介護施設の「平和な夜勤」は「暇な夜勤?」

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介護施設での夜勤は殆どの場合が「ワンオペ(職員一人体制)」になります。

20名近い利用者を1人の職員で16時間も介護するのですから「平和な夜勤であって欲しい」と誰でも願うものです。

「平和な夜勤」と聞くと「暇な夜勤」と混同されそうですが、現役介護職員の私から言わせれば「微妙に違う」ので、今回記事に書きたいと思います。

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ワンオペ16時間夜勤の過酷さ

そもそも、職員たった一人で、利用者20名の介護をしながら16時間も勤務し続けるだけで「過酷」です。

定時の巡回だけでなく、コール対応やイレギュラーな事にも対応をします。

朝まで利用者に安全に過ごしてもらい、日勤帯の職員に引き継ぐまで気が抜けません。

慣れてくれば利用者の特徴や特性やルーティンがわかってくるので、スムーズには勤務できますが、相手は人間なのでいつも想定内であるわけではありません。

「平和な夜勤」とは?

利用者の急変や熱発などの状態の悪化や、転倒や転落や外傷などのアクシデントが無ければ「とりあえず平和な夜勤」だと言えます。

しかし、夜勤に入った時には既に「熱発者」がいたり「転倒して外傷を負った利用者」がいたりする場合があります。

日勤帯から、「既に平和ではない夜勤を引き継ぐ」のです。

しかもワンオペなので相当な重責と重圧になります。

定時の巡視や排泄介助のほかに、バイタル測定をしたり状態を普段より注意深く観察する必要が出てきます。

そして、何か異常があれば必要な措置を講じなければなりません。

もうその時点で「暇な夜勤」は諦めるのですが、それでも現状維持が保てれば「概ね平和な夜勤」になります。

つまり、平和な夜勤とは「利用者の状態が現状より悪化しないこと」が大前提になってきます。

「暇な夜勤」とは?

「利用者の殆どが自立していて、介助量が少ない」

「コールが全く鳴らない」

「利用者全員が安眠している」

というような夜勤であれば、介護をする機会も少なくなり

「あとは夜明けを待つばかり」

「平和な夜勤だ」

ということになります。

ここで「平和な夜勤」=「暇な夜勤」がリンクしてしまうわけですが、私に言わせればこの状態は「暇な上に平和な夜勤」になります。

正直、ワンオペ夜勤者が求めてしまうのはこの状態と言えるのではないでしょうか。

こんな状態ばかりなら、「夜勤をやりたくない」という人はもっと減るでしょう。

しかし、そうは問屋が卸さないロシアンルーレット状態なのが「介護施設の夜勤」なのです。

「平和」でも「暇」がない

基本的に夜勤をやっている職員は正職員が多いかと思いますが、正職員であれば「暇な時間」があれば、日中には出来ない事務仕事をすることになります。

夜勤帯で行う事務仕事で大きな割合を占めるのが「利用者のモニタリング」ではないでしょうか。

自分が担当している利用者の「評価」を行います。

モニタリングの内容が薄いと上司等に文句を言われたりダメ出しされたりもします。

介護職員は利用者の介護をする仕事ですが、 現場業務だけでなく、数多くの事務仕事もあります。 例えば ・ケース記録 ・リス...

他にも、職員(ユニット)会議などの議事録を作成したり、様々な書類を処理する必要があります。

逆に言えば、それらがなくて、利用者の自立度が高く、急変も悪化もなければ「暇で平和な夜勤」だと言えます。

最後に

夜勤を経験されてきた人はご存知でしょうが、人間(利用者)には昼の顔と夜の顔があります。

ワンオペ夜勤を16時間すること自体が過酷です。

仕事なので、平和な夜勤もあればそうではない夜勤もあるのは仕方がないことですが、「暇で平和な夜勤」であることを祈る気持ちは痛いほどわかります。

正式には仮眠や休憩の時間は存在しないワンオペ夜勤の状況なので、たまには暇を持て余したって罰は当たらないと思うのです。

暇な時間は携帯(スマホ)をいじったり本を読んだりされている人もいるかと思います。

「ちょっと腹ごしらえでも…」と思ってカップラーメンにお湯を注いだ途端にコールが鳴る夜もあるでしょう。

ワンオペ夜勤の暗黙の了解シリーズ 『介護施設のワンオペ夜勤の暗黙の了解「利用者を起こす順番」』 『介護施設のワンオペ夜勤...

私にとって、「利用者の特変や状態の悪化がないのが平和な夜勤」であり「利用者に手が掛からず事務仕事もしなくていい時間が持てるのが暇な上に平和な夜勤」になります。

「暇」と言うと聞こえは悪いですが、コンビニや牛丼チェーン店の夜勤でも二人体制なのに、介護業界は何故か未だにワンオペを認めている類まれなる業界です。

忙しければ忙しいほど売り上げが上がるコンビニや飲食業界とは違い、介護施設の夜勤は忙しければ忙しいほど、売り上げは変わらずリスク発生確率だけが上がります。

介護業界の夜勤は「暇な上に平和な夜勤が一番良い」のです。

コメント

  1. めど立てたい人 より:

    なんでしょうね、一人って。

    初めて務めた介護会社も思い出せば、基本一人でしたね。最も前職のブラック=違法介護会社に比べれば圧倒的に優良な会社でしたが。

    そこはいい意味で、他部署?との距離が近く、行き来も簡単だったので、おむつ交換の遅れや酷い便失禁(全部更衣+全身清拭か洗身+ベッドメイク)などでは他部署?の夜勤者に手伝ってもらったり/手伝ったりが現場の了解?でしたね、それでも。

    (ちなみに、他部署?はユニットケア()で言うところの、他ユニットにあたります)

    それが何でしょう。ユニットケア()になったら、協力ユニット()とか隣接ユニット()とかいって、約40人に一人。従来型相当だし、会社によっては従来型の1.5倍を一人。

    しかも、無駄に広いから、夜勤者の1人/カ所拘束は実現されているけど、それこそそれは利用者様()のためになるのでしょうかね。まあどうでもいいけど。

    まあ、日中でも誰かといる無言にバツの悪さを覚える身としては、一人は気楽と言えなくもないけど。

    しかし、そのバツの悪さも無視出来たり、スマホの普及などがそこそこその間を埋めてくれるので問題にはならないですけどね。つまらない人と見抜かれ、かつ話嫌いだと思われれば尚可。

    あとたしか、夜間の拘束時間がどうあれ、夜勤(夜更かし)特有の酩酊状態も体への悪影響があるという研究結果が昔あったような気がしますが・・・

    • 山嵐 より:

      >めど立てたい人さん

      明けましておめでとうございます。
      コメントありがとうございます^^

      ユニットケアって良い所なしですね。
      良い点は利用者にとってみれば個室で過ごせるってことくらいでしょうか。

      ワンオペ夜勤は自分一人のペースで他職員に気を遣う必要がない所でしょうかね。
      現場を知らない人達が創り上げた空想理論の中で働く職員と生活をする利用者はなかなか不幸ですね。