「介護士は誰でもなれる」が「介護福祉士には誰でもなれない」

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最近、
『介護士は誰でもなれる(できる)』
というワードが流行っているようです。
確かに介護士になるのは敷居が低いと言えます。

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◆介護士になるために問われるものは殆どない

介護士になろうとした時に、
・性別
・年齢
・学歴
・職歴や経歴
・思想信条
・資質の有無
・国籍
・前科

は殆ど問われません。
もちろん、事業所によっては、ある程度のふるい掛けはあるものの、常に人材不足の介護職員の門戸は広く開かれていると言えます。
そういった意味で、
『介護士には誰でもなれる』
ということはあながち間違いではありません。
しかし、逆に考えると、
そういう風に敷居を低くしすぎた結果、
・介護事故や事件
・虐待
・隠蔽
・質の低いケア

が日常的に行われることになり、
『介護士の社会的地位や身分の低さ』
を益々増長させているのではないでしょうか。
これが
・負の連鎖
・ネガティブスパイラル
・無間地獄の無限ループ

の最大の原因となっていると言っても過言ではありません。
『卵が先か鶏が先か』
の議論ではないですが、
『資質が低くても介護士になれる』→『介護士の資質が低くなる』→『介護士の社会的地位が上がらない』→『社会的地位が低いから誰でも介護士になれる』
というループが続いています。
この無間地獄はどこかで断ち切らないといけないのですが、『人材不足』という手かせ足かせがそれをさせてくれません。
贅沢を言っていては人材が集まらないからです。

◆処遇を改善すれば自然と人材は集まる

『処遇改善』と言うと、
「またお金の話か」
「結局は給料を上げて欲しいんだろ」

という根も葉もない声が飛んできそうですが、
「資質の低い介護士に高い給料を払え」
と言っているわけではないのです。
・資質向上の努力をしている職員
・資質を備えている職員

に対して正当な評価が与えられる業界であるべきだと考えます。
そして、正当な評価と将来性が与えられることによって、資質のある人材は自然と集まってくることでしょう。
現状では、
・少ない給料で最大限の努力をしてくれる職員
・少ない給料でも文句を言わない職員
・少ない給料で自己犠牲を払ってくれる職員

を募集しています。
その図々しいやり方を続けてきた結果、
今の滅茶苦茶な状況が出来上がってしまったのではないでしょうか。
こんな状況では、
・頑張り過ぎた職員
・能力のある職員

は早々に辞めていくでしょう。
そして残るのは
『資質の無い職員』
ということになり、こう言われるのです。
「介護士は結局は誰でもできる」
「介護士は資質の低い人ばかり」
「能力が低いから介護士になったんでしょ」

そういう謂れなき無間地獄の中でもがき苦しんでいる介護士が日本には多数いるのです。
そして、そういう人達が『処遇改善』を訴えているのです。
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◆介護福祉士にはすぐにはなれない

介護福祉士試験は研修制になり受験方法が変わりましたが、合格率は大体60%です。
受験すれば6割の人が合格出来るので、『難関資格』とは言えないでしょう。
合格したところで、『名称独占』の資格なので、活かせているのか活かせてないのか、地位が向上したのかしていないのか、実感が全く湧きません。
そんな資格であっても、
無いよりはあった方が良いです。
一応、国家資格ですし、
転職にも有利ですし、
多少ならずとも資格手当がつくからです。
試験内容が簡単で合格率が高いと言っても、
実務経験が3年以上ないと受験資格が得られない資格なのです。
(もしくは養成学校や専門学校を卒業)
ということは、
給料も環境も良くない介護現場で、
3年以上耐え忍び働き続けなければなりません。
これはなかなか至難の業です。
ですから、
介護士には誰でもなれますが、
介護福祉士は誰でもなれません。

介護の仕事を全く知らない人が、
「さぁ、明日から介護福祉士になろう」
と思っても絶対なれません。
養成学校や専門学校を卒業して、資格を取得した人は別として、実務経験を3年以上積んで資格取得した人は大よその介護現場の現状を知っている人と言えます。
ですから、
『介護士』と『介護福祉士』は別物と考えて貰った方が良いかと思います。
『介護士には誰でもなれるが、一定水準の資質を満たしていない人間は介護士とは呼べないし、ましてや介護福祉士にはなれない』
のです。
反面、
『介護福祉士』に価値をつけるとしたら
それくらいしかありません。
「介護福祉士になるとこんな良い待遇・処遇になるよ」
という夢を持たせることで、
人材確保や長く働き続けるということが可能になるのではないでしょうか。
『認定介護福祉士』などという
お金と時間と労力を巻き上げるだけの無意味な資格を新設している場合ではありませんよ。
まずは『介護福祉士』の待遇や処遇を何とかするのが先なのです。


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