「がんばれ」しか言えないのであれば管理者ではなく応援団だ

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今日もニュース記事などを色々読んでいると、大手自動車メーカー「トヨタ」の経営スタンスや運営マネジメントや社風に関する記事が目に留まりました。

(以下、引用記事)

■「がんばれ」しかいわないマネージャーは失格

トヨタには、「『がんばれ』しかいえないのでは、管理者ではなく応援団だ」という言葉があります。「あと一歩」の力を振り絞るところで、みんなの「がんばれ」は大きな力になるので、決して応援団が無意味ということではありませんが、問題はそれが組織の管理者の場合です。

トヨタの管理者に求められるのは、部下を「がんばらせる」ことではなく、「がんばらなくても成果が出る方法」を考えることです。

たとえば、生産現場の管理職に求められるのは、作業をしている人たちの仕事ぶりをよく観察して、「なぜあのやり方をしているのだろう? 」と問いかけ、「もっと楽にできる方法はないか? 」と考えることです。現場で何の気づきもなく、何の改善もせず、何の指導もせず、「がんばれ」「もっとがんばれ」では管理職失格だというわけです。

同様に、部下に向かって「もっと知恵を出せ」「イノベーションを起こせ」とかけ声をかけるだけなら、これもやはり管理職失格です。部下やチームから知恵が出ないのなら「なぜ知恵が出ないのか? 」を問い、「なぜイノベーションが起きないのか? 」を問うことが求められます。

知恵が出ないのには理由があり、知恵を出すためには工夫が求められます。

【引用元】プレジデントオンライン

どうしたら部下から良いアイデアが出るようになるのか。「出せ」と号令をかけるだけで - Yahoo!ニュース(プレジデントオンライン)

(引用ここまで)

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介護業界そのものではないか

この記事を読んだ時に、「介護業界そのものではないか」と思いました。

もちろん、良い意味ではなく悪い意味で、です。

つまり、介護業界の上司や管理者は、「がんばれ」しか言わないし言えないのです。

人員不足や低賃金も解決できぬまま、現場職員に理想論を押し付け、自己犠牲を払わさせることばかりしています。

トヨタに言わせればそんな人たちは「管理者失格」なのですが、介護業界ではのうのうとのさばっています。

むしろ歓迎されている節があります。

「ご利用者様のために身を粉にして働きましょう」

「「ありがとう」という言葉が最高の対価」

「「やってあげている」のではなく「させて頂いている」」

「しんどい時こそがんばろう」

介護業界にはこのような綺麗ごとばかりが並びます。

現場職員だって、言われなくても毎日頑張っています。

更にその上から「もっとがんばれ」「オムツゼロに挑戦だ」などという図々しい押し付けやしわ寄せをされているので、身体を壊したり辞めていく職員が続出し、更なる人員不足を招くという悪循環を止められない業界なのです。

こうなってくると、そういう上司は応援団でもなんでもなく、「鬼」「悪魔」「ひとでなし」の類でしかありません。

順序立てて考えられない介護業界

自動車メーカーと介護事業所では求められているものが違います。

自動車メーカーは「効率化や生産性」が求められており、介護現場は「利用者の幸せ」が求められています。

しかし、よく考えると自動車メーカーに最終的に求めてられているのは「顧客満足度とか売り上げ」になろうかと思います。

つまり、その目的に至るまでにはいくつもの過程があり、そのひとつひとつに目標があるのです。

そして、それらを順序立てて考え、実行していくことで最終的な目的を達成できる、というとてもわかりやすい原理です。

【自動車メーカーの場合】

「管理者の指導力が上がる」→「部下のやる気が出たりイノベーションが起こる」→「効率化により生産性が上がる」→「良い商品が完成する」→「顧客が満足する」→「売り上げが上がる」→「会社が潤う」→「管理者の評価も上がり、社員に高い給料が払える」→「社員とその家族が潤う」→「社員の士気が更に高まり良い仕事ができる」→「顧客が満足する」

