【ニュース】「介護職員3割が利用者やその家族からセクハラ経験」それでも改善しない介護業界の闇

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介護職員の約3割が利用者や家族から「セクハラ」を受けた経験がある、というニュースです。

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◆ニュース概要

介護職員、3割がセクハラ経験 利用者やその家族から

介護現場で働く人のうち約3割が利用者やその家族からセクハラを受けた経験がある――。介護職員らの労働組合「日本介護クラフトユニオン」が27日、こうした調査を発表した。組合は「セクハラは以前から言われており、組合員から悲鳴のような声が寄せられた」と訴えた。
 組合は今月10日にハラスメント全般に関するアンケートを組合員約7万8千人に送付。20日までに回答した1054人(女性908人、男性146人)のうち29%にあたる304人(女性286人、男性18人)が「セクハラを受けた」と答えた。前財務事務次官による女性記者へのセクハラ発言を受け、セクハラ部分のみ中間報告として公表した。
 複数回答で、最多は「不必要に個人的な接触をはかる」で51%。「性的冗談を繰り返したり、しつこく言う」が47%、「胸や腰などをじっと見る」が26%、「食事やデートへの執拗(しつよう)な誘い」が10%で続いた。自由記述欄には「胸などを触られた」「下半身を見せてきた」「キスをされた」などと書かれていた。239人(79%)は周囲に相談したが、その約半数はその後も状況は「変わらない」とした。また、「このままでは人材確保は困難」といった記載もあったという。
【引用元】朝日新聞 4/28(土) 12:55配信

調査を行った「日本介護クラフトユニオン」は当ブログでも『介護職員のセーフティネット情報』という記事で取り上げたことのある全国規模の労働組合です。
「その会員約7万8千人のうち約3割」かと思いきや
「回答したのは1054人でその中で約3割がセクハラを経験」
ということです。

◆回答率が低すぎる

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まず、率直な感想として
「回答率が低すぎだろ」
と思います。
回答率が1割(10%)にも満たないどころか、1.4%以下です。
その回答率の低さが何を物語っているのかはさておき、その程度の人数の回答では
・正確な分析が難しい
・数値データの信憑性が著しく低い

ということが言えます。
それの意味するところは
介護職員に対するセクハラの信憑性が低いということではありません。
「もっともっと高い確率でセクハラが存在し闇深い」
ということが言えると思います。
決して「介護職員のうち3割などという低い確率ではない」ということです。

◆介護業界の闇深さ

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介護業界以外でも財務省の官僚を筆頭にセクハラ問題は世間を賑やかしています。
それだけ
「重大で重要で捨て置けぬ問題」
だと言えます。
しかしながら、介護業界においては今まで長い年月、当然のようにセクハラが行われてきました。
ニュース記事にも明記してありますが

239人(79%)は周囲に相談したが、その約半数はその後も状況は「変わらない」とした。

とあり、今まで「完全に見捨てられてきた問題」なのです。
見捨てられた職員は
・我慢する
・トラウマになる
・介護の仕事を辞める

という選択肢しかありませんでした。
今回のアンケートで回答したのは、この選択肢の中で「我慢する」ということを選択した職員の一部であって、多くの職員は「トラウマ」になったり、「介護職員を辞めていく」という選択を余儀なくされてきました。
トラウマになった人や辞めていった人がアンケートに回答するはずはないのです。
つまり、もっともっと多くの被害者が存在するのにも関わらず
・回答率が著しく低い
・セクハラ経験があるのは回答者のうち3割

という表面上の統計しか取れなくなっている所に介護業界の闇が存在するのです。
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◆闇を作ってしまった環境

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そういった闇を作ってしまった原因は明らかです。
「セクハラを容認してきた事業所や業界の環境やコンプライアンスに問題がある」
という一言に尽きます。
「事業所によって違う」
「結局は事業所次第で業界はあまり関係ない」
「ブラック事業所が問題なのであって業界全体にまで問題を拡げるのはいきすぎだ」

ということを言う人もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、介護業界には今現在もそういうセクハラを容認しているブラック事業所が多数存在しています。
これが「ごく一部の風変わりな事業所だけおかしい」のならば、「事業所次第」だと言えますが
「業界内に風変わりな事業所が多数存在している時点で、介護業界全体としてもブラック事業所を容認している」
と言い替えることができます。
「ブラック事業所を淘汰できない業界は業界全体でブラック体質」なのです。
そういう風変わりでコンプライアンスの欠片もない事業所が多数存在しているわけですが、一方で『【介護業界の闇】利用者に「胸を触らせること」が神対応なのか』の記事で書いたように
・セクハラを容認する介護職員
・それを面白おかしく取り上げるマスメディア

