「御用聞きケアマネ」が減らない理由

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介護支援専門員(ケアマネジャー)は、
利用者と介護保険サービスや社会資源を繋ぐ橋渡しをする専門職です。
そのために
・インテーク(初期面接)
・アセスメント
・アプローチ

というケアマネジメントを行い
適正且つ適切なサービスへ結びつけていきます。
ケアマネという専門職が誕生してから現在まで、絶えることがないのが
『御用聞きしかしないケアマネジャー』です。

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◆御用聞きケアマネとは

読んで字のごとく
「御用聞きしかしない介護支援専門員」のことです。
利用者や家族が最初の段階で
「私は〇〇デイサービスを週3回利用したい」
と既に利用するサービスを決めている場合があります。
普通はそこで、
・何故、〇〇デイサービスを利用したいのか
・週3回の利用は適切か
・利用者に本当に必要なサービスか
・介護保険の濫用に当たらないか

などをアセスメントします。
その結果、
他のサービスや社会資源の方が適切だったり
利用頻度を見直したりしてアプローチするのがケアマネジメントです。
その一連の流れを一切合切省き
「はいはい、そうですか。それでは今から〇〇デイサービスに予約を入れてみますね」
などと言って即サービスに結び付けてしまうようなケアマネを
『御用聞きケアマネ』と言います。

◆御用聞きケアマネの問題点

御用聞きケアマネには一体どのような問題点があるのでしょうか。
・ケアマネジメントを省くという職務怠慢
・利用者のためにならないサービスの選択
・サービス提供事業所への押し付けマネジメント
・介護保険財源の無駄遣い

などが考えられます。
ですから、最近になりやっと
「御用聞きケアマネはヤメましょう」
という事が言われ始めてきていますが、
実際はまだまだ沢山の御用聞きケアマネが存在します。
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◆御用聞きケアマネが減らない理由

何故、依然として御用聞きケアマネは減らないのでしょうか。
①需要がある
②仕事が楽
③ケアマネ個人の事例を情報共有する場がない

という理由が大きいと言えます。
①需要がある
利用者や家族からの需要は多いでしょう。
「自分や自分の家族が利用したいサービスを利用させてくれるケアマネこそが良いケアマネ」
と信じて疑わない人もたくさんいます。
適正にケアマネジメントを行い
「〇〇さんはそのサービスよりもこちらのサービスの方が良いと思いますよ」
と提案すると
「利用したいサービスを使わせてくれない」
「思い通りに動いてくれない」
「使えないケアマネだ」

と言い出す人もいます。
・苦情になったり
・ケアマネチェンジを希望されたり
・事業所ごと変えられてしまう

かもしれません。
それでも公正中立と社会倫理を貫くか
折れて御用聞きケアマネに成り下がってしまうか
という選択になってしまいます。
事業所を変えても結局その利用者や家族が行きつく先は
『御用聞きケアマネ』
の所になるでしょう。
「御用聞きケアマネは良くない」
と業界は言いますが
「御用聞きケアマネの方が商売繁盛するシステム」
は未だ変化がありません。

②仕事が楽

利用者や家族の言うがままに
ケアマネジメント業務を省き
サービス提供事業所に押し付ける作業は楽です。
仕事量が減るので当然です。
仕事量が減って同じ給料が貰えるなら
誰でも楽な方を選んでしまいたくなります。
そこはケアマネ個人としての
倫理観や技量や能力の問題になってきますが
水が上から下へ流れるように
人間の心も楽な方へ流れがちです。

③ケアマネ個人の事例を情報共有する場がない

基本的にケアマネ個人が担当している利用者は、担当ケアマネの業務の中で全ての処理が行われます。
同じ事業所内であっても、
「他人が担当している利用者のことは全く知らない」
というケアマネが大多数だと思います。
そうなると
どういうケアマネジメントをしていようが、ケアマネ個人の裁量に任せられることになり検討や評価をする機会もありません。
『御用聞きマネジメントし放題の環境が整っている』
と言えます。

◆まとめ

①利用者や家族にとってまだまだ御用聞きケアマネが喜ばれる環境があります。
御用聞きケアマネを減らす研修や努力をするのと並行して、一般の人にももっと理解を得ていく必要があるのではないでしょうか。
②御用聞きケアマネをしていても給料は同じで仕事も楽。
③ケアマネが担当している事例は全てケアマネの中で処理される環境。

個々のケアマネの業務内容を現状より厳しく精査し評価する制度やガイドラインの整備が必要になってくると思います。
それらがまだまだ不十分な現状では、
『御用聞きケアマネ』は今日も利用者や家族の顔色を窺いながら介護保険財源を濫用しサービス提供事業所に無理難題ばかりを押し付けてくるのです。


