【人手不足】「郵便業界は土曜の配達取りやめを検討」「介護現場は自己犠牲で乗り切ろう」という謎

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今日もいつものようにニュースや報道を斜め読みしていると、「人手不足で郵便配達を平日だけにすることを検討」「郵便配達の見直しを検討」というニュースを目にしました。

万年、人員不足・人手不足の介護業界で働いていると「人手不足」というワードのニュースにもの凄く引っ掛かってしまう、一種の「職業病」なわけですが、このニュース記事を読んだ時に私が思ったことを書きたいと思います。

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ニュース概要

人手不足深刻…土曜の郵便配達取りやめ検討

総務省が手紙などの郵便物の配達を平日だけにすることを検討していることがわかった。

日本郵便では現在、郵便法により、平日と土曜日に配達することになっているが、関係者によると、深刻な人手不足への対応などで、郵便配達の見直しが必要になっているという。

【引用元】日テレNEWS24 9/12(水) 2:16配信

総務省が手紙などの郵便物の配達を平日だけにすることを検討していることがわかった。 - Yahoo!ニュース(日本テレビ系(NNN))

世間一般の人の思考

このニュース記事を読んだ時に、恐らく世間一般の人だったら

「ああ、郵便配達事業も人手不足なんだ」

「人手不足なら土日祝の配達取り止めは仕方ないよな」

「配達は平日だけになるかもしれないという情報なんだな」

というように受け止めるかと思います。

もちろん、それは正常な思考です。

私も介護業界に身を置いていなければ、そういう風に受け止めて終わりだったと思います。

介護業界に身を置く私の思考

そんな私がこのニュースを読んで感じたのは

「郵便局は民営化されたのにまだ国から手厚い対応をしてもらえるのか」

「郵便配達員の人手不足は真剣に検討されて羨ましい」

「郵便配達員の人手不足は真剣に対応を検討されるのに、何故介護業界の人員不足への対応はいつも的外れなのか」

ということになります。

それだけ「介護業界の人手不足については真剣に検討されていない」ということをひしひしと感じてしまうのです。

介護業界の人手不足の対応は?

郵便配達の人手不足は「郵便配達の見直しが検討されている」ということでしたが、介護業界の人手不足の対応は、どういうことが検討されているのでしょうか?

対応①「外国人介護士の受け入れを拡充する」

日本国内で介護士が確保できないので、発展途上国の外国人を日本に呼び寄せ、外国人介護士として斡旋し、拡充していくことで人手不足を解消しようとしています。

同じ思考で考えると、郵便配達も外国人配達員を拡充すればいいと思うのですが、それはしないようです。

「介護は外国人にもできるけど、郵便配達は外国人にはできない」ということなのでしょうか?

いや、そもそも解決策の根本的思考が「介護業界の方がおかしい」ということは郵便配達員の人手不足の対応策を見れば明らかです。

対応②「ボランティアに介護をさせる」

介護士が集まらないから、「一定の介護業務をボランティアに行わせよう」という施策も進んでいます。

ボランティアでどこまで専門的な介護が実施可能なのでしょうか?

対価の発生しない過酷労働に人手は集まるのでしょうか?

そもそも、介護士の専門性を否定する施策ではないでしょうか?

「介護はボランティアでもできるけど、郵便配達はボランティアではできない」ということなのでしょうか?

いくら考えても「介護業界の方がおかしい」ということは郵便配達員の人手不足の対応策を見れば明らかです。

対応③「自己犠牲という名の専門性を強いる」

そもそも、介護職員の専門性は「自己犠牲ではない」と私は思っていますが、介護業界の方針や施策がそれを否定してきます。

「常に利用者のことを思って自分を犠牲にしてでも業務を全うするのが介護職員」

「利用者へ寄り添う介護をすれば万事上手くいく」

「残業と自己犠牲を駆使して人員不足を補うことで利用者の安全を確保する職業」

「利用者から感謝の言葉を貰うことが介護職員の最高の対価だ」

という精神論や根性論で乗り越えようとしている時代錯誤の業界です。

郵便配達のように

「人手不足なんだから休日を増やそう」

「業務を縮小しよう」

「ゆとりのある時間配分で業務を行おう」

「業務の見直しを検討しよう」

ということを国も業界も行政も検討してくれません。

そればかりか「業務の見直しを検討するのは事業所や現場の仕事」と言わんばかりに、下へ下へと責任を押し付け、国レベルでの業務改善を放棄している状態です。

介護業界においては、何故か業務や制度や法律の見直しは検討されず、「介護職員の自己犠牲で乗り切ろう」という摩訶不思議で意味不明な対応を強いられているのです。

まとめ

もちろん、郵便配達と介護業務では、扱うものが違います。

郵便配達は、はがきや封書や荷物等ですが、介護業務は利用者という人間を扱います。

物と人間だったら、当然「人間」の方が最優先されるはずです。

人間を最優先するから、「介護職員には自己犠牲を強いる」というのはとてもおかしな思考で、人間を相手にしている仕事だからこそ、「本当に真剣で真面目な対応や改善や見直しの検討が必要」だと言えます。

