「現場経験の浅い人が介護事業所の経営者」になると色々悲惨な3つの理由

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どの業種であっても、経験の浅い人が経営している会社は色々な意味で悲惨なのですが
「そもそも介護業界ほど現場経験の浅い経営者がいる業種は類を見ない」
という印象があります。
ヘルパー経験の無い人が訪問介護事業所を経営していたり、介護現場を知らない人が介護施設を経営していたりします。
1年でも経験があればマシな方で、1ヶ月どころか聞きかじった程度の経営者が多数存在しています。
そこに信念があるか、ただのビジネスかに拘わらず現場経験の浅い経営者が運営する介護事業所は
「不幸な人が増える」
傾向にあると思います。
何故、悲惨で不幸な人が増えるのかを考察していきたいと思います。

◆理由①「基本的な知識がない」

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現場経験が浅い(又は全く無い)ので、当然ながら
「基本的な知識がない(少ない)」
と言えます。
経営者だから経営のことばかりを考えていればいいというわけにはいきません。
事業所内で行われている全ての事を把握し、最終的な責任を持つ立場の人になるので、現場で行われていることに対しても専門的な知識は必要不可欠です。
人員不足の場合は自分が現場に入る必要があるかもしれませんし、そうでなくとも定期的に現場に顔を出し
「正しい適切な知識で現状を見極める」
ということをやっていく必要があります。
ちなみに知識とは
・介護技術
・介護の基礎知識

ということであり
「経営者の思想信条や信念や思い」
ではありません。
「基本的な介護技術も無い経営者から信念や方針だけを示されることほど悲惨」なことはありません。
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◆理由②「職員の気持ちがわからない」

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現場経験がない経営者は、現場職員がどのような環境でどのような気持ちで働いているかを察知することに鈍感です。
「経験があるからこそ他者の気持ちを推し量ることが可能」なのです。
「数か月現場で働いた経験があるから気持ちはよくわかる」
という経営者もいますが、残念ながら数か月では足りません。
そういう意味で、介護の国家資格である「介護福祉士資格」は良い基準になるかと思います。
受験資格が「実務経験3年以上」となっているからです。
ですから、介護事業所の経営者ならば最低限「介護福祉士資格」を取得していて欲しいところです。
「社会福祉主事任用資格」という研修を受講すればほぼ確実に貰える資格(?)がありますが、実務経験を必要としないので
「職員の気持ちがわからない経営者を量産している制度」
にも問題があろうかと思います。
ここで特筆しておきたいのは
「利用者の幸せの追求こそが福祉であり、職員のことを考える必要はない」
という残念な経営者が少なからず存在するということです。
私は今まで他の業界も経験してきましたが、この考え方は福祉業界独特の考え方だと実感しています。
もちろん、他の業界でも
・顧客の信用確立
・顧客が満足するサービスの提供

という目的を持って経営されているのですが、経営理念や根本理念には
「社員やその家族の豊かな生活を実現させることも目的としている」
という場合が多く、そういう企業ほど安定成長を成し遂げていると言えます。
介護事業を展開する経験未熟な経営者ほど
「利用者や行政ばかりに目を向けて職員をおざなりにしている」
場合が多く見受けられます。
それにより「事業所や業界が安定成長を遂げられない原因のひとつとなっている悲惨な現実」だと言えます。

◆理由③「信念の押し売りで全員不幸」

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高い志を持って「利用者の幸せの追求」を謳い介護事業へ参入する経営者もいることでしょう。
もちろん、信念も参入も自由なのですが、経験不足が故に全員不幸になってしまう危険があります。
そうなると本来の目的であった「利用者の幸せの追求」も成し遂げられません。
自分の信念が強すぎるあまり、「ただの押し売り」になってしまい職員どころか利用者もついていけません。
利用者の自由選択、自己決定にこだわりすぎるとカオスな世界が増長してしまいます。
表面上は利用者も幸せかもしれませんが、それによって不幸な人を創り出してしまう場合があります。
例えば、帰宅願望のある施設入所者(認知症者含む)の希望を叶えようとする場合
・家族の理解と受け入れ態勢
・帰れる家