というサイクルで考えると「顧客の満足」や「売り上げ」でさえ通過点に過ぎず、会社も社員も顧客も満足する「三方良し」の関係が出来上がります。

一方、介護業界の場合はどうでしょうか。

【介護業界の場合】

パターン1

「上司が押し付けやしわ寄せばかりの綺麗ごとを言う」→「真面目に受け止め一生懸命に自己犠牲を払う」→「体と心を壊し退職」→「人員不足により利用者が不幸になる」

パターン2

「上司が押し付けやしわ寄せばかりの綺麗ごとを言う」→「無理難題や自己犠牲を強いることばかりでやる気が無くなり思考停止する」→「他の職員にしわ寄せがいく」→「やる気がない職員ばかりになる」→「利用者が不幸になる」

パターン3

「上司が押し付けやしわ寄せばかりの綺麗ごとを言う」→「自己犠牲と努力で何とかこなす」→「上司にまだ余裕があると勘違いされ、更なる自己犠牲を強いられる」→「体と心を壊し退職」→「人員不足により利用者が不幸になる」

上記の3パターンで共通しているのは

「上司が現場職員に自己犠牲を強いてくること」

「結局、現場職員と利用者が不幸になっていること」

です。

「三方良しのサイクル」どころか、現場職員を排除し利用者を不幸にするために存在している「悪循環の権化」でしかありません。

介護業界は「職員の自己犠牲」=「利用者の幸福」という極論でしか考えていないため、とても大切な途中経過が排除されてしまっているのです。

物事は順序立てて考えなければ正しい結論が見い出せません。

介護業界に必要な途中経過

私が考える介護業界に必要な途中経過の項目は「職員が幸福であること」だと思っています。

待遇面で言えば「賃金」「与えられた環境」「人間関係」などになりますが、まずは「現場職員に自己犠牲を強いることをやめる」ということが先決です。

「北風と太陽」という寓話で言えば、介護業界の上司はいつまで経っても「北風」なのです。

それでは現場職員が救われません。

現場職員が救われなければ利用者も救われません。

介護業界においては、何故かすっ飛ばされてしまわれがちなのが「現場職員の待遇」なのです。

そこにメスを入れ、テコ入れしていかなければ、いつまで経っても利用者の幸せなど追求できないことでしょう。

その為に、上司や管理者たちは、現場職員のことをもっと観察し、技術革新をしたり良いケアが出来る方法を日夜考えて欲しいと思います。

そうは言っても難しい理由

介護業界は介護保険法や関係法令やガイドラインによって基準や規格や単価や頻度などを定められている「国の事業の一部」です。

国の事業なら公務員化してくれればいいのですがそれもせず、民間経営であっても国に縛られる業界になります。

「良いところ取り」どころか「良いことが何ひとつない業界」になってしまっています。

上司をかばうわけではありませんが、そんな介護情勢では三方良しのサイクルを構築することはとても難しい状況なのは間違いありません。

要は、職員や利用者を見ていなくても、「市役所などの行政(ひいては国)だけを見てシッポを振っていれば何とかなるシステム」になっているのです。

根本的な解決をしていこうと思えば、制度やシステムを改革していく必要があるのです。

まとめ

業界全体の制度や風潮やシステムやカラーから言うと、残念ながら明らかに劣っているのが介護業界だと言えます。

劣っている最大の理由は、応援団以下の無能な上司が多数存在していることで「職員の満足度」や「職員の収入」が著しく低い点に表れています。

最終的な目的は「利用者の幸せ」や「顧客満足度」であることは間違いありませんが、その目的を達成するために本当に必要なことは何か、ということを今一度考えて欲しいと思います。

そして、最後に改めて申し添えておきたいのは、何とか上手く継続できているかのような体で、40歳以上の人から保険料を徴収したり、3年ごとに見直したり、利用する際の負担割合を1割~3割にしたりしてしていますが、実際問題「介護保険制度は既に破綻している」のは間違いありませんので、早急な革新(イノベーション)が必要だと思います。

本当にイノベーションを起こして欲しいのは現場職員でも上司でも事業所でもなく「政府」であると言えます。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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コメント

  1. デイちゃん より:

    こんにちは。
    政府債務が1千兆円をこえてることを見ればわかるように、官僚さんは何もしないし、何もできないですよ。(笑)
    知識は入試問題や国家公務員試験問題は解いてくれるけど、現実の社会問題は解いてくれない。

