「しんどい時こそ力を合わせて頑張ろう」という綺麗ごと

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介護現場には綺麗ごとが蔓延しています。
人の善意につけこみ自己犠牲を誘発させるセリフをよく聞きます。
「しんどい時こそ皆で力を合わせて頑張ろう」
一見、間違っていないように錯覚してしまいがちですが、介護業界においては明らかに間違っています。

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◆人員不足の問題

こういう綺麗ごとは、誰がどう見ても『つらい状況』にある時に、上司や経営者から発せられます。
人員不足で明らかに職員が疲弊していたり、利用者に満足なケアをする時間的余裕がない状況の場合、口癖のように
「皆で力を合わせて乗りきろう」
と言われます。
環境が劣悪で人員が適切に配置されていないのに
「力を合わせる」
のにも限界があります。
例えばスポーツであってもルールがあり選手の人数は決まっています。
・バレーボールは6人
・野球は9人
・サッカーは11人

その決まったスタメンで、
「負けているけど力を合わせて頑張ろう」
「体力的にしんどいけど頑張ろう」
「時間が無いけど皆で頑張ろう」

というのならわかります。
間違っても
「選手が3人足りないけど力を合わせて頑張ろう」
とはなりません。
そもそも選手の人数が揃っていないと
『試合をすることが出来ません』
介護業界は職員が揃っていなくても現場に立たされ
「つらい時こそ皆で力を合わせて頑張ろう」
と言われ自己犠牲を強いられるのです。
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◆介護業界にはルールがないのか

介護業界にも人員配置基準を定めた法令が存在します。
しかし、
・現状の基準が緩すぎる
・書類上で配置を簡単に操作できる
・行政が違反を見抜けない

という問題があります。
明らかに不正や違反があれば
リークや告発や通報も有効ですが、
残念ながら基準が緩すぎて許されてしまいます。
基準が緩いというのは、
利用者:職員=3人:1人
の基準のカラクリです。
この基準については
ユニットケアは「既に破綻している空想理論」である理由をわかりやすく解説
の記事で詳しく書いていますのでご参照下さい。
極端な話、
「ユニットに『所属』している職員が基準人数を満たしていれば、『出勤』している職員が1人でも基準違反とは言えない」
というザルのような基準なのです。
つまりは、介護業界では
『ルールはあって無いようなもの』
ということになります。

◆しんどい時は頑張らない

介護業界の綺麗ごとを真に受けて踊らされていると、身体や心を破壊されかねません。
それに加えて薄給なのです。
・綺麗ごと
・自己犠牲
・薄給

が人員不足に益々拍車をかけます。
介護現場に本当に必要なのは
「しんどい時は頑張らない」
「しんどい時は休む」

ということではないでしょうか。
頑張らなかったり休んだりすると
益々現場が回らなくなりますが、
人員の補充も満足に出来ず
健全な労働環境も提供出来ない事業所は
遅かれ早かれ潰れます。
『事業所が潰れるか』
『自分が潰れるか』

どちらを選んだ方が良いかは明白です。


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コメント

  1. デイちゃん より:

    こんにちは。
    私のデイは、スタッフいなさすぎて、「しんどい時こそ力を合わせて」なんて言われても、しら~っとするだけですねえ。
    あと「協力してください」とか言うけどさ~、単にこき使おうとしてるだけじゃん?的なね。もちろんしませんよ。(笑)
    介護5の超重度ばかり入れたら、新しくスタッフが入ってもすぐやめちゃうしね。
    「どうしてスタッフが増えないんだろう」って言うけど、そらあんな仕事しんどけりゃ誰も続かないってば。
    私はもう、会社には何も言いませんけどね。(笑)
    支店長に「どうしてだろう」って言われても、「さあ?」で終わりですね。
    妊婦常勤がやめて、その後事務員をデイに介護で入れてたんだけど、訪問のS責がやめるとなってその事務員が訪問に入らなければならなくなって。
    配置が満たせないからデイにはもう入れないよね~。入っちゃったら常勤換算になっちゃうし。
    デイはさらにやめるスタッフがいるし。どうするんでしょ。
    って、利用者を減らすしかないんですけどね。
    利用者減ったら楽になるわ~と私は思ってる。(笑)
    人がいなくてもがんばれって言ってきても、とことん人がいなくなれば、利用者減らさざるをえなくなるから。
    中途半端にがんばるのが一番いけませんね~。サビ残とか最もダメ!!
    そうそう、一日中奇声を上げてた利用者、今月で断るそうです。(笑)
    結局断るなら、初めから入れなきゃいいのにさ。
    最近はスタッフが仕事できない人ばっかりなので、ちょっとできないことがあると、「できない」ってすぐ言うので、受け入れ困難な人はすぐお断りになる。
    昔のスタッフは、あれこれ工夫して、難しい人もやりこなしてたけど、それがいけなかったのね。
    やっぱり、無理はいけませんね。(笑)

  2. primex64 より:

    なるほど、常にしんどいわけですね。そんななか、綺麗ごとを言われても・・。って感じですか。要は自分を守るだけで精いっぱいなんですね・・。

  3. 山嵐 より:

    >デイちゃんさん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます^^
    全介助が必要な要介護5の利用者のケアは大変です。
    介護度が軽くても、徘徊や重度の認知症や問題行動のある利用者の対応はそれ以上に大変です。
    問題行動がなくても、「待つ介護」が必要な利用者は全介助よりもケアの時間が掛かります。
    他の利用者の対応もしなければならないのに、一人の利用者に時間を掛けていられない状況が多々発生しています。
    「本当の自立支援とはなんなのか」ということを考え直して欲しいものですね。
    現状では現場スタッフに押し付けることで「自立支援の丸投げ、責任転嫁、誇大妄想、綺麗ごと」でしかありませんね。
    できないことは「できない」と言うべきですね。

  4. 山嵐 より:

    >primex64さん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます^^
    そうですね、皆自分を守ることで精一杯な状況がどの介護事業所でも共通して言える問題点だと言えます。
    しかしそれも最近になってからの話で、法令の整備が不十分だったり労働者の権利や立場が弱かった昔は自分を守ることさえ許されない業界でした。
    そして多くの職員が潰れていき、現在に至ります。

  5. デイちゃん より:

    「できないことはしない」というのが大事ですね。
    できもしないことを、無理をしてやるから、サビ残したり、体壊したり、精神的に病んだりするわけで。
    でもさあ、しなきゃいけないことは、しないままにできないからさ~、誰がするんだろ。
    今してる仕事のうち、「これはしなくていいやろ」って仕事をやめて、その分を優先順位高い仕事にわりふるしかないけど。
    やめれる仕事あるかなあ・・。
    私のデイなら、おしぼりづくりをやめたらいいんだけど。
    おしぼりなんて衛生的にもよくないし、利用者は手洗いしたほうがいいし、使ったおしぼりの洗濯とか余計なコストがかかるだけなのに。
    ・・・って以前言ったら管理者が、「マニュアルで決まってるから廃止できない」って言ったんだけどさ。明らかにいらないでしょ。
    で、結局、おやつの時のおしぼりは廃止になって、おしぼりの量が半分になったんですが。全部いらねえ。
    管理人様のショートなら、例えば「入浴はショートではしない」とか。
    ショートって入浴加算ないんですよね?だったらする必要ないよね・・・。
    でもショートにあわせて利用者家族がわざわざ下剤かけてくるから、下痢便すごすぎて入浴させないわけにはいかないしな・・・。というわけで、入浴は失禁の時のシャワー浴のみ。(笑)
    あとモニタリングは、全部相談員がするってのはどうですか?現場スタッフは残業ばかりでもう無理なのでってことで。
    「これはやめれる」「これはこうやって作業を簡単にしよう」とか、楽になる工夫を考えるのは、ちょっと楽しいですよ。(笑)

  6. 山嵐 より:

    >デイちゃんさん
    コメントありがとうございます^^
    不要な業務の削減は必要だと思います。
    しかし残念ながら、ショートでの入浴は基本料金に入っているので、加算対象ではなくやらなければ減算対象なんですよね><
    相談員はアップアップしているのでこれ以上仕事振れないです(笑)

  7. デイちゃん より:

    そうなんですか。
    デイの利用者がショートに行ったら、絶対入浴しないんですよ。デイで入浴してるからしなくていいだろって。
    ある利用者は3日間ショートに行ったんだけど、着替えもせず、着て行った服のまま帰ってきたんだって。
    で食事介助もほとんどしてなくて、食べてなかったらそのまま食事を下げられてたみたい。
    それで、テレビもない個室で一日中寝てただけみたい。
    奥さんが怒ってケアマネに言ったら、別のショートに変えてくれて、したらそこではちゃんと入浴もしてくれたらしい。
    なので、ショートってひどいところは、本当に預かるだけみたいですよ。
    何もしない。入浴どころか、着替えも、食事介助すらしない。
    で、文句を言ったら、「できないものはできないんですよ」「文句あるなら他にどうぞ」って言うらしい。そういうの、盗人猛々しいって言うんだよね。(ちょっと違うか)
    だからたぶん、管理人様のショートは、かなり良心的なとこなんじゃないかな・・・と思ったんですよね。
    「これは必ず〇〇しないと!」ってスタッフさんが無理をして働いてる。
    「できないからしなくていいんだよ」って言えない、まじめな人もいますよね。

  8. 山嵐 より:

    >デイちゃんさん
    うちの事業所は良心的な方だと思います。
    ケアワーカーにとってみたらやはり厳しいですが。
    入浴は1泊2日でも必ず行いますし、4日以上7日未満なら2回入浴してもらいます。
    服も汚れていたり汚染していれば都度着替えますし。
    当然と言えば当然なんですが、人員不足でだんだんと目が行き届かなくなっていっているのは確かです。