介護現場の上司の「しんどい時は遠慮なく言いなさい」という無意味な配慮

Pocket

publicdomainq-0018017ckj.jpg
常に人員不足の介護現場ですから、最近は職員に対しても「表面上は口当たりの良い言葉掛け」が行われるようになってきました。
「しんどい時は無理をせずに言って下さい」
「出来るだけ残業をせずに帰ってもらう為に、優先順位をつけて仕事をして下さい」

言葉掛けはありがたいのですが、結局はその後の対応や対策がないと根本的な解決にはならないので、「言った所で何も変わらない」という現実があるのも確かです。

スポンサーリンク

◆そもそも毎日「しんどい」

sick_atsui_man.png
「しんどい」の定義が非常に曖昧です。
そもそも、日常業務そのものが「しんどい」のです。
これからどんどん気温も上がり暑くなっていけば尚更しんどい日々が待っています。
「入浴介助」は蒸し風呂かサウナの中で介助をしている状態になるので、簡単に言い表せば「地獄」です。
「ワンオペ夜勤」は一人の職員で20人の利用者を介護し、朝になれば起床介助で走り回ります。
早出勤務者が来るまで気が抜けず、簡単に言い表せば「過酷」です。
既にそういう状況なのが「しんどい」わけですが、現状では「当然やるべき日常業務」となっている為、そんな根本的な事を「しんどい」とは言えない状況があります。
ですから、上司の言う「しんどい時」というのは、恐らく
・体調不良の時
・もう倒れる寸前の状態
・心身的に不調が顕著な時

ということになろうかと思います。
ですが、そんな状況になってから訴えても「手遅れ」です。
手遅れになる前に上司へ申し出て、「何かしらの対応」をしてもらうのがベターな考え方かと思われます。
(スポンサーリンク)

◆早めに申し出た人への対応

index.atui.jpg
上司の甘い言葉を真に受けて早めに申し出た職員がいました。
「毎日、入浴介助で身体の節々も痛いし、体力的にもしんどいです」
そう訴えた職員への上司の返答は
「他に症状はある?」
「病院には行った?」
「湿布を貼るとか水分をこまめに摂るなどの自己管理はしてる?」
「ゆっくりでいいから入浴介助に入れる?」
「無理をしないようにボチボチやってくれたらいいよ」
「大変だけど頑張って」

等でした。
自己管理にも限界があります。
ボチボチやると言っても、限られた人員と時間の中で、のんびりやっていたら業務が終わらず残業をしなければなくなってしまいます。
残業になれば余計に自分がしんどくなってしまうので本末転倒です。
結局、早めに上司に申し出ても「何も変わらない」状況があるのです。
そうなると、結局は「自分がぶっ倒れるまで働き続けなければならない」という状況が常態化しているのです。

◆上司の心情は?

lgf01a201401281900.jpg
上司側に立って考えてみると
「不調を訴えられても代わりの人員もおらず何も対応ができない」
「口先だけの言葉掛けをするくらいしか対応策がない」
「多くの職員が同時に申し出てくると現場が回らない」
「無理を承知の上でやってもらわないと困る」
「現場が破綻するのを1分1秒でも遅らせたい」

という心境なのが丸見えです。
職員の体調やメンタル面に配慮した「しんどい時は無理をせず申し出て下さい」という言葉掛けも、その配慮の先にある「対応」や「解決策」や「代替案」が実行されないと全く意味を成しません。
ひいては
「どうせ言っても無駄」
「言っても何もしてくれない」
「言うだけ時間の無駄」
「何かもう上司の顔を見るのもイヤ」

という印象を与えてしまい、申し出る職員もいなくなってくるでしょう。
「暖簾に腕押し」「糠に釘」という運営が常態化している介護現場の人員不足が解消する日は、まだまだ遠い未来の話です。

コメント

  1. デイちゃん より:

    こんにちは。
    本当に我慢できない人は、何も言わずにやめるでしょうからね。
    「介護スタッフ全員が退職届出した」とかじゃないと、何もかわらないんでしょうね。
    早出が来てから、夜勤が起床介助するってわけにはいかないんですね。
    人員がいなくて、早出自体が本当はいなくて、日勤の人が一時間くらい早めに来てるだけなんですよ・・・って状態でしょうから。
    利用者20人だと、スタッフが3人はいて、1人はフロアで見守りで、もう2人で20人を一人ずつ起こしていく・・・くらいじゃないと、重度ばかりだから無理でしょう。
    でも「なんとかできてる」「できる人もいる」から、まあ何とかなってるだろって感じで放置されてるんですね。
    私のデイと一緒だわ~。
    今月もシフト表見たら、毎日介護職員の配置が×ばかり。法律的にすら、人員配置を満たしていない状態。
    そんなんで十分な介護なんでできるわけがない。
    普通のとこなら、利用者:スタッフが法的に5:1のところ、3:1くらいにして、厚めにいれてる。
    そう考えると無理にやろうとしなくていいのか。他のスタッフがサボってるんじゃなくて、人を減らしすぎてスタッフ一人当たりの仕事量が多すぎるって面もあるしね。
    ってわけで、私は今日も「一人分だけ働く」と呪文のように唱えて働くのであった。

  2. 山嵐 より:

    >デイちゃんさん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます^^
    早出が来てから起床介助をすると、朝食開始時間が遅くなり、夜勤者も定時に帰れなくなってしまいます。
    定時になれば問答無用で「では、お先~」と言って日勤者に任せてあがりたい所ですが、朝食が1時間ずれ込むだけで入浴開始時間が遅くなり、今度は昼食時間がずれてきてしまいます。
    夜勤者にとっては関係のないことですが、自分が日勤で同じことをされるとちょっと困るので出来ませんね(笑)
    朝7時に早出が来ますが、日勤が出勤してくる9時までは夜勤者と早出の2人で20人の利用者の朝食を提供するのでなかなかの負担です。
    今日も一人前の仕事でいきましょう^^

  3. めど立てたい人 より:

    はっきり言って、と言っても百歩譲って毎日1人休んだ程度で、負担が増すような人員配備が異常なんですけどね。
    ↑理想論とされますが、それができていた介護会社の労働経験があると、今の労働先のブラック介護会社には反吐がでる。
    経営が下手なら同情もできようものですが、ただの怠慢ですね。怠慢でも成り立つのが福祉。さすが頼みの綱の税金パワー。
    「上司の立場…」の部分で、気になったのですが何かありましたか。
    たまに似た記事がありますが、かなり上司/会社の思考を良く考えすぎでは?
    私はもうブラック介護会社を↑のようにしか考えられないのでこのように邪推してしまうのかもしれません。

  4. 山嵐 より:

    >めど立てたい人さん
    こんにちは~
    コメントありがとうございます^^
    人員配置も異常ですし、その「基準」も異常だと感じています。
    上司・会社の思考を良く考えすぎとのご指摘ですが、良く考えているのではなく一種のシミュレーションで思いを馳せてみている感じです。
    何かのキッカケで上司や会社と対峙することがあった場合に
    「こうくればこう返そう」
    「こう言われればこう言おう」
    というシミュレーションをしている自分がいます。
    それは自己防衛でもあり、銃の弾を込める作業でもあります。