    昔いたパワハラ管理者は、応援団ですらなくて。
    めちゃ重度な利用者ばかり入れてスタッフは減らして営業させ、仕事が終わらないと、「なんでできないのか」「終わらないのはお前たちが悪い」と言って、定時でタイムカードを勝手に押してましたね。
    で、自分は何もしないっていう。自分がやればすぐムリだってわかるのにね。
    はじめはめちゃくちゃしたから、売り上げ利益は急上昇したんだけど、その後結局売り上げが下がりはじめ、スタッフがやめ、最終的には支店長から注意され、管理者がキレてやめたっていう、しょぼい最期でしたが。

    その後の管理者は、スタッフは減らしまくってるけど、自分も現場に入ってる。
    介護3~5の重度利用者ばかり20人なのに、ナースと介護職と管理者3人しかいないとか悲惨な状況も、一応してるから。
    私は特に文句は言いませんけど。まきこまれてるスタッフは大変なわけだけど。
    でもまあ、重度ばかり入れてるから、入院したり、家で事故になったり、家族がムリになってショートに行ったりと、順調に利用者&売り上げは減ってますね。(笑)
    で、今利益がすごくでてるからって会社のおかしな研修に選ばれて管理者は行ってたんだけど、利益が減っちゃって、この後もし赤字なんかになっちゃったらはずされちゃうかも。
    でもその研修に行くから、営業や新規の受け入れができないわけで、研修に行く限りは売り上げが下がっちゃうから。
    管理者的には、自分が認められてる(と思い込んでる)から参加できる研修に行きたいけど、行くと売り上げ利益がダダ下がりになっちゃうっていうジレンマがあるわけで。
    ま、はたで見てる分にはおもしろいですねえ。
    で、重度の利用者が減ったら、確実に楽になるから。ま、利用者減ったらスタッフも減らされるけど、さすがにこれ以上は減らせないってラインがあるし。
    もし入浴スタッフが1人に減らされても、ゆーっくり一人ずつ入れてあげますよ。(笑)

    どんな職場でも理不尽なことがありますけど、自分にふりかかってこなかったら、別にかまいませんよ。
    できてないことを自分がムリしてやってあげよう、とかなったら大変ですけど。介護職で消耗してる人は、こんなタイプが多いと思う。
    今いるスタッフなんて、「できないことはしない」「というかそもそも仕事ができてないからしないことだらけ」「でもできてないことも分かってない」とかいう、ノーテンキな奴らばっかりですから。
    私もノーテンキにすごさせてもらってます。(笑)

    • 山嵐 より:

      >デイちゃんさん

      こんばんは~
      コメントありがとうございます^^

      どこも同じような状況ですね。
      以前、コメント頂いていた「足し算思考」と「引き算思考」に通じるものがありますね。

      「がんばらなくても効果を上げられる方法を考える」という思考は正に「引き算思考」ですね。
      現在、介護業界は「足し算思考」が横行していますが、今後はもっと「引き算思考」が浸透していけば良いと思っています。

      まずは自分を守ること、ですね。
      「身も心も消耗するから良い介護」というわけではないはずです。
      「身も心も消耗しなくても良い介護」が出来るような環境を作っていきたいですね。

  2. デイちゃん より:

    こんにちは。
    なんでもそうなんですけど、それ誰得?ってことが多いんですよね。
    介護だと、すぐに「ご利用者様のために」とか言うんだけど、実際は「そんなことしても誰も喜ばないからさ~やめた方がよくない?」みたいなことが多い。

    利用者や家族やスタッフや会社、誰にとっても得ではないことはやめた方がいいですよね。
    そこをよ~く考えてむだなことやめたら、もっと働きやすくなるよね、きっと。

    昔、何にも仕事しない怠け者の管理者がいたんですよ。
    で、そのおばさんは、作品作りがだ~いすき。毎月スタッフに作品作りを強制してたんですよ。
    でもさ、利用者さんは「こんなことしたくない」って人ばっかりだし(特に男性)、スタッフは準備するのが大変だし、作品作りにスタッフはりつけたら業務が回らないしで、何のメリットもなくって。
    だったらその管理者が作品作りすりゃいいじゃんって感じだけど、自分はやらないんですよね。怠け者だから。(笑)
    で、結局その怠け者の管理者は家から絶対通えない拠点に異動となり(サボりまくってたので降格して異動となった)、やめることになって、管理者がいなくなるとともに作品作りもしなくなりました。(笑)

    たぶんどこの職場も、「これやめた方がよくない?」ってことがたくさんあると思うんですよ。
    新しいことを導入する前に、まずはやらなくていいことをやめることから始めたいですね。

