利用者の「原因不明の外傷や事故」は介護職員の責任?その対策は?

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介護施設で長らく働いていると色々なアクシデント(事故)に遭遇します。
事故に繋がらなくても、内出血だったり皮膚剥離だったり、インシデント(事故の発生する恐れのある事態)に該当することはアクシデント以上に多く遭遇します。
そんな「アクシデント」や「インシデント」の中で意外に多いのが
「発生原因が不明」
という状況です。

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◆発生原因が不明とは?

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利用者の外傷等を発見した時に
「何故、どうやってこの外傷ができたのかわからない」
という状況があります。
転倒している所や何かにぶつかっている所を発見できれば原因の特定は容易ですが、いつも通り生活していていつも通り接している時に
「あれ、こんな所に傷や内出血がある」
という具合に発見した場合は原因が不明となります。
認知症の無いクリアな利用者ならば
「ああ、これはいついつにドアでぶつけて出来たんだ」
と答えてくれますが、介護施設で生活する利用者の多くは認知症者になるのでそういった意思疎通が取れません。
そういった場合に
「原因不明のインシデント(又はアクシデント)」
という扱いになります。

◆介護職員への責任の追及の可否

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介護職員も利用者に24時間付きっきりで介護が出来るわけではないので、見知らぬ所で原因不明の外傷が発生することは往々にしてあり得ることになります。
ですから専ら「介護職員に責任の追及」をされることは心外ですし、家族へは利用前の契約時や事前説明の場で「重要事項説明書(重説)」などリスクを説明した上で同意と署名をしてもらっています。
ですから我々も「そういった不測の事態も起こり得ますよ」ということは理解して頂いている前提で介護を行っています。
しかし事故に発展した場合に
「署名はしたけど詳しい説明がなかったので知らなかった」
「説明を受けず誤解したまま署名をさせられた」

ということを言う家族もいらっしゃいます。
確かに重要事項説明書にハッキリ「24時間付きっきりの介護は出来ないので事故が発生するリスクがあります」とは明記されていない場合があり補足的に口頭で説明を行う場合もあります。
そうなると
「言った言っていない」
「聞いた聞いていない」

の水掛け論になってしまいます。
契約担当者や現場職員や自分を守るために、もう一度自分の事業所の「重説」を確認しておく必要があります。
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◆利用者の身体状態によって責任の配分が違ってくる

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目の届かない所での原因不明の事故の多くは介護職員の責任とは言えません。
しかし、その責任配分が変わってくる場合があります。
それは、「利用者の身体能力」によって変化します。
原因不明のアクシデントの場合、大きく分けて以下の2つで考える必要があります。
①自分で自由に移動したり行動できる利用者
②自分では移動や行動が出来ず自発動作のない利用者

①の場合は、介護職員の責任は無いに等しいと言えます。
24時間付きっきりが出来ない以上、自由に行動する利用者は様々な動きをします。
それを逐一監視することも出来ませんし、行動を制限することも出来ません。
但し、同じような外傷が続く場合は何らかの対応が必要になってくるでしょう。
・起こり得ることは仕方の無いこととして、適宜家族と連携を取り理解を得ていく
・原因が特定できれば外傷にならない対策

という前向きな姿勢は現場としても事業所としても必要なことです。
問題は②の場合です。
要は
自発動作がない利用者=寝たきりの利用者
であると言えます。
寝たきりの利用者が外傷を作ってしまう場合は、自分で転倒したり何かにぶつけたりする行動や動作がないわけですから
「介護中に介護者の介護方法で外傷を作っている可能性が極めて高い」
と言えます。
そういうインシデント的なことがあれば、普通は介護中に気づくはずですが
・気づかない介護職員
・気づこうとしない介護職員

がいることも否定できません。
ましてや、内出血などはすぐに現れず後から出てくる場合も往々にしてあります。
その時はどうもなっていなくても、数時間後や翌日に外傷として症状が出てくると
「いつどこで誰がどうやってこうなったのか全く不明」
ということになります。
ひとつ言えるのは
「外部からの力が加わったことで発生した外傷」
ということは間違いないところです。
この場合、ケアに関わった現場職員の責任が大きいと言えます。
但し、犯人捜しをしたり責任を追及していくのではなく
・今後発生しないようにどうするのか
・家族とも連携を取り理解を得ていく

ということが大切です。
賠償責任や賠償請求をされる場合も、圧倒的に②の場合が多いかと思います。

◆原因不明の闇

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ここまでは、基本的な知識や対応方法を書いてきましたが、もっと深部の闇の部分にメスを入れていこうと思います。
先程「犯人捜しをしない」と書きました。
これの意味する所は
・一人の職員を吊るし上げたり責任を押し付けたりしない
・働きやすい環境を維持していく方が長期的に見て得策

ということになります。
しかし
・明らかに特定の職員が対応した後に不明傷や内出血が多い
・本人から報告もないし「身に覚えがない」と言っている

ということがあるのも事実です。
確かに「確たる証拠」はありません。
こういう職員がどこの事業所でもいるのではないでしょうか。
限りなく黒に近いグレーな存在です。
実際、本人が気づいている場合と気づいていない場合があります。
故意的にやっている場合は虐待が疑われますし、ただ単に介護技術が未熟な場合もあります。
こういった職員がいる場合は
・二人介助を行う
・介護技術を再確認する
・ワンオペ夜勤には配置しない

という対策が必要だと思います。
しかし、人員不足の介護施設では残念ながらそういった対策もできず、一人で介助を行わせワンオペ夜勤にも配置しているのが現状ではないでしょうか。
対策をせずに発生してしまった事故は「事業所の責任」だということを申し添えておきます。

◆まとめ

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大きな事故(アクシデント)に繋がる前にインシデントの段階で正しい対応をしていくことが利用者を守ること、ひいては自分を守ることに繋がります。
・重説などの契約時の内容を確認しておく
・利用者の身体状態で責任の配分が変わってくる
・いずれにしても適宜、家族に報告したり連携を取っていく方がお互いのため
・対策を怠って発生した事故は事業所の責任


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コメント

  1. とも より:

    こんばんは
    夜勤のあがる時間が近く若干の喜びを感じています笑
    知らぬ間の内出血、あるあるですね。私は曾祖母や祖父母と同居してたので、年より慣れしてるからか、ちょっとのことで内出血、あざはあると思ってます。幸い、事業所の家族さんも理解がある方が多く、大半が理解を示してくださいます。
    報告をしてもどこかでストップして伝わらない看護師、「どうしたのお」と利用者に大袈裟に聞き、いつまでも蒸し返すケアマネの方がたちが悪いかもです。

  2. 山嵐 より:

    >ともさん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます^^
    そろそろ夜勤が明けた頃でしょうか、お疲れ様でした^^
    高齢者は皮膚状態も弱くなっているので、すぐに剥離したり内出血したりしますね。
    家族の理解があるのは幸いですね。
    そういう看護師やケアマネ、確かにいますね(笑)