介護施設のワンオペ夜勤の暗黙の了解「パジャマ更衣」

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『ワンオペ夜勤の暗黙の了解シリーズ第2弾』です。

【第1弾】

ワンオペ夜勤をしている介護施設では、 早出職員が出勤してくるまで1人の職員で約20人の利用者の介護をします。 【参考...

前回は「利用者を起こす順番に暗黙の了解がある」ということを書きましたが、今回は「パジャマ更衣」についてです。

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◆就寝する時はパジャマを着る?

皆さんは普段の生活の中で、
就寝する時はどんな格好をされていますか?

・寝間着(パジャマ)
・スウェット
・ジャージ
・肌着と下着だけ
・裸

など人によって違ってくると思います。

私の場合は特に決めておらず
「動きやすい恰好」
を基準にして寝ています。

では、介護施設の利用者は一体どんな格好で寝ているのでしょうか?

◆介護施設でのパジャマ更衣

基本的に寝間着やパジャマの持参がある利用者は
「夜、寝るときは着替えさせて下さい」
という希望があるものと読み取れます。

持参があっても
本人や家族が
「別に着替えなくても良い」
と言っている場合は別ですが
持参がある以上
更衣をするのが普通の考え方だと思います。

しかし、実際の現場では
・自立度が高く自分で着替えられる利用者
・パジャマ更衣に言及した強い希望がある場合

を除き
パジャマ更衣が殆ど出来ていないのが現状です。

◆パジャマ更衣が出来ない理由は?

一言で言ってしまえば
『ワンオペ夜勤だから』です。

つまり
・人員
・時間

に余裕がなくパジャマ更衣をしていられないのです。

寝てもらう時間帯は
まだ二人か三人の職員がいるので更衣してもらうことは可能なのですが、問題は朝の起床介助です。

前回の記事にも書きましたが、
『朝食開始時間には全利用者が揃っていて欲しい理由』があります。

そうなると、更衣介助をする時間というのが夜勤職員にとっては
①大変な手間
②リスクを増やしてしまう

というデメリットしかないのです。

①大変な手間

「仕事なんだから面倒臭がらずにやれよ」
という声も聞こえてきそうですが、介護職員だって人員と時間の余裕さえあればやります。

朝のとても忙しい時間に
『更衣介助』
が加わった場合
どれくらいの時間が必要になるでしょうか。

1人の利用者に5分掛かると
5分×20人=100分(1時間40分)

1人の利用者に3分掛かると
3分×20人=60分(1時間)

多少、利用者の人数や更衣介助の技術力によって掛かる時間数は変わってきますが
『誤差とは言えない時間』
が掛かってしまうのは事実です。

②リスクを増やしてしまう

時間的余裕がないので職員が慌ててしまうことによって
・利用者を急かしてしまう
・乱雑な介助になってしまう
・服に利用者の爪等を引っ掛けて怪我をさせてしまう

などのリスクやヒューマンエラーの発生確率が高くなります。

他にも
居室に入って介助する時間が増えると
・他利用者の見守りをする時間が減る
・他利用者のアクシデント(転倒や転落や異常等)に気づくのが遅れる(未然に防げない)

等のリスクが増えてしまいます。

パジャマ更衣をすることでリスクを増やしていたのでは『本末転倒』です。

現状のワンオペ夜勤では、パジャマ更衣をしない方が
『職員も利用者も幸せ』
と言っても過言ではありません。

ユニットケアは「既に破綻している空想理論」である理由をわかりやすく解説』の根拠のひとつであると言えます。

◆介護職員の名誉のために

散々、パジャマ更衣のデメリットを書き、殆どの職員が更衣をさせていないように言いましたが、介護職員の名誉のために付け加えさせて頂きます。

我々介護職員は、
・可能な限り
・出来る限り
・時間の許す限り

パジャマ更衣介助を行っています。

更衣することのメリットも知っているからです。

・その人らしい生活
・日中と夜間のメリハリをつけた生活
・皮膚状態の観察、異常の早期発見
・更衣動作による生活リハビリ

など良いことも沢山あります。

それらが
「わかっていても」
「やりたくても」
『出来にくい環境しか用意されていない』

といった現状もご理解頂きたいと思います。

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コメント

  1. デイちゃん より:

    服は重要ですね。
    なぜあんなに窮屈な服を何枚も着せるのか。意味がわからない。
    オムツ、肌着、ゆったりした上着、ゆったりとしたズボンなら、着脱は早くできるでしょうね。
    寝たきりの人って、病院みたいな服じゃだめなんでしょうかね。入浴もオムツ交換も早くできると思うのですが。
    その人の生活習慣が大事だからとか、生活のメリハリをつけるとか、生活リハビリになるからとか、いろんなもっともらしい理由を述べる人がいますけど。実際は介護職の負担を増やしてるだけで、利用者にとってはあんまりメリットないんだよね。
    無駄なことは無駄なんだよってわりきらないと、介護職がみんないなくなっちゃうよね~。

  2. 山嵐 より:

    >デイちゃんさん
    こんばんは~
    コメントありがとうございます^^
    介護職員の負担は大きいですね。
    割り切った体制づくりが必要ですね。

  3. ミキ より:

    こんにちは。ほんと同感です。
    20床のショートステイでワンオペ夜勤してます。
    ショートステイなのに何年も住んでいる現状はとりあえず置いて、そういう長い人ほど要求が多いです。
    パジャマに着替えするのは日常生活ではたしかに当たり前のことですが、着替えが自分で出来ない時点で協力してほしいです。
    普段パジャマみたいな楽な服着てるのにわざわざ着替えなくても…と思ってきます。
    てか、思い通りにやりたいなら人員配置が多い高級老人ホームに行ってくれー!一人じゃ無理だ。

  4. 山嵐 より:

    >ミキさん
    こんばんは~
    コメントありがとうございます^^
    そうなんですよね。
    現状の人員配置と頂いている対価では、なかなかパジャマ更衣という介助をする時間の確保が難しく、割に合わない感が大きいですね。
    利用者に「その人らしい生活」を提供する前に、介護職員にも割に合う環境と対価を提供して欲しいものですね。