介護の業務負担は利用者の人数よりも介護量で考える必要がある

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どこの事業所も介護現場は人員不足かと思います。
そろそろ本腰で
「介護職員の業務負担をどうしていくのか」
ということを形にしていく必要があります。
外国人介護士のマッチングにも苦労しているようですし、介護ロボット等の導入もいつになるやらわかりません。
「それまでの間はどうするんだ?」
という事を明確にして欲しい所です。
介護現場の業務負担の大きさは、日々
・介護職員としての寿命
・人間としての寿命

を着実に奪っていきます。

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◆業務負担は利用者の人数だけでは測れない

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夜間は職員1人で約20人の利用者を介護します。
日中は2人~4人の職員配置となります。
4人いてなんとか通常に業務が分担できる状態なのにも関わらず、そのボーダーラインさえも常に下回り、
「3人や2人しか配置されていない」
という状況が常習化してきています。
今まで散々、
「職員と利用者の配置比率がおかしい」
「職員を増やすか利用者の人数を減らしてくれないと適切な介護が出来ない」

と訴えてきましたが、実を言うと、
「業務負担は必ずしも利用者の人数に比例しない」
のです。
今回は、その本質を書いていきたいと思います。

◆自立度との関係

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当然の事ですが
「利用者の自立度が高いほど介護量は少ない」
と言えます。
介護量が少ないということは、業務負担も少なくなります。
大体の事は自分で出来る「要支援の利用者」が20人いる場合と、常に介護が必要な「要介護の利用者」が20人いる場合を比べると、その介護量や業務負担は雲泥の差があります。
しかし、特養の場合は入所資格が「要介護3以上」と決まっていますので、要支援の利用者と出会うことはありません。
私は現在、ショートステイで働いていますので、要支援者も利用可能ですが、それでも要支援者は全体の2%ほどで、殆ど出会いません。
「自立度が高いということは、在宅生活が可能なので、あまり施設系の介護サービスを利用する必要が無い」
という非常にわかりやすい理由です。
では、要介護(要支援)度は軽ければ軽いほど、介護量も少なくなるのでしょうか?
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◆問題行動との関係

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「問題行動」と言われる行動をする利用者がいます。
問題行動とは
・帰宅願望等による徘徊
・セクハラや暴言、暴力
・大声で叫び続ける
・異食(食べ物ではない物を食べる行為)
・弄(ろう)便(自分が排泄した便をいじったり弄んだりする行為)

などで、認知症の症状になります。
こういった行動をする利用者が1人いるだけで、介護量は大幅に跳ね上がります。
たった1人の利用者の対応だけで、多くの時間を要し、時には付きっきりの介護になります。
他の利用者に割ける時間がどんどん少なくなり、事故が発生する確率も上がります。
問題行動のある利用者1人でもそんな状態になるのですから、何人もいたら修羅場です。
それが現実で起きているのが「特養などの介護施設の日常」なのです。
問題行動と要介護度は比例しません。
(参考にはされますが)
したがって、「問題行動のある要介護3の利用者」よりも、「問題行動の無い寝たきりの要介護5の利用者」の方が介護量や業務負担が少ないのです。
以上の理由により
「要介護度が軽ければ業務負担も軽いとは言い切れず、利用者の問題行動の有無が大きく関係している」
ということが言えます。

◆問題行動の是非

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そうなってくると、現場職員からすれば
「問題行動のある利用者はご遠慮願いたい」
というのが本心です。
しかし
・問題行動があるから施設へ預けられる
・問題行動のある利用者を介護するのが施設の使命
・そもそも認知症の症状の殆どが問題行動

という現実があります。
しかしものには限度があります。
職員や他利用者の身体や生命や財産に危険を及ぼすほどの問題行動がある利用者は介護施設では受け入れする必要がないと思っています。
そういう利用者は介護施設ではなく、
もっと他の受け入れ先を確立し確保していく体制が必要なのではないでしょうか。
そういう体制が出来れば
・現場職員の業務負担軽減
・適切な業務の遂行
・職員や利用者(他利用者と本人含む)の安全確保
・介護施設での事件や事故のリスク軽減

