現役介護職員が教える「良い介護施設の選び方」

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今回の記事は
・利用者として
・利用者の家族として

入所や入居する際に介護施設の選び方を、私の独断と偏見でポイントを書いてみたいと思います。

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◆介護施設の種類

『介護施設』と言っても様々な施設形態があります。
・有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・サービス付き高齢者向け住宅
・グループホーム
・介護老人保健施設
・特別養護老人ホーム
・介護療養型医療施設
・ケアハウス
・養護老人ホーム

などがあります。
ひとつひとつ、サービスの内容や入所条件や費用や料金が異なり、介護保険が適用される施設やされない施設もありますので、目的に合わせた施設選びが必要です。

◆契約前に必ず見学を

入所や入居を決めた場合、契約をします。
契約が成立すると入所できるわけですが、必ず契約をする前に施設の見学をすることをお勧めします。
常識ある人は、事前に施設へ連絡しアポイントメントを取ってから見学をしてしまいがちです。
「それが社会のルール、マナー」
だという先入観があるからです。
もちろん間違ってませんし、
事前予約を推奨する施設が多いのも確かです。
しかし本当に
『良い介護施設を見つける場合』は、事前にアポを取らずに突撃見学をすることをお勧めします。
まずは玄関で事務所職員や生活相談員などが応対すると思いますが、そこで
「急に来られると困ります」
などと言う施設はダメです。
すぐには見学して貰えない理由があるからです。
・掃除が行き届いていない
・職員の心構えが出来ていない
・普段の様子を見られると困る事がある
・急な来訪者を排除する体質

などの理由がそこにはあるのです。
もちろん、
・担当者が不在
・特別な行事がある

などという一見正当な理由もあるかとは思います。
しかし私に言わせればそんな理由は正当でも正常でもありません。
見学をする担当者なんて誰でも出来るはずですし、行事があれば是非その見学をさせてあげるべきです。
それでこそ『施設の特色がわかる』というものでしょう。
大体の場合は、事前連絡なしで見学に訪れても対応をしてくれるはずです。
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◆見学で確認しておきたいポイント

突撃見学をすることが出来れば、
『その施設の普段の様子』
を垣間見ることができるでしょう。
その際にどのような点に注意して見学をすればいいのでしょうか。

①職員に笑顔と挨拶があるか

良い施設は職員の表情が明るいです。
そして必ず挨拶をするはずです。
職員の表情が暗く、挨拶もしないような施設は論外です。
仮にそれが作り笑顔だったとしても、
『来訪者には笑顔で挨拶をする』
という常識を兼ね備えた職員がいるということになります。
②職員から利用者への言葉遣いは適切か
・強い口調や命令口調になっていないか
・「ちゃん」付けや「あだ名」で呼んでいないか

という点に注意してみて下さい。
それが日常的に行われているとすれば
『それが許される施設、環境である』
と言えます。
あなたやあなたの家族も同じ対応をされることになるでしょう。
③利用者の前で上司が部下を叱責していないか
利用者の前や家族の前で
部下を呼び捨てし叱責する上司がいる場合は要注意です。
十中八九、人間関係が良くない施設である上に、上司の人間性も最悪です。
そういう施設は必然的に職員がすぐに辞めるので『人員不足の施設』です。
また、そういう環境の中では職員も伏し目がちとなり、笑顔も出ません。
人員不足や虐げられてストレス過多な職員が行うケアが利用者に幸せをもたらすとは考えにくいです。

④掃除が行き届いているか

床やテーブルの上を確認して下さい。
明らかに汚い場合は、掃除が出来ていません。
掃除が出来ていないということは
不衛生な環境で利用者が生活することになります。
掃除が出来ていない理由は
・職員の人員不足
・掃除をする時間がない
・汚れに無頓着な職員ばかり

ということが考えられます。
どちらにしても利用者にとっては良い環境とは言えません。
⑤利用者の服装が乱れていないか
衣類の着脱に介助が必要な利用者の衣服の
・襟が内側に入っていないか
・衣服が背中まで下りているか
・季節に合った服装をしているか

という点を確認して下さい。
介助が不要で自分で衣類を更衣できる利用者であっても、衣服が乱れていれば声掛けをしたり直したりするのがケア業務です。
これらが行き届いていないのも
・人員不足
・職員の知識や技術不足

が考えられます。
上記を確認した上で、
納得できれば契約に進むことになります。

◆契約での注意点

契約をする上で確認しておくべきことは、
・料金(利用料)
・サービスの内容
・職員の人員配置体制
・免責事項
・重要事項説明書

などです。
その際に注意をしておきたい点は
・デメリットの説明があるか
・リスクの説明があるか

ということです。
例えば、
「職員は24時間付きっきりで介護が出来ないので、転倒のリスクはゼロではありません」
「病院受診が必要になった場合は必ず家族の付き添いが必要です」

