長ぁ~い長ぁ~い高尚な研修の裏で利用者が泣いています

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介護業界には多数の資格や研修があります。
【参考記事】
民間資格が異常に多い介護業界の闇と改善策
資格取得や研修の目的は
『資質の向上のため』
ということは間違いありません。
しかし本当に現状の資格や研修形態に意味があるのでしょうか。

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◆研修の時間はどれくらい?

介護支援専門員(ケアマネ)になるためには、
試験に合格後、実務研修を修了しなければなりません。
2017年現在、介護支援専門員実務研修の時間は
『87時間』です。
【参考記事】
第19回(28年度)ケアマネ実務研修の内容(ネタバレ)
仮に1日8時間みっちり研修を受けたとしても
約11日間現場には出れません。
しかし、もっとえげつない研修があります。
現在の『介護福祉士試験の前段階の研修』です。

【介護福祉士試験】
平成29年1月の試験より介護福祉士の受験資格が大幅に変更になりました。
これまでの実務経験ルート(実務経験3年以上)だけでは受験できなくなり、実務経験(3年以上)+実務者研修の修了が受験資格に追加されることとなりました。

つまり、無資格の状態から介護福祉士の資格を取得しようとすると
『450時間』の実務者研修が必要となります。
その研修を修了してやっと介護福祉士試験を受験することが出来るのです。
1日8時間みっちり受講したとして、
約56日~57日間現場に出れません。
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◆研修時間が現場を圧迫する

ただでさえ人員不足の介護現場です。
研修で何日も何十日も留守にされたら現場が回りません。
しかし現在の介護業界では、
『資質の向上』
の名のもと研修に
「これでもか!」
というくらい時間を割いています。
それだけの時間、現場にいないということは
現場職員だけでなく、
利用者も泣いています。
職員がいないので、
・トイレに行きたいのを我慢しています
・お腹が減っても食事が口に運ばれるまで我慢しています
・レクがしたくても我慢しています
・大好きなお風呂も後日に回されました
・コールで呼んでも職員が来てくれません
・職員と会話をしたくても職員がつかまりません
・一人で移動して転倒してしまいました

長時間の研修により、
・現場にとっても
・同僚職員にとっても
・利用者にとっても

良くない状況を作り出してしまっています。

◆研修で得たものを活かす

もちろん、
介護職員一人一人の資質が向上し、
学習したことを現場に持って帰り
実践していければそれはそれで素晴らしいことなのですが、研修と現場では
『超えられない壁』
が存在します。
受講したことがある人は感じたかもしれませんが、
「それは現場では通用しない」
「そんなに上手くいくなら苦労はしない」
「そんな綺麗ごとばかりでは現場は回らない」

ということが往々にしてあるのではないでしょうか。
そうなんです。
研修では
・綺麗ごと
・自己犠牲
・忖度(そんたく)
・利用者の責任は介護職員や支援者の責任

ということを必死で教えられます。
それらの殆どは現場では役に立ちません。
しかし、偉い人は言います。
「研修で得たものを活かすも殺すも自分次第」
結局は自分次第なのです。
確かに研修の2割くらいは新鮮な気づきや学習があります。
誰しも得た知識や技術は現場で活かしていきたいと思うでしょう。
だけれど、どうしても活かせない内容であったり、
活かせない現場の状況であったりします。
そういう大問題については言及せず、
急に『投げっぱなしジャーマンスープレックス』になります。
受け身が取れずに後頭部を痛打してしまう受講生続出です。
そういう状況の研修ばかりだと、
一体、誰が得をしているのかわからなくなります。

◆一番得をしているのは研修主催者

ケアマネの実務研修は
テキスト代込みで7万~10万円かかります。
介護福祉士の研修は、
無資格の場合は12万円ほどかかります。
受講生が100人の場合。
受講生が1000人の場合。
暗算してみて下さい。
どれだけ儲かっているのでしょうか。
薄給の介護職員が支払うには結構な出費です。
会社が負担してくれる事業所もあることでしょうが、
どちらにしても一番得をしているのは、
『研修主催者』
であるといえます。
「活かすも殺すも自分次第」程度の研修で
なかなか高額な研修費を取るものです。
そんな時間とお金があるなら、
現場職員を補填する対策を考えて欲しいものです。


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コメント

  1. アングラー より:

    実務者研修懐かしいなぁ、介福とる前行きました。お金自腹だし、研修扱いなる訳じゃないからその日はただの給料の生じない休みだし。
    何故研修は役に立たないか?事例検討とか最たる物ですけど、利用者さんの情報の少なさ(実際目にしてる訳じゃない)、何人の職員で働いてるのか、他に手のかかる人はいるかとか肝心な情報すらないからただの「解決策を妄想で語る場」という無駄な時間になってます。これでは現場では何の役にも立ちやしない。

  2. 山嵐 より:

    >アングラーさん
    こんばんは~
    コメントありがとうございます^^
    なんと、アングラーさんの会社は自腹で公休で受講ですか。
    『あの程度』の研修に高額な受講料と休みを搾取されるのは、なかなか厳しいですね~。
    薄給しか出さないのに、高額な受講料をキッチリむしり取る体制の業界に『奉仕』とか本当言われたくない言葉ワースト1ですね。

  3. 燃え尽き相談員 より:

    時々お邪魔しています。(毎日じゃなくてすみません)
    うちの事業所、現任の介護支援専門員が更新研修受講する時にも、自腹、公休なんですよー。
    管理者は「運転免許と一緒です。」なんて言ってますが…。
    まぁ、資格だけ持っていて、実務についていない方が全員更新研修受講されると、費用面も、勤務体制も苦しくなるし、実務についているか否かで公費負担を区別するのも批判が上がるでしょうし、仕方ないのかな、とも思いますが、やっぱりなんか納得いかない…。
    多くの事業所は介護支援専門員の更新研修の取り扱い、どうしているんでしょうか?
    (+_+)

  4. 山嵐 より:

    >燃え尽き相談員さん
    こんばんは~
    コメントありがとうございます^^
    そうなんですね、自腹&公休ですか。
    研修費も高額ですし、日数も多いので相当負担が大きいですね。
    私の事業所は出勤扱いで研修に行かせてもらえますし、研修費用は会社が負担してくれています。
    そもそもケアマネの更新制度をやめたらいいと思います。
    そりゃ3年に1回介護保険制度が改定されますが、それにしたって研修費用も日数も取り過ぎというものでしょう。
    介護業界もそろそろ従事者から儲けを出すシステムをやめて、消費者や利用者から利益を上げるシステムに切り替えて欲しいものです。