「介護報酬、プラス改定で調整」それは現場職員まで行き届くのか

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来年度(2018年)の介護報酬改定について、
国が『プラス改定』の方針で調整に入ったようです。
介護保険の介護報酬は3年に一度改定されます。
前回の改定が2015年だったので、
次の改定が来年度の2018年に行われる仕組みです。
ちなみに、
医療保険の診療報酬は2年に一度改定されます。
『3年に一度』と『2年に一度』の公約数は6年になり、
『6年に一度、介護報酬と診療報酬が同時に改定』
される年があるのですが、
それが来年度の2018年になります。

介護報酬、プラス改定で調整…引き上げは微増
政府・与党は30日、介護保険サービスの公定価格である介護報酬を2018年度から引き上げ、プラス改定とする方向で調整に入った。
 引き上げは微増にとどまる見通しだ。介護事業者が受け取る対価が増え、経営の改善が見込まれる一方、利用者の負担や介護保険料は増えることになる。
 政府は年末の予算編成作業で、具体的な引き上げ幅を決定する。介護報酬は原則3年ごとに見直され、12年度は1・2%の引き上げ、15年度は2・27%の引き下げだった。安倍内閣は「介護離職ゼロ」を掲げ、介護の受け皿整備や介護人材の処遇改善などを進めており、今回はプラス改定とすることで、政府の姿勢を示す必要があると判断した。
 政府は高齢化の進展に伴う社会保障費の伸び(自然増)を年間5000億円程度に抑制する目標を掲げている。18年度予算では自然増が約6300億円と見込まれ、約1300億円を削減する必要があった。この目標については、同じく18年度に改定される医療費の診療報酬のうち、医薬品などの価格である「薬価」部分が大幅に引き下げられる見通しとなり、介護報酬を引き上げても達成できるめどがついた。
引用元:読売新聞 12/1(金) 6:05配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171201-00050003-yom-pol

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◆介護報酬の引き上げはありがたいこと

『微増』らしいですが、
とにもかくにも下がらなかっただけ良かったです。
しかし、両手を挙げて喜ぶには違和感が残ります。
今まで散々、
「介護報酬下げようかなぁ」
「財源がないから上げれないなぁ」

などということを言っておきながら、
「そんなに言うなら少しだけ上げてあげる」
「現場も大変だろうから微増ね」

と言われると、
『下がるかもしれないと思っていたのに、微増であっても上がった!』
と喜びが増してしまいます。
これは完全に人間の心理を利用されているのではないでしょうか。
例えば知り合いに
「10万円貸して」
と言われたら断りますが、
「じゃあ、千円でいいから貸してよ」
と言われると
『10万円は無理だけど千円くらいなら』
『損が減った気がする』
『お得になった気がする』

結局は千円を貸してしまうという心理に似ています。
貸したお金が返ってくるか来ないかは別として、
例え千円であっても『損は損』なのです。
最初から
「千円貸して」
と言われたら断るでしょう。
最初に
「10万円貸して」
という布石があるから千円を貸してしまうのです。
『微増』とのことなので、
「千円貸して」
と言われていたのが
「100円あげる」
になったので損はしていません。
しかし、我々が本当に求めているのが
『100円なのか』
というところは気に留めておきたいです。
そうは言ってもプラス改定はありがたいことです。
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◆プラスになれば現場職員も潤うか

報酬の詳細な内訳等はまだ決定していませんが、
・加算の種類が増えたり
・加算の報酬金額が増えたり
・基本報酬自体も増えるのかもしれません。

プラス改定になって
一番得をするのは事業所です。
収入、売り上げが増えるからです。
その増えた分によって、
現場の職員にまで行き届き、
現場職員も今よりは潤うことができるのでしょうか?
その点については、
『国がどこまでその問題について核心をついてくるか』
に大きく掛かっています。
その部分を突き詰めない改定がされた場合、
プラス報酬が現場職員に行き届くかどうかは、
『各事業所の判断』
ということになります。
そうなると、
事業所の収入や売り上げが増えても、
・現場職員に行き届かない
・現状と何ら変わらない

という事になりかねません。
いやむしろ、
『事業所が加算を得るために現場職員は更なる業務負担を強いられる』
ということが危惧されます。
そうなった場合は、
目も当てられません。
『介護人材の処遇改善なども進めている』
とありますので、
その内容について注視していきたいと思います。
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コメント

  1. primex64 より:

    時代の趨勢からいって遅すぎたくらいです。
    ですが、それが職員の賃上げに繋がるのか、というと疑問で、新規参入業者を増やすか既存の事業者の懐を潤す程度で終わってしまいそうな気配がします。職員待遇の見直しガイドラインとかがセットでないと実効性は伴わないと思います。

  2. 山嵐 より:

    >primex64さん
    私もそう思っています。
    『事業所が潤えば職員も潤う』という道理が通れば良いのですが。

  3. デイちゃん より:

    加算をとる要件がきつくて、加算をとるためのコストの方が加算より高くなるってパターンばかりですね。
    で、事業所は、「そんなんだったら加算とらないわ」ってなっちゃう。
    デイは、前回の改定で、重度者を多く受け入れてる事業所に対しての加算ができたんですが、そんな加算作らなくてもさ、要介護4と5の基本報酬を上げればいいわけで。
    官僚さんって、とにかく制度を小難しくすればいいって思ってるから。
    どうしてもっとシンプルに物事を考えられないんだろうね?
    介護の現場で働いたら、くだらないことをダラダラ考えてる暇はないってす具分かるのに。
    3年くらい、施設で夜勤してみてほしい。そうすりゃ、介護保険制度の現実がわかるでしょうよ。
    そうそう、休憩時間が実質ないってことは、一日1時間としても月で20時間くらいタダ働きしてるわけですよね。
    で、夜勤とかもあったら、たぶん月30時間くらいはタダ働きしてることになると思うんです。
    理不尽ですね。
    介護は「人がすぐやめる」というけど、それはそういう理不尽なことがあるからなんですよね。どうしてわからないのかなあ。

  4. 山嵐 より:

    >デイちゃんさん
    そうですね。
    簡単に説明出来ることを難しくあたかも賢げに説明する人っていますが、それって一周回って賢くないですよね。
    加算のための介護なのか、利用者のための介護なのか全くもってわからない状態ですね。