「現状維持」を目指すしかない介護職員と介護業界の闇

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介護職員の業務は、利用者への直接的なケア以外にも書類などの事務仕事や評価分析を行う業務があり、多種多様であることは今までのブログ記事でも発信してきました。
利用者への直接的なケアだけをとっても
・声掛け
・見守り
・傾聴
・付き添い
・食事
・口腔ケア
・排泄
・入浴
・レクリエーション
・生活リハビリ
・移動や移乗
・身の回りのお世話(居室やトイレ清掃、洗濯等)
・送迎

などなど多岐に渡ります。
全てをそつなくこなし
「オールマイティ」
であることが求められます。

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◆得手不得手は誰にでもある

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もちろん全ての介護職員が「オールマイティ」ならば素晴らしいのですが、人間ですから
・得手不得手
・得意不得意
・長所短所
・上手下手
・向き不向き

があります。
「レクが苦手」
「入浴介助はしんどい」
「移乗介助は腰が痛くて出来ない」
「傾聴が苦手」
「書類が苦手」
「パソコン使えない」
色々な介護職員が存在すると思います。
仕事である以上、苦手なことを克服することが重要なのですが、現状の介護現場ではそういった通常あるはずの「向上心」や「努力」が意味をなさないことが多くあります。
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◆向上心や努力が意味をなさない理由

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まずその理由のひとつが『老老介護は介護施設にも及んでいる』ということです。
「そもそも無理」
ということです。
年配の職員にありがちな
「パソコン使えない」
「書類出来ない」
「今更覚えられない」
「腰が痛くて移乗介護できない」
「持病もあるし夜勤は無理」

という「そもそも」が存在します。
こればっかりは誰が何と言おうと無理ですし無駄です。
暗黙の了解で会社が認めてしまっている場合が多いからです。
そういう人材でも
「辞めずにいてくれるだけで嬉しい」
という人材不足の悪循環があります。
次の理由が「サイコパス」の存在です。
「自分のやりたいことだけしかやらない」
「面倒くさいことや苦手なことは他人に押し付ける」
「批判されると利用者への愛を語り自分が間違っていないことを主張する」

という介護業界に存在する危険な生物です。
奉仕論で労働者をこき使ってきた介護業界が生み出した悪の化身と言えます。
そして残念ながら、介護業界はこういう「サイコパス」や「メサイアコンプレックス」の職員を好む傾向にあります。
会社に好まれると出世、昇格していきます。
我々の上司の多くはそういう人間だということを忘れてはいけません(全てではないですが)。
その結果
・下の人間の負担が大きくなる
・イヤな仕事を押し付けられる
・自己犠牲こそが利用者への愛だと教えられる
・耐えきれなくなって退職する職員が増え人材ロスをする

というこれまた悪循環が止まりません。
『やらない善より、やる偽善』は良いけれど、それを押し付けるのが介護業界』ということが言えます。

◆ベストよりもベターで現状維持

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本当ならば、皆が苦手を克服しオールマイティな職員であれば介護現場はもっとより良くなります。
しかし残念ながらそれが不可能なのが現実です。
余談ですが、介護施設での夜勤に配置する職員はオールマイティである必要があると思います。
特にワンオペ体制の夜勤の場合は1人の職員で20人近い利用者の介護をするわけですから
「移乗が出来ない」
「書類やパソコンが出来ない」

などと言っていては仕事になりません。
しかし現状では「何かが欠けている職員」でも夜勤に配置をせざるを得ないくらい人材不足が深刻な業界となっています。
その結果が、昨今多発している介護事件や事故の一因になっているのは間違いがないと思います。
話を戻しますが
日中に複数職員が出勤している状況の中であれば
「苦手なことを無理してやるより自分の得意なことを一生懸命やってくれればそれでいい」
と私は思っています。
但し、本来はオールマイティな職員が多数存在する方がベストです。
現状のどうしようもない状況の中ではベストよりもベターを選択するしかないのです。
何かひとつ任せておける業務があれば、こちらも違う動きが出来ます。
互いが互いを補いながら業務をこなしていくことで、何とか首の皮一枚で繋がる状況が維持できます。
向上だとか努力だとか自己研鑽だとか言う以前に、現状維持を目指すしかないのが「介護職員と介護業界の闇」だと言えます。


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