が必要になってきます。
しかし、家族の理解や帰れる家がないから施設に入所している場合が殆どです。
「叶えてあげたいけど叶えてあげられない」
「ではどうすれば満足してもらえるだろうか」

ということを考えることは大切です。
しかしそこに明確な答えはありません。
もし家族の受け入れ態勢が確保できないのに帰宅させた場合、家族が不幸になります。
帰る家が無い場合、帰ってもらうことが出来ず入所者の希望を叶えられません。
それでも入所者が
「施設から出たい」
と希望した場合は
「もうじき帰れますよ」
「家族さんに伝えておきますね」

という「優しい嘘」もありだと思います。
間違っても
「じゃあ、ご自由にどうぞどうぞ…」
などと言って施設外に入所者単独で出してしまうことは、責任の放棄や介護放棄(ネグレストという虐待)でしかありあせん。
もし施設外を自由に入所者が歩いていたら交通事故に遭うかもしれません。
車に轢かれた入所者も不幸ですし、轢いてしまったドライバーも不幸です。
入所者が電車に飛び込むかもしれません。
飛び込んだ入所者も不幸ですし、電車事故に遭った乗客も不幸です。
利用者だけの希望を最優先させることで不幸になる人を創り出してしまっては意味が無いのです。
「周りを不幸にさせてしまった最終的な責任」を誰が取るのか、という所まで突き詰めて考えておく必要があります。
そもそも、我々は法治国家で生活しているわけですから、法律を遵守しながら生きています。
その中には、法律だけでなく法令や条例などがあり、もっと細かく言えば規則や決まり事やルールやマナーなどがあり、ある程度の制限をかけられながら生活しているのです。
同じ人間であるはずの施設入所者が我々より権利が大きいはずもありませんし、小さいはずもありません。
しかし手放しに入所者の権利だけを主張した施設運営はその権利を増長させ、ひいては濫用させてしまうおそれがあるのです。
入所者も我々も与えられた環境下で、ある程度の制限の中で生活することが本当の平等であると言えます。
ですから、必要以上に「利用者の権利」だとか「利用者の幸せの追求」を押し売りする経験未熟な経営者がいるのだとすれば、全員が悲惨だと言えます。

◆まとめ

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現場経験が浅い経営者は偏った考え方になりがちです。
特に自分の信念を強く持っている経営者は頭が固く柔軟な対応ができない傾向にあります。
周りや世間からのアドバイスや老婆心や進言にも耳を貸しません。
その理由は簡単です。
「利用者を幸せにしたいのではなく、ただ自分の信念を貫きたいだけ」
という本質を持っているからにほかなりません。
要は、自己満足、自己陶酔の世界なのです。
そんな経営者に付き合わされる職員や利用者も含め、関わる全ての人が不幸だと言わざるを得ません。
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コメント

  1. てけてけ より:

    興味深く読ませて頂きました。
    が、「現場経験がないから経営が悲惨」は極論かと。
    医療含め他の業種でも、現場経験ない人が、うまく経営している例は多くあります。介護だけが特別ではないと考えます。
    逆に、現場経験に縛られ、柔軟な発想ができない経営者を多く見た私においては、経験より「如何に過度ではなく、的確に現場の声に耳を傾け、経営に取り入れるか」の方が重要かと思います。

  2. 山嵐 より:

    >てけてけさん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます(*^^*)
    >医療含め他の業種でも、現場経験ない人が、うまく経営している例は多くあります。介護だけが特別ではないと考えます。
    「経験のない人の介護事業所の経営は悲惨」という内容の記事なのですが、「医療含め他の業種でも、現場経験ない人が、うまく経営している」から介護業界も同じく上手くいっている例は多くある、という意味だと拝察致します。
    現場職員のバックボーンや社会的地位が各業界で異なってくるので、混同して考えてしまうのはそれも極論かと思います。
    >「如何に過度ではなく、的確に現場の声に耳を傾け、経営に取り入れるか」の方が重要
    というのは私もそう思います。
    そういう経営者が介護業界には少ないのではないか?
    という提唱になります。