労基署の行政指導後「益々劣悪化する介護現場」の労働環境

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以前『労災が続いたので労基署の調査が入り行政指導が行われる』という記事を書きました。
私の事業所で労基署の行政指導が行われたわけですが、その後どうなったのでしょうか。

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◆始業前30分以上前のタイムカード打刻も禁止

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行政指導により、
「始業の30分以上前にタイムカードを打刻することも禁止」
となりました。
そりゃそうです。
30分以上前の出勤は「早出残業」となり残業手当が発生するからです。
しかし、介護職員には始業開始前に行っている業務があります。
例えば
「ケース記録の参照確認」
などです。
自分が職場に居なかった
・公休や有給
・夜間

などの利用者の様子を他職員が記録したものを参照し確認します。
1日分にしても約20名の利用者がいるので相当な量の記録を読むことになります。
利用者の様子だけではなく、対応方法の変更なども記載されていることがあるため、この作業を省略することは間違ったケア方法に繋がります。
その他にも
・業務連絡の確認
・回覧物の確認
・当日の行事などの要綱の確認

などの情報収集をしなければなりません。
そういう業務が必要なため、30分以上早く出勤する職員が多かったのですが、それも禁止になりました。
一見、早出残業が無くなって
「労働環境がより良くなった」
かのように見えますが実際はそういうわけにはいきませんでした。

◆益々自己犠牲を払う必要が生じる

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始業開始時間になってから、今までの始業前作業をすれば良いのですが
「それでは現場が回らない」
という現実があります。
始業時間になっているのに、職員が30分近くも寮母室(介護室)に籠って書類やパソコンを確認していては、現場の人員が足りないのです。
そうなると現状どういうことになっているのかと言うと
①始業25分前に出勤する
②始業30分以上前に出勤して作業を行い始業25分前になってからタイムカードを打刻する

ということになってしまっています。

①始業25分前に出勤する

25分前のタイムカード打刻なら残業手当は発生しません。
事業所としては御の字ですが、結局25分前から仕事をしている介護職員は
「残業手当が発生しない空白の時間に仕事をしている」
ということになります。
たった1分の差ではありますが、
「30分以上前は手当が発生し、29分以内は手当が発生しない」
という法の抜け穴をかいくぐった働き方を強いられています。

②始業30分以上前に出勤して作業を行い始業25分前になってからタイムカードを打刻する

25分前でも業務準備が間に合わないと判断した時は
「30分以上前に出勤しておいて残業手当が発生しない時間になってからタイムカードを打刻する」
ということをしている職員もいます。
これでも手当は発生しませんし、タイムカードしか見ない労基署にバレることもありません。
事業所にとってはこれも御の字です。
しかし、そういうことが常態化してしまうのは厳密には法律違反です。
事業所とすれば
「30分以上前に出勤するなと指示している」
という建前があります。
職員にしてみれば
「30分以上前に出勤しないと業務が回らない」
という言い分があります。
結局は人員が十分に確保されていれば自己犠牲を払う必要もないのですが、現場のためを思い確実な業務遂行を自分がする為に自己犠牲を払ってしまっている職員がいるのです。
もうこうなってくると
何が良くて何が悪いのかわからなくなってきます。
「人員不足が悪だ」
ということは確かです。
それを補うために、職員が自己犠牲を払い辛うじて現場を回してしまうことで、結局は今までと何も変わらないどころか「状態は更に劣悪化している」と言えます。
そして、よくありがちなのが、始業開始30分以上前に出勤して後からタイムカードを打刻しようと思っていても
「仕事に意識を取られ打刻を忘れてしまう」
ということがあります。
実際は30分以上前に出勤しているのに
「遅刻扱い」
になってしまいます。
もちろんこの場合は、
「理由と事情を説明し事務職員に手書きで時刻を書いてもらう」
という対応が必要になってきますが
「本当に要らぬ手間とおかしな状態」
だと思います。
残業手当もつかないのに
「更なる自己犠牲を払う必要が出てきた」
という救われない状況になっています。
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◆行政指導は形だけのもの(まとめ)

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結局、労基署が入り行政指導が行われても
「改善するどころか益々劣悪化」
する結果となりました。
労基署に限らず役所全ての行政指導は
「総じて形だけのもの」
と言えるのではないでしょうか。
【参考記事】
【介護業界の闇】のど元過ぎれば熱さを忘れる行政処分の闇
書類や帳簿やタイムカードの打刻時間さえ問題なければ、実際の現場に問題があっても見過ごされる体質があります。
「介護業界の闇」であり「行政の闇」でもあります。


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コメント

  1. primex64 より:

    早出残業を強いるのはダメです。勿論、不要不急の残業もダメです。
    私の職場は、朝は9:30始まりです。各部署では9:30から朝礼をやりますが、私の部署では9:45からです。理由は、9:30に間に合うように9:15過ぎから資料を準備したりコピーしたりする人がいるからです。それは正式記録に残らない早出サービス残業に当たるので、9:30から準備すれば良いようにとの配慮です。

  2. 山嵐 より:

    >primex64さん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます^^
    当たり前のことが当たり前に配慮が出来る職場や部署って素敵ですね。
    心に余裕が出来れば自ずと良い仕事も出来ますね^^

  3. まるはち より:

    こんにちは。
    いつも記事を読んで勉強させて頂いています。
    ところで「あなたは介護職をどう思いますか?」のアンケートのコメントに山嵐さんに対するひどいコメントが書かれていますね。
    こういうことを書く人ってどういう神経してるんでしょう?
    嫌だったらわざわざブログ記事を読まなくてもいいのに。
    誹謗中傷に負けずブログ運営頑張って下さい。
    応援しています!

  4. 山嵐 より:

    >まるはちさん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます^^
    そうですね、わざわざ読みに来てわざわざ誹謗中傷コメントをするんですから凄いエネルギーですね。
    世の中には色々な人が存在するという確たる証拠ですね(笑)
    応援ありがとうございます^^