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コメント

  1. 燃え尽き相談員 より:

    いつも興味深く拝見しております。
    元、居宅ケアマネとしては、耳の痛い話でございます。
    一部、モンスター化したご家族もおり、その方々にとっては、
    「介護保険料は払っているぞ!利用料も払うぞ!困っているから、利用したいから、これだけのサービスが欲しいんだ!何が悪い!」という心境です。
    居宅ケアマネとしたら、「安い介護報酬(居宅介護支援費)で業務を遂行しているんだ。手をかけねばならない方は他にいる。ここで時間をかけている場合ではない。」となってしまう事例もありますわね。
    これで将来、居宅介護支援費が利用者1割負担になってしまったら、さらに御用聞きケアマネ隆盛の時代に突入!は考え過ぎでしょうか?

  2. 山嵐 より:

    >燃え尽き相談員さん
    こんばんは~
    コメントありがとうございます^^
    そうですよね、結局は利用者や家族との信頼関係の構築の段階で破綻してしまいますよね。
    警察官や公務員に対して「お前の給料は私の税金から出ているんだぞ」という人がいますが、それに近いものがありますね。
    警察官や公務員の場合、最終的に正しい方の話が通るのに、何故、介護保険やケアマネの場合は利用者や家族の顔色ばかり窺う必要があるのでしょうね。
    そこに大きな問題点があると思っています。

  3. とも より:

    記事拝見しました。
    まず、御用きき=ダメって誰が決めたんですか?
    ソーシャルワークの理論では、
    自分自身で問題解決方法を選択しているという考えかたがあります。
    例えば、身体障害者の人が地域で過ごすために、自分自身でサービスを選択して生活するために、制度を自ら選択することが、自立という考えがあります。お年寄りも同じで自分自身で自分のことをアセスメントしてこのサービスを利用したい。お願いします!のどこがいけないでしょうか?それが悪い、ケアマネの質が悪いといって、研修増やせばいいということになっております。
    もう一度、自立とは何かを考えてみてはどうでしょうか?

  4. とも より:

    ケアプランはあくまでも、本人が決めるんですよね?!ケアマネが決めるものではないですよね?!ケアマネはそんなに偉くないですよね?!

  5. 山嵐 より:

    >ともさん
    こんばんは~
    コメントありがとうございます^^
    自己決定が悪いとは言っていません。
    ケアマネがケアプロセスを省き、専門性のカケラもない職務怠慢がまかり通っていることが良くないと申し上げております。
    実際、研修を増やしても何も変わりませんよね。
    研修時間さえ過ぎれば修了したことになる無駄な時間だと私も思っています。
    もう一度、ケアマネの専門性とは何かを考えてみてはいかがでしょうか?

  6. 山嵐 より:

    >ともさん
    ケアプランについてですが、本人が望むもの全て記載され希望通りのサービスが提供されるものとお考えでしょうか?
    希望にも優先順位があるでしょうし、利用者や家族に必要な情報と知識を伝え、アセスメントの結果などから充分説明した上で、自己決定をしてもらうことがケアマネの業務なのではないでしょうか。
    要は必要な業務を省くことが問題であり、ケアマネが偉いだとか偉くないだとかということは言及に値いしないと考えますがいかがでしょうか?

  7. とも より:

    ご返事ありがとうございます。専門家として、色々アドバイスはするのは、どのケアマネもしていると思います。それをしないのは問題だと思いますが、結果的に御用聞きと言われても…と言う思いがあり投稿しました。気分を害したならすみません。ただ、結果をだげ見て御用聞きと言われる内容はどうかなと思います。実際、ソーシャルワークの理論の一つに、他の人のソーシャルワーカーの人のソーシャルワークは、第三者のソーシャルワーカーが評価できないという理論もあります。それだけ難しい内容でしたので、あえて異論、反論しました。
    世界的にみて諸論あり難しい内容であることを言いたかっただけです。申し訳ありませんでした。

  8. 山嵐 より:

    >ともさん
    ご返信ありがとうございます。
    専門家としてアドバイスをしているケアマネは問題がないと思います。
    世の中には、本当に何もしないケアマネがいるんです。
    「特養に入所したいんです」→「じゃあ特養に申し込みをしておいて、ショートステイでロング利用して待機しましょう」という専門性のカケラもないケアマネが沢山います。
    他人のケースを評価できないとしたら「困難事例」は一人で抱え込み、「同一事業所への集中」なども、やり放題ということになってしまいます。
    結果だけを見て御用聞きと言っているわけではないことを申し添えておきます。
    尚、気分は害しておりませんし、私もまだまだ勉強不足な点があるのは否めません。
    またご指導ご鞭撻を頂けたらと思います^^