にも大きな問題があります。
「社会の公器」であるはずのマスメディアが、本来介護職員があるべき姿を歪曲し、社会的地位を更に陥れるような情報発信をしてしまうことには憤りを感じます。

◆事実は明らかなのでやるべきは「改善」

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数値として統計を出すアンケートを実施したことはひとつの進展と言えるのかもしれません。
しかし、介護職員の置かれている劣悪な環境とコンプライアンスは、遥か前からわかっていることです。
今やるべきことは、アンケート結果を眺めたり数値や統計を出すことではなく「改善」です。
しかも改善して欲しいことは
「介護職員の人権を守って欲しい」
「介護現場からセクハラを無くして欲しい」

という至極当たり前のことになります。
たったこれだけのことに、長い年月触れようとしてこなかった事業所や介護業界は
「人材を確保したいのか、したくないのか」
ただそれだけを考えて日々努力を重ねていって欲しいと思います。
人材が確保できない環境でありながら、利用者の幸せの追求をさせようとするから悪循環に拍車が掛かっていくのです。
強引に無理矢理、介護職員の自己犠牲を増やす冷遇では何も変わらないどころか益々悪化していきます。
介護業界の皆様は「北風と太陽」という寓話を一読されることを強くオススメします。


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コメント

  1. アングラー より:

    暴力もセクハラも認知症だからという理由で許し、それに腹をたてるのはプロ失格という綺麗事、キラキラの成果ですね。
    利用者の尊厳を守ろうと言いつつ、職員の尊厳を守ってこなかったツケが回ってきています。
    追進 旅行記は行った気分になれるからいいですね。今後とも続いて欲しいシリーズです。闇だらけの介護業界で一服の清涼剤になります。

  2. 山嵐 より:

    >アングラーさん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます^^
    そうですね、完全に今までのツケが回ってきていますね。
    現場職員を大切にしなかったというツケですね。
    旅行記のご感想ありがとうございます^^
    実はまだまだ写真ストックや記事にしたいスポットがあるのですが、そればっかり続くのもどうかと思い、普段の介護に対する記事を間に入れてみました(笑)

  3. ダメ人間 より:

    この高齢者業界に従事していると、セクハラ絡みの事は避けられないんですかね。
    ①理事の斜め上の訳が分らない要求やら、介護計画書の存在すら知らなかった等、理解不能な相方のオバサン相談員など色々とあって、短期間で辞めた法人のDS相談員をやっていた時の事。
    男性利用者が特定の女性職員にセクハラを行い、業務終了後に女性職員が勇気を出してセクハラを受けている事を言ってくれました。
    介護主任のオバサンは、有効性のある改善策を出せずにミーティングを終えましたが自分は数日後、業務終了後に時間を取ってもらって女性職員との話し合いの席を設け、まず自分からその様な行為があった事に気付けなかった事など等を謝罪し、可能は範囲で大丈夫なのでどの様なセクハラを受けているのか?聞きました。
    その女性職員はどう見ても現場には必要な方だったので、それが原因で退職の道は避けたかった事もあり理事に報告してら、現場でどうにかしろとの回答。
    既に退職が決まっていた背景もありますが、そこで何かがふっきれて、
    ・利用者を集めるより職員を集める方が大変な状態だろ
    ・この業界も現場ありきだから現場の人を守る事が優先でしょ
    というスイッチが入り、利用者の担当cmに詳細な内容を報告&こちらでも可能な範囲で対応するが、場合によって利用中止になる事を伝えました。
    相方の相談員は、「それが原因お客さんを紹介してもらえなくなったらどうするのか?」と喚いてましたが、適当にすいませんと謝り男性介護職員と自分がいたので異性対応から男性対応に変更し、他の女性職員にもどんな小さな事でも良いのでセクハラ事案は相談員に報告する徹底を説明。
    計画書の事案もあり自分が出来る事はやるだけやって退職しましたが、その後は理事の訳が分らない提案により、在籍していた時にあったDSは閉鎖されたと元同僚から聞きました。
    ②介護職として勤務したDSにて、こちらも男性利用者が特定の女性職員へのセクハラ事案。
    パートの年長女性介護職員が「そんなに触りたいのなら、私の触りなさいよー」と、「【介護業界の闇】利用者に「胸を触らせること」が神対応なのか」の記事にあった様な事を言ってましたが、そのまま何も変わらず異性対応から同性対応に変更となりました。
    坦会にてセクハラの問題が出され、
    ・奥様から謝罪の言葉あり
    ・次にそうゆう事があったら手を叩いても良い事 と 奥様へ即報告
    という事で終わったみたいですが、手を叩ける訳ないだろ…と思っていたら、
    セクハラを受けていた女性職員が問題を起し退職したので、その問題は自体は解決していないと思います。
    稀にその職場の元同僚と連絡を取りますが、その男性利用者は今でも利用しているがセクハラ事案は無いとの事で、好みの職員がいたらまたセクハラが復活すると思います。
    結局は理想論うんぬんより、セクハラの問題を少しでも解決したいのであれば、同性対応がてっとり早い方法かと。
    事業所によって職員の男女比率は違いますけど、事務や事務長とか男性のお偉いさんも現場に出て、介護業務を行えばいいと思いますよ。