次に、介護業界はそろそろ「自己犠牲や精神論や根性論でどうにかしようとする時代錯誤の考え方」を時代に沿った思考に改善していく必要があります。

「想い」や「関わり合い」や「関係の構築」や「寄り添う介護」を推進し、介護職員に業務と責任を重く被せていく方針は現状ではナンセンスです。

もしその方針が正しいのだとすれば、郵便配達のハガキや封書にも「差出人の想いや感情や情熱や念」が籠っているので、国や郵便業界や世間は「差出人の想いをくみ取って、朝から晩まで残業し、休日返上でスーパーカブを走らせろ!」と言うはずです。

しかしそんな自己犠牲だけに頼っていては、何の解決にもなりませんし、人がまた辞めていき人手不足に陥る悪循環でしかないのは明らかなのです。

つまり

「自己犠牲を強いる」=「悪循環」=「ブラック」=「介護業界」

ということになります。

今回の郵便配達の見直しが検討されたように「稼働日を減らそう」「消費者や顧客や世間に理解を得ていこう」という方針こそが本来あるべき姿なのではないでしょうか。

本来あるべき姿の対応や見直しを検討されている郵便配達員は少なくとも介護職員よりも幸せと言えます。

郵便配達員には、まだまだ守ってくれようとする存在があるのです。

介護業界においては、自分の身は自分で守らなければ、今日明日にでも自分が潰れてしまうでしょう。

郵便配達を管轄しているのが「総務省」(2001年(平成13年)1月5日に「郵政省」が廃止)、介護業界を管轄しているのが「厚労省」です。

的外れな法案や施策を繰り出す政府や財布の紐を握っている財務省も含め、厚労省は「介護現場で働く人達のことをもっと考えて真剣な対策を講じて欲しい」と思います。

「郵便事件」はあまり聞きませんが、「介護事件」は多発している現状なので、「国を挙げて人の命を大切に」して欲しいと思う次第です。

コメント

  1. アングラー より:

    この問題も結局は「対価」ですよね。そもそもハガキ一通62円で本当に事業としてペイしてるのか非常に疑問に感じます。人海戦術で配って、ガソリン代や、遠隔地でも等しく62円。安さは誰の犠牲のもとに成り立っているかですよね。介護職の処遇改善を考えるようになってからは自分の支払い能力の範囲でですけど、働いてる人への応援や、「プロの仕事に対しての当然の対価」と考えて安易に支出をしぼったり安さに飛び付いたりしなくなりました。自分のお金がその人の生活に役立ってると思えば。その点山嵐さんは旅行を通して経済をしっかり回してますね!プロの接客を評価してその対価を気持ちよく払ってるのですから。
    郵便局の人手不足は年賀状やかもめーるやギフトの自爆営業が有名になりすぎての自業自得でもありますが。人を大事にしない業界は、やはりろくなことになりませんね

    • 山嵐 より:

      >アングラーさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      そうですね。
      他業種の人達もプロとして働いている以上、自分が顧客の立場になった時に偏った見方はしたくないですね。

      やはり結局は「対価」ということになるのかもしれません。

      私の趣味の旅行で経済が少しでも回ってくれるなら、それはそれで本望ですね(笑)

  2. ダメ人間 より:

    こんばんは。

    自分の偏った考え方なのですが、
    ・郵便事業
    →元々はお国の仕事で歴史も長い。
    →全国郵便局長会という素晴らしい団体が。人数も多く長年、自民党の有力な支持組織で尻持ち議員あり
    ・介護事業
    →元々は長男の嫁さんの仕事など、仕事として成立していなかった側面=金銭面としての換算なし。
    →社会化してからまだ日が浅い。
    →たいした業界団体がない。尻持ち議員はいない。更に団体として介護ドラマのクレームにて、斜め上の意見を出すバカ団体。

    自分が議員の大先生だったとして、どっちの見方につきますか?と聞かれたら、速攻で郵政に回ります。
    介護を選んだら利益面にて、何にも結びつきません。数と金にすらなりません。意味なし。

    お国も介護面に関して、お金の支払いを渋る方向は全開で頑張っていますが、その他はやる気0で問題解決の見込み0。
    他サイトですと意識高い系の方々が紹介され頑張っている様ですが、自分は「何をやったってムダ」と、更なる崩壊の日々を傍観します。

    • 山嵐 より:

      >ダメ人間さん

      こんばんは~
      コメントありがとうございます^^

      そうですよね、裏にはそういう私利私欲があるのでしょうね。

  3. デイちゃん より:

    こんにちは。
    最近は、コンビニやファミレスも24時間営業をやめたりしてますよね。
    もともと、客のいない深夜帯に営業する意味はないんです。

    でも病院や介護施設はそうはいかない。
    通所介護や訪問介護なら、営業は日中だけのところが多く、さらに土日祝日は休みのところもありますが。
    入居施設だと、24時間365日営業が求められますね。
    でも働く人はいないでしょ。なので国は、シルバーさんとか外国人でうめようとしてるみたいですが。
    年金支給が70歳からになると、働く人が多くなると思ってるのかしら。生活保護が増えるだけな気がするけど。

    入居施設では、夜は寝てもらわないとダメでしょうね。寝れない人は薬を服用して。
    一晩じゅう徘徊とか不可。そういう人は拘束もやむなしでしょう。
    寝たきりの人のオムツ交換を夜間から早朝にしてるとこあるけど、夕方排泄を確認したら大きめのパッドをつけて、そこから朝まではオムツ交換なし、ってなりそう。(すでにそうなってるとこあるけど)

    でも入居施設の崩壊の原因は、24時間365日営業だけではないと思います。
    仕事のやり方がかわらないとダメ。過剰なサービスは排除。スタッフができることしかやらない。文句があるなら家でみろ。(と言ってやりたい(笑))
    料金の安い特養は、衣服を、病院みたいに施設の服に統一したらどうだろう。前あきでひもで止めるタイプ。もちろんおむつ着用。
    入浴はシャワー浴のみ。
    食事は朝夕は栄養ゼリーのみ。昼食は普通の食事で食事介助つき。
    レクなし、体操なし、行事なし。
    で、それがいやなら料金の高い有料老人ホームへどうぞ。もちろん生活保護の方は入れません。(たまに入ってる人がいるけど即刻退去(笑))

    • 山嵐 より:

      >デイちゃんさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      やはり介護保険内で「できること」と「できないこと」を線引きしていく必要がありますね。
      国の指針でそうして欲しいです。

      「事業所の柔軟な対応に委任」した結果が現在の姿なのですから。

      • デイちゃん より:

        よく「ご利用者様の人権が」だの「ご利用者様はお客様」だの「ご利用者様本位」だの呪文のように唱えてる人いますけど、それで介護サービスががんじがらめにされてる気がしますね。
        「拘束ゼロ」だの「オムツゼロ」だの「口から食べなきゃ」だの「トイレにすわって排泄」だの、もうできもしないことはやめようよ。
        疾病に対して個別の対応は必要かもしれんけどさ~、「その人の生活歴をたどって」だの「その人が興味をもって取り組んでくれることを」だの、もういいんじゃない?
        「よりそう介護」とか、もしかしたら、利用者さんは「赤の他人にそばにいられてもうっとうしい」「一人にしてよ」と思ってるかもしれないし。
        必要最小限、最低限のことだけしようよ。
        介護職はムリするのやめようよ。
        できもしないことを無理して、がまんしてサビ残してやるのはやめようよ。

        そうそう、今月デイで敬老会があったんですよ。利用者37人。でもさあ、スタッフは入浴3人、フロア1人、ナースの計5人で増やしてねえし。おまけに管理者はおかしな自己満足の研修参加で不在だし。イラつくわ。
        ・・いや、私はできなくても午前中でバイバイなので、わざとゆ~っくりして、どれだけ仕事残して帰ってやろうかな?とほくそえんでいましたが。(笑)
        で送迎も人員入れてないからさ~、利用者がデイについたら10時。そこから12時15分までに35人入浴とか・・・無理でしょうよ。
        と思ったら、あれ?できちゃったよ?機械浴6人、個浴5人いたのに。一般浴も手のかかるうんこ漏らしてる人とか、着替え全部みないといけない人とか、10人はいるのに。2時間で35人入浴。
        昔は、「30人以上だと午前中には入浴できないから、入浴は午前と午後にわけないと」とか言ってたのに。
        なんでできちゃうの?私らスーパーマンなの?

        できないできないと思ってるけど意外とできることがあるのかもしれませんね。
        ユニット型だと、自分で手足に手かせ足かせをはめて、自分で首絞めてるようなやり方になってるでしょ。
        もしかしたら、従来型のような集団的なサービスでやれば、するっとできちゃうのかもしれませんね。
        ま、ユニット推奨したのは、アホウな国ですけど。
        外国人やシルバーさん導入する前に、ユニットケアをやめて集団的なサービスにもどせば、ある程度やれるのかもしれませんね・・ってチラッと思いました。

        • 山嵐 より:

          >デイちゃんさん

          こんばんは~
          そうですよね、今まで介護職員は相当な無理を強いられてきました。
          最低限の対価で最大限のサービスを提供するなんてナンセンスですね。

          自分に限界を決めずに常に限界を超えていくような働き方や、相当な努力と根性で人員不足でも現場を回すことは可能だと思います。
          でも、それが日常化してしまえば体を壊してしまうかもしれませんし、「人がいなくても出来るじゃん」などと思われて人員の補充の検討さえされなくなってしまうリスクもあります。

          給料は頭打ちなのに、サービスは無限大なんて、本当馬鹿げていると感じます。