「地域包括支援センター」と「居宅介護支援事業所」の違いは?

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私の勤務している介護施設には併設で
・地域包括支援センター
・居宅介護支援事業所

があります。
介護保険制度も複雑化してきて
恐らく一般の人で、
この両者の違いを理解している人は少ないのではないでしょうか。
安心して下さい。
介護従事者でも、
ケアマネやそういった勉強をしている人以外は
両者の違いをハッキリ説明できる人は殆どいません。
そういう状況を
「恥ずべき状況だ」
「誠に遺憾だ」
「知っていて当然だ」

などと言う人もいますが、
私に言わせれば
「介護関係者でさえ理解しがたい制度や仕組みの方に問題がある」
と思います。
それだけ複雑で理解しがたい制度も
3年に一度改定されていくので
益々一般の人は追いつけません。
今回は「地域包括支援センター」と「居宅介護支援事業所」の違いについて書きたいと思います。

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◆配置人員と役割は?

地域包括支援センターと居宅介護支援事業所に配置されている専門職はどうなっているのでしょうか?
【地域包括支援センター】
・主任介護支援専門員
(介護全般)
・社会福祉士(介護や生活支援、消費者被害)
・保健師(又は経験豊富な看護師)(健康、医療、介護予防)
以上の3職種の配置が必ず必要です。
【居宅介護支援事業所】
・介護支援専門員
(ケアマネジメント業務)
最低限、ケアマネが配置されていれば問題ありません。
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◆設置主体は?

「地域包括支援センター」の主な設置主体は市町村等各自治体です。
市町村や自治体からの委託で、
特養や老健や病院などの民間施設内に設置されている事が多いです。
ここで問題になるのは、
行政からの委託事業所であるのにも関わらず、
上司は民間施設の経営者になるので、
経営者の方針が色濃く出てしまいます。
つまり、「公平性に欠けていたり整合性がない」と言えます。
「居宅介護支援事業所」の設置主体は民間企業や施設、病院になります。
当然、こちらも経営者の方針が色濃く出てしまい公正中立に欠けるという問題点があります。

◆業務内容は?

【地域包括支援センター】
・要支援者のケアマネジメント
・地域の高齢者の介護予防ケアや権利擁護など
・高齢者の暮らしを地域でサポートする拠点
・本人や家族だけではなく、近隣住民などからも広く相談を受け付けている
※要介護者のケアマネジメントは出来ない(居宅介護支援事業所へ繋ぐ)
【居宅介護支援事業所】
・要介護1~5の利用者のケアマネジメント
・介護保険サービスと利用者をつなぐ役割
※地域包括支援センターから委託があれば要支援者のケアマネジメントも行う。
「地域包括支援センター」はよろず屋的な存在であるのに対し、「居宅介護支援事業所」は特定の利用者や家族へのケアマネジメントを専門としています。

◆どちらに相談するべきか

ニュースなどで在宅介護の事件や事故があると
「地域包括支援センターに相談するべきだった」
と言われることがあります。
設置主体が行政であり(結局は委託で民間ですが)、
よろず屋的な存在であるために
間違いではありません。
相談した結果、
要介護者だったり
要介護認定が下りれば
「居宅介護支援事業所」へ引き継がれます。
要支援者だったり、
要支援でも要介護でもない高齢者の場合、
そのまま「地域包括支援センター」で支援が続きます。
つまり、
最初に相談する時は「地域包括支援センター」で間違いありません。
また、本人や家族でなくても
「近所の〇〇さんの家のおばあちゃんが虐待を受けているかもしれない」
「近所のおじいちゃんの行動や言動が最近おかしい」

などと感じた場合も
「地域包括支援センター」へ相談しましょう。

◆補足

犯罪のにおいがすれば当然警察へ通報して下さい。
人の生命や財産に危険が差し迫っているのに
地域包括支援センターに繋がらない場合も警察へ。
『平日の昼間しか機能しない福祉』では
実情に沿った支援体制とは言えませんが、
行政管轄のお役所仕事なので、
基本的に平日の昼間しか窓口が開いていません。
警察に通報した場合
・ドメスティック性(家庭内)
・犯罪性
・高齢者
・認知症の有無
・福祉支援の必要性

などを総合的に判断して、行政(地域包括支援センター)へ引き継ぐ流れになります。
そしてその流れの中で、
ショートステイに『緊急』という案件が舞い込んできたりするのです。
【参考記事】
現場スタッフにだけメリットが無い「緊急ショートステイ」をわかりやすく解説


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