症状には有効である。
しかし、テレビ番組や研修などでは
教えてくれない事実を知っておくべきだし、
正しいケアの前に正しい情報は必要だと思う。
・認知症は全てが完治できるものではない
・認知症の種類を知ることが重要
・認知症の症状(周辺・中核)を理解する
・正しいケアだけでは改善は難しい
・投薬と併せて複合的なケアが必要
・ユマニチュードは周辺症状に対するケア方法
・適切なケアだけでは改善しない事の方が多い
・正しいケアだけで完治・改善するなら介護職員は医者より優れている


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