が可能になると思います。
現状で特に、そういった問題行動のある利用者をワンオペで介護している介護施設の夜勤は、想像以上に修羅場で熾烈を極めていると言えます。
「割に合わない」と感じることを「割に合っている」と感じれる環境にすることで、救われる気持ちや心や人や命があるはずです。
福祉業界は命を大切にする業界であって欲しいと願います。
【関連記事】
暴力を振るう利用者さえ容認するのが介護なのか


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コメント

  1. デイちゃん より:

    こんにちは。
    要介護度は基準時間で決まってるんだから、利用者全員の基準時間を足したのべ時間をスタッフの勤務時間で割れば、必要なスタッフ数が出ると思うんですけどね。
    そもそも要介護度や基準時間自体が適正なの?って疑問はありますけど、単純に利用者の人数で出すよりはマシなんじゃない?って感じですけど。
    一瞬も目ばなしできない利用者って、無理ですね。
    歩けないのに歩いちゃう人とか、結局はスタッフが見れない時に動いて、転倒して骨折して入院・・・みたいな感じですね。で、病院でも動くので、結局は拘束・・・。
    自傷他害がある場合は、介護施設では無理で、精神病院じゃないと無理だと思いますが。必要なのは介護施設での関わりではなく、精神病院での薬物療法や行動療法です。
    でもまあ、どこで線引きをするのか難しいですね。いまだに、介護スタッフの関わり方を検討して・・とか言い出す人がいますからね。
    ただ、スタッフの負担も考えず、暴言暴力ある利用者を考えなしにいれてる事業所は、結局はスタッフがいなくなっちゃって営業不能になっちゃいますね。
    寝たきりの介護5の方がマシと言うけど、寝たきり介護5は結局は大変ですよね~。会社は考えなしに入れるけどさ。
    もっと現場で働く人の給料上げるとか、スタッフ厚めに入れるとか、リフトなどの機器を入れるとか、考えないとね。
    ・・・と言いながら、すいません、私はもうほとんど試合放棄状態なんですよ。(笑)いやいや、仕事はしてるけど。きっちり一人分。(笑)
    前なら、朝早く来てフロアのレク材とか全部準備して、勤務時間前に送迎に出て、重度を早く連れてきて、入浴を一人ではじめて、その後重度の入浴ばかりして、早く入浴終らせて、記録を書き上げて、重度を移乗して食事介助して・・・という感じだったんです。
    今は、「無理はしない」「とにかくゆっくりする」「一人分の仕事しかしない」「できないことは残す」という感じです。で、「すいません、時間が来たんでさようなら~」です。
    私はずいぶんと楽になりました。その代わり、業務は全然終わらなくなっていますね。
    でも私は言うんですよ。「おかしいな、前は全部終わってたのに」「なんで終わらないんだろう?」って。
    結局は誰かが犠牲を払ってるだけなんですよね。で、私は犠牲になるのはやめたんです。(笑)

  2. 山嵐 より:

    >デイちゃんさん
    こんにちは~
    いつもコメントありがとうございます^^
    事業所も業界も職員のことを考えているフリはするものの、いつも実を結びませんね。
    とにもかくにも、自分を守ることに専念する必要があると思います。
    もう自己犠牲だけで成り立つ運営はヤメにして欲しいものです。

  3. デイちゃん より:

    新しく入ったスタッフ、だんだん業務に入ってるんですが、もうひどいですね。
    ちょっと障害がある感じで。
    入浴で、「〇〇さんと外に出て、〇〇さんを連れてきて」と言ったら、全然帰ってこず、見に行くと、フロアで利用者とだべってる。
    その後も利用者さんとたべってるだけ。もうボランティアさんな感じ。いや、KYな実習生な感じ。
    でも管理者は、保険をつけて長時間入れるつもりみたい。バカだね~。
    ま、私は一人分の仕事しかしないけどね。って、今日も気がつくと、機械浴4人の後、重度の食介、トイレ介助と、新人が利用者とだべってるのを横目に働きまくったなあ。
    結局、働く能力のない人って働かないから、楽をするんですよね。

  4. 山嵐 より:

    >デイちゃんさん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます^^
    本来は利用者と会話をするのも大切な介護のひとつのはずなんですが、三大介護の業務負担が多すぎてそこまで手が回らないのが現状ですね。
    理想と現実の差なのかもしれませんね。