    • 山嵐 より:

      >デイちゃんさん

      返信ありがとうございます^^

      そうなんですよね。
      「それってダレトク?」って多いですね。

      やり始めてしまうとやめ時が難しくなりますし、まずは余分なぜい肉をそぎ落とすことから始める必要がありますね。
      だって、介護保険内のサービスなんですものね。

      • デイちゃん より:

        こんにちは。
        今日はボランティアをえさに利用者を追加で利用させて35人。
        と思ったら、あの常勤元妊婦が「子供が熱出したから」ってあっさり当欠。
        え?入浴とかどうするの?と思ったら、一応管理者が休みだけど出てきてしてた。
        なので応援だけってわけじゃないから、まあマシかも。

        ま、管理者が放置するようなら、他のスタッフも仕事放棄しちゃうから。
        常勤元妊婦はよく「子供が熱出した」って休むんだけど、「親に見てもらったら?」って言ったら、「親も働いてるから見れない」って言うわけ。
        なので親の勤務日をまず聞き出して、親が休みの日に常勤元妊婦を勤務させたらいいんじゃないかな。したら子供が熱出しても「親に見てもらえよ」って言える気がする。管理者に言っとこう~。
        少子化だから子供は大事にしないとって言うけどさ~、そんなにぽこぽこ休まれたら他の人が迷惑するわ。
        ま、管理者も常勤元妊婦が休んでも回るように、常勤元妊婦はプラス1でシフト組めばいいんだけどね。
        まあ、常勤元妊婦が当欠しようが、私は怒ったりしませんよ。私はゆ~っくり仕事して、ボランティアが到着してバタバタしだしたのを横目にさっさと帰りました。あとは常勤さん二人で35人よろしく。(笑)

        • 山嵐 より:

          >デイちゃんさん

          こんにちは~
          返信ありがとうございます^^

          お子さんがいらっしゃる人の働き方も尊重してあげたいですが、確かに当日に急に休まれるととても困るのも事実ですね。
          子供の熱発は仕方がないものとして、応援や代わりの人材を配置できる余裕が欲しいところです。

          他にも職員の能力やパワーバランスを見て配置やシフトを組んで欲しいと思います。
          それが無理なら、やっぱり管理者や上司が休日出勤するしかないですよね。

          • ダメ人間 より:

            こんばんは。
            デイちゃんさんの書き込みを見て思い出しました。

            以前に勤務してた社福の通所にて、法人内他施設から異動してきたパートですが、シングル×1の若い方がいました。
            同様の理由でば当日欠勤しまくりで親も働いていたみたいで頼る事が出来ず、シフトに穴が開きまくりで、怒ってしまった管理者は事務長に報告し、事務長権限で首になりましたよ。
            ってか、その方の穴埋め&ドタバタがあって、自分は退職が1ヶ月遅れましたがぁぁぁぁぁ。

            山嵐さんが言う様に子供に罪は無いですし、社福施設でも施設内保育をやってる所もあれば、身体系の懸念がある場合は医療系の施設だったら病児保育をやってるケースもあるし、そういう所で勤務すれば他の人に迷惑かけないんじゃないですかねー。

            ただ昨今の介護職の不人気状態だと、応援や代わりの人材を配置できる余裕なんて無いんじゃないですかね?

          • 山嵐 より:

            >ダメ人間さん

            こんばんは~
            コメントありがとうございます^^

            そういうことになります。
            応援や代わりの人を配置できないのに喜んで採用するから他の人にしわ寄せがいくのです。

            ですから、採用された方を責めるのは酷かな、と思うわけです。

  3. とも より:

    こんにちは
    私の働く特養では、先日出勤者が足りずケアマネ(事務所にいるから管理者になるんかな?)に入浴を頼んだら「他の階に聞いた?」て言われました。「いつから頼むことができなくなった?」「名前も知らない職員が介助するの?」と返しても、何かはっきりしない返事
    応援団すらできない管理者はなんでしょう?信楽焼のたぬきの置き物や、カーネルサンダースさんでしょうか?
    あ、彼らは立派にお店の宣伝してますね、失礼しました

    • 山嵐 より:

      >ともさん

      こんばんは~
      コメントありがとうございます^^

      そのケアマネは現場に、そして入浴介助に入りたくないのが見え見えですね。
      介護業界にはそんな上司や管理者が多いですね><