介護施設の「日勤リーダー」「夜勤リーダー」という当番制の謎

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介護施設では
・日勤リーダー
・夜勤リーダー

と呼ばれる当番制のポストがあります。

『ポスト』と書きましたが、役職でも無ければ出世するわけでもありません。

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◆日勤・夜勤リーダーとは?

この場合の『リーダー』とは
・介護リーダー
・ユニットリーダー

というポストとは異なり、要は
『日勤・夜勤リーダー』=『日替わり当番』
という存在になります。

他業界で言うリーダーと「介護業界のリーダー」は全く異なるもの
という記事で
・介護リーダー
・ユニットリーダー

について書きましたが、それ以上に謎な存在なのが
『日勤リーダー、夜勤リーダー』になります。

介護業界は本当「リーダー」という呼称が大好きなようです。

他にも
・サブリーダー
・フロアリーダー
・認知症介護実践リーダー

などがあります。

◆日勤・夜勤リーダーの責務

一体「日勤・夜勤リーダー」にはどんな責務があるのでしょうか。

【日勤・夜勤リーダーの責務】
・他ユニットやフロア全体の現場責任者
・何か問題があった時に指示を出し的確に処理をする司令塔
・他ユニットやフロア全体の情報の集約先
・他ユニットやフロア全体の情報の発信元
・上司や医療職や家族や救急隊への連絡調整係

という責任を持たされます。

では、一体「日勤・夜勤リーダー」は誰がするのでしょうか。

【日勤リーダー】
・当日出勤の上席者
日勤の場合、夜勤帯よりも出勤している職員も多いですし、上司と呼べる存在もいるので
「課長」→「係長」→「主任」→「介護(ユニット)リーダーの誰か」
という順位で出勤している上席者が『当番』となります。

さすがに「全員揃って公休」という日は滅多にないので、一般職員に当番が回ってくることは殆どありません。

問題は「夜勤リーダー」になります。

【夜勤リーダー】
・当日夜勤の上席者
・資質のある職員

夜勤の場合、上席者はほぼ夜勤をしないので不在となります。

せいぜい、「たまに主任がいるかな」くらいの頻度なので、「介護(ユニット)リーダーや一般職員」にも当番が回ってきます。

しかし、人員不足が続いていて益々悪化している状況なので、「一般職員しか夜勤者がいない」という日も多々あります。

そうなってくると、その中で
「資質のある職員が夜勤リーダーをする」
ということになります。

【続報】京都府の特養で虐待、改善勧告「1人介助で外傷」介護放棄も』のニュース記事中にも

看護師や夜勤リーダーに報告せず適切な対応を取らなかったことから身体的虐待や介護放棄(ネグレクト)があったと判断した。

という記載がありましたが、アクシデント等が発生した場合は真っ先に報告を行い、指示を仰ぐ存在となります。

◆日勤・夜勤リーダーの問題点と謎

薄々感じていた問題点と謎に言及していきたいと思います。

①手当が1円もつかない

日勤リーダーは役職者がすることが多いので、役職手当に当番手当も含まれていると考えれば納得がいきますが、問題は夜勤リーダーです。

一般職員が当番に当たることも多く、ましてや責任重大です。

肉体的・精神的な負担は相当大きいでしょう。

それなのに「手当が1円もつかない」のですから
「出来るだけやりたくない」
と思ってしまうのが人間の心理ではないでしょうか。

②自分のユニットだけで手一杯

特にユニット型施設に言えることですが、
プラスの夜勤人員を配置している事業所ならともかく、殆どの施設が『ワンオペ夜勤』です。

つまり、1人の職員で約20人の利用者を介護しているのですが、それは夜勤リーダーとて同じです。

自分のユニットの利用者を介護しながら、
・他ユニット・施設全体の職員や利用者のことにまで気を配り
・アクシデントが発生した時は報告を受け指示を出し対処を行い
・夜勤帯での現場の責任を負う

ということになります。

自分のユニットの利用者の介護中だった場合
・自ユニットの利用者を介助しながら他ユニットの対応をしたり
・施設全体を走り回ったり

しなければなりません。

「出来ればやりたくありません」

③資質のある職員が少ない

そもそも論ですが、万年、人員不足なので
「資質のある職員が少ない」のが現状です。

人員不足でツギハギだらけのユニットリーダーは本当に必要?』の記事にも書きましたが、
・ユニットリーダーさえどんどん辞めていく
・ツギハギだらけのユニットリーダー
・資質がなくてもユニットリーダーになれる

という現状があります。

つまり、
「本当に資質があるなら介護(ユニット)リーダーになっているはず」
なのです。

「資質がない」若しくは「経験が浅い」職員にさえ「夜勤リーダー」をさせている
というのが実際のところです。

そうなると、アクシデントに対する的確な対応や対処も出来なくなる上に、その顛末や結果について上司から
・批判されたり
・叱責されたり
・揚げ足を取られたり
・吊るし上げられたり

するのですから堪りません。

そんな状況では、育つはずの職員も育たず
ただただ「出来ることならやりたくない」という感情だけを植え付けてしまうのです。

◆まとめ

手当に関しては財源の問題もあるでしょうが、『当番ではない人』と比べて「業務負担も責務も肉体的精神的疲労もケタ違い」なのですから、「それに対する対価」というものは考えていって欲しいと思います。

また、その「負担の大きさ」の根本にあるのは
・人材(人員)不足
・教育体制の不備不足
・上司の人間性
・ユニットケアの欠陥

という問題が大きいと思います。

「職員の自己犠牲だけ」をアテにした運営では、破綻する日も近いと言えましょう。