  4. デイちゃん より:

    昔はセクハラなんて当たり前だったんですよね。バカみたい。
    でもほら、今は違うでしょ?
    今、男性利用者が女性スタッフにセクハラしてたら、「〇〇さん、ニュース見たでしょ?あんなえらーい官僚さんも女性記者にセクハラしただけで首になっちゃう時代なんですよ?首になるだけじゃなくて、下手したら訴えられたり、裁判になったりして、そりゃもうとんでもないことになるんですよ?家庭は崩壊するし、人間関係は崩壊するし、お金だっていっぱいとられるし。」って言えば、たいていの人はやめますねえ。
    それでもセクハラやめない人には、昔からの手段が。
    「〇〇さんにも娘さんや女のお孫さんがいるでしょ?自分の家族に、エロジジイが、おっぱいさわったりとかセクハラしてたらどう思いますか?嫌じゃないですか?腹がたたないですか?それと同じことをあなたはしてるんですよ?人として恥ずかしくないですか?」って言いますね。
    普通の人は、そこでちーんとなりますね。
    同性介護とかは、もちろん正しいと思います。セクハラを未然に防ぐし。
    でもシフト的にどうしても女性スタッフが男性利用者を介助する場面があると思うんですよね。
    で、そこでセクハラが起こった時に、「それはダメです!」とピシャッと注意できる環境が欲しいですね。

  5. とも より:

    こんばんは
    セクハラ事案、しょっちゅう現場で見聞きします。自分がいたら、ピシッと言ってしまいますし、女性職員もしっかり注意してくれます。
    が、男性職員へのセクハラもあるということをしっかり認識してほしいと切に感じています。入浴介助中に自分の体の説明をしたり「お兄ちゃんにキスしたい」など卑猥な言葉をあびせてきたり…
    女性職員、笑っている場合ではないぞ(´TωT`)と思います

  6. 山嵐 より:

    >ダメ人間さん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます^^
    業界内の事業所のありとあらゆる所でセクハラは存在しますね。
    何故、福祉業界は利用者だけは常に治外法権なのでしょうか。
    そういうおかしな人権擁護をすることが「福祉」なのだとしたら、今後の繁栄はありえませんね。
    現状で本当に人権を擁護しなければならないのは現場職員の方だと思います。
    可能な限り同性介助をする方法が現状では精一杯といったところでしょうか。
    もっと事業所もそういう「犯罪」を犯す利用者は「出禁や利用中止」にする対応を取っていく必要があると思います。
    おっしゃるように、今後は利用者の確保より職員の確保をすることの方が難しくなるでしょうし(既になっていますが)、先見の明がある経営者なら安定成長していくためには「何が必要で何をすべきか」という判断は容易にできるはずです。

  7. 山嵐 より:

    >デイちゃんさん
    こんばんは~
    コメントありがとうございます^^
    認知症がなくて意思疎通が取れる利用者には有効かもしれませんね。
    認知症が無くても耳が遠すぎて、単語や短文しか伝わらない利用者もいますが「ダメ!ゼッタイ!」なら伝わりますね。
    それを真摯に受け止めるかどうかは利用者次第になってきますが、やはり「出禁や利用中止」を含めた対応が出来る環境が欲しいところですね。

  8. 山嵐 より:

    >ともさん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます^^
    確かにそうですね。
    言われて改めて気づきましたが、私も女性利用者に手を握られたり腕をさすられたりします。
    結構ゾワゾワして気持ちの良いものじゃないんですよね。
    今思えば、それってセクハラされていたのかもしれません。
    そういう点では、まだまだ「セクハラ被害は女性が受けるもの」という思い込みが強いハラスメントになりますね。