などです。
その説明があった上で
「契約します」
ということであれば入所の運びとなります。
デメリットやリスクは無い方が良いのですが、限られた人員で多数の利用者をケアする以上、必ずデメリットもリスクもあります。
それを理解して頂いた上で契約をして貰わないと
「聞いていない」
「介護のプロなのに転倒させるなんておかしい」
「完璧な介護をお願いしたつもりだ」

というトラブルに発展しかねません。
残念ですが、どこの施設であっても
現状で『完璧な介護は不可能』だと思って下さい。
利用者が100人いて、介護職員も100人いる場合は別ですが、そのような施設は皆無に等しいです。
厳密に言えば、介護職員にも公休や有給があるので、100人では足りません。
本当のマンツーマンで完璧な介護をする場合は、利用者100人に対して在籍介護職員が130人は必要です。

◆最後に

最後に申し上げておきたいことがあります。
上記のチェック項目をクリアできる介護施設は間違いなく『良い介護施設』です。
しかし、残念ながら『どこの施設も似たり寄ったり』という現状があります。
結論として言えるのは
『職員が働きやすい施設が利用者にとっても良い施設』
ということです。
職員が働きやすい施設とは
・人員確保の問題
・収入面の問題
・人間関係の問題

に加えて
『利用者や家族の理解を十分に得た上で働ける環境』
という部分が大きいのです。
もちろん、スタッフ一同、理解を得られるように努力をしていきます。
利用者のためにも、より良い信頼関係の構築が出来ますよう願ってやみません。
【参考記事】
職員が幸せになれば利用者も幸せになる理論


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コメント

  1. デイちゃん より:

    来客があった時に、余裕のない施設だと、職員が無視するか、「チッ!」て舌打ちするので、すぐわかりますね。
    でも、ほとんどのところが余裕がないのでは?と思います。
    「なんでこんな忙しい時に来るわけ?」
    「入浴でバタバタしてるのに」
    「あんたKY?」
    みたいなね。
    でも私は、「仕事はできなければできないままでいいわ」と思っていて、来客があると、「わざとゆっくりしてやろう」(笑)と思っているので、それはもう丁寧ですよ。
    急な見学者が来れば、「あ~見学ですか~。はい、すぐ相談員よびますね。あ、寒いので部屋の中で待たれますか?お茶いれますね~」みたいな対応。
    ケアマネが提供票持ってきたときも、「事務所がどこかわからないので」と言うので、一緒に二階の事務所まで行きましたよ。
    ケアマネが「お忙しいのにすいません」と言うので、私は「いやいや~全然ですよ」って笑顔で返しましたよ。
    なので、私のせいで(笑)、この施設は余裕があると思ったかも。
    ハッ!そういわれれば、今月新規が3件あった!!
    いい施設って、職員がやめない、同じ職員がずっといる施設だと思います。
    まあ、あこぎなサボり職員がいついてるだけかもしれませんが、あこぎな人がいると他の人がやめちゃうので。
    特に新人が入って定着している施設はよい施設だと思いますね。
    これ、昔の私のデイですね。
    でもいい施設って、経営者が欲を出すので、めちゃくちゃやりだして崩壊するパターンが多いと思います。
    世の中には、何かを作り出せる人と、壊すしか能がない人がいるのですね。
    介護って人を生かす仕事でしょう?
    なのに壊すしか能がない人が、多い気がしますね。
    管理人様が言うように、現状を壊すのはいいのだけど、その後再構築できる可能性は・・・かなり低いでしょうね。

  2. primex64 より:

    上司が部下を叱責するって、良くないですよね・・・。これ、飲食店や会社のオフィスでも言えることで、こういうパワハラに近いようなことが平然と行われている現場は、上司のリーダーシップや資質に問題がある、あるいは人間関係がおかしいなど組織運営が円滑じゃない兆候ですよね・・。

  3. 山嵐 より:

    >デイちゃんさん
    こんばんは~
    コメントありがとうございます^^
    そうですね~、現状では職員や利用者ともに「生かさず殺さずが介護」という感じですね。
    「一殺多生」という言葉がありますが、今後の福祉に必要な考え方になってくるのかもしれませんね。

  4. 山嵐 より:

    >primex64さん
    こんばんは~
    コメントありがとうございます^^
    介護業界ではよくある光景で、「それも自己研鑽の一環である」という独特の世界観を持っているのが福祉の世界です。
    最近ではパワハラ問題にも神経質になってきてはいますが、イメージとしては
    ・強豪スポーツチームの部活動の世界
    ・新興宗教の修行風景
    ・某国の排他的独裁的な政治
    に近い慣習を持っている業界なのです。
    このままでは遅かれ早かれ破綻するのではないでしょうか。