「文句があるなら経営者になればいい」と言う危険な考え方

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介護業界や施設の
労働環境の劣悪さや、
賃金の低さ等の真実を発信していると、
「そんなに文句があるならもっと努力をして経営者になればいい」
という意見を目にします。
『もっと努力』というのは、
・資金を貯めて
・知識を身に付けて

という意味でしょうが、
果たして自分が経営者になれば
山積みの問題が解決するのでしょうか。

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◆事業所形態は?

ケアマネ資格を持って
居宅介護支援事業所を開業した場合の悲惨さは
介護支援専門員資格を取得し独立開業するとどうなるか
の記事で述べました。
他に開業出来そうな事業所形態は、
・通所介護(デイサービス)
・訪問介護(ヘルパーステーション)
・小規模なグループホーム

などになります。
・特養
・有料老人ホーム(サ高住等)
・ショートステイ

などの規模になってくると、
建物の建設だけで億単位の資金が必要になり、
個人で開設するには限界があります。
何とか開業出来たとしても
健全で安定した経営を継続していけるかは
また別問題になります。

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◆経営者になれば救われるか

信用と実績とたゆまぬ努力で、
運良く資金が借り入れできたとしても、
競合は資金力豊富な大手企業や、
職員を骨抜きにする技術を持った親の七光りを荘厳に放つ同族経営者になります。
職員を泣かせずに
現在の少ない介護報酬だけで
借金を返済しながら豊かな生活を維持することは
『まず無理』です。
自分や自分の家族だけ救われたいならば、
職員には少ない給料で働いてもらう必要があります。
『思いや理想』と『現実』には、
『埋められない乖離』があるのです。

経営者になって
結局スタッフを泣かせていたのでは
本末転倒と言えましょう。
『ミイラ取りがミイラになる』とは、
正にこの事に他なりません。

◆財源の確保が急務

経営者にも労働者にも
それなりの苦労があります。
現状として、
経営者の高圧的で傲慢で
職員の給料を雀の涙しか出さないのは、
・自分たちだけが救われる為の方法
・自分たちだけ救われればそれで良い
・経営者としての『特別感』を存分に味わいたい
・そもそも『犠牲者』が居ないと成り立たない

という理由に他なりません。
そういう意味で、
『介護業界は未だ職員の犠牲の上に成り立っている業界』
と言えます。
経営者の人間性の良し悪しはさておき、
給料に関しては
財源の問題が大変大きいです。
少ない介護報酬で、
借り入れを返済し資金繰りをしながら、
幹部には出来るだけ多く給料を配分すると
必然的に現場スタッフには満足な給料が行き届きません。
そうなってくると、
「文句があるなら経営者になればいい」
などと言っている人の思考は、
とても安直で思慮に欠けていると
言わざるを得ません。
変えたいのは『環境や処遇』なのであって、
『労働形態や職員を泣かす側に回ること』ではないのです。

さて、財源の確保について、
政府は介護保険の払い込み開始年齢を
現状の40歳から更に若年化させるという案も出ているようです。
今後の動向に注目したいと思います。


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