「ユニットケアは机上の空論」まずはワンオペ夜勤を二人夜勤にするだけで現場は大きく変わる

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これは実体験なのですが、職員が多ければ多いほど心に余裕ができます。

「そりゃそうだろう」

と言われてしまうかもしれませんが、それが真実である以上

「職員が多ければ多いほど良いケアができる」

という証明でもあります。

20名の利用者に対して仮に職員が10人もいたら

「職員が多すぎるだろう」

「遊んでる職員が出てきてしまうだろう」

と思われるかもしれませんが、実際には「遊んでいると思われる職員は待機をしているだけ」なので、対応が必要な時に動いてくれれさえすればもの凄く助かるのです。

冒頭の「実体験」とは、もちろん職員が10人もいたわけではありません。

ワンオペ夜勤でプラスの夜勤者がいた場合の話です。

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◆不穏な利用者の対応中に他のナースコールが鳴る

帰宅願望や昼夜逆転や活気ある転倒のリスクのある利用者の対応をしている時に、他の利用者のナースコールが鳴ることは多々あります。

ワンオペ夜勤の場合、そういう状況でも一人で対応をせねばならず、対応に苦慮し余裕がなくなってしまうこともあり得ます。

そういう状況は全国の介護施設で起こっており、こういう状況の行きつく先が「介護事故や介護事件」になってしまう要因になります。

しかし、夜勤者が二人いれば、一人が不穏な利用者を対応し、もう一人がナースコールの対応ができます。

たった一人、職員が増えることでの心の余裕と業務負担の軽減は計り知れないのです。

◆笑顔で対応できるほど余裕ができる

今回はその「余裕の度合い」に言及していきたいと思います。

職員一人で対応していた場合、焦ってしまったり、イライラしてしまったり、激しいストレスを感じる利用者の行為も、二人以上の職員がいれば笑顔で対応することができます。

それくらい「心の余裕度」が変わってきます。

もちろん、ワンオペであろうが余裕を持って笑顔で対応するのが「能力だったり経験だったり専門性だ」という考え方もわかるのですが、「二人いればもっと良いケアができる」のだとすれば、そっちの方が良いに決まっています。

つまり

「介護職員にとって負担が少ない配置は、職員だけでなく最終的には利用者も幸せになれる」

という理論です。

利用者が自分の便を弄び、布団やベッド柵や壁などに便をなすりつけている現場を発見した場合、職員一人だったら絶望を感じます。

ましてや、他のナースコールが鳴り続けていれば益々余裕がなくなります。

この時、職員が二人以上いた場合、対応を分担することもできますし、相談することもできます。

そこには絶望とは裏腹の「余裕」と「希望」が見えるのです。

「この利用者、便まみれになっちゃってるけどどうする?」

「やばいね、これ。まずは先にナースコールの対応済ませちゃう?」

「私が便を拭いておくから、コール対応が済んだら替えのオムツ持って来てくれる?」

「オッケー!」

この連携と掛け合いと相談が出来るだけで現場の余裕度は全然違ってきます。

現状では、こういう対応を一人の職員で行っているのです。

◆日中職員10人は言い過ぎ?

ワンオペ夜勤が二人夜勤になるだけでそれだけの余裕と精神的安定と利用者への迅速な対応が可能になるのですから、職員が10人(日中の想定)もいたら、「無駄な人員ではないか?」という懸念が起こるかと思います。

「さすがにそんなにいらないだろう」

「職員10人は言い過ぎだぜ」

と言われてしまうでしょう。

しかし、それはそれで今より的確で確実な「個別ケア」が実施できると私は思っています。

書類等の事務仕事もはかどりますし、現状のように残業をしてまで作成する必要がなくなってきます。

職員が10人現場にいた場合、「職員一人頭の担当利用者は1.5名~2名」ということになります。

そういう状況が達成できた場合、私は利用者と時間のある限り会話をし、趣味が合えば将棋をしたりカラオケを歌ったり外出をしたりします。

それって現状で方針とされているのに出来ていない空想理論と言われている「個別ケア」とか「本当の介護」ではないでしょうか。

残念ながら、国や行政は、現在の「最低限度の介護ができるかできないかわからない状況の人員配置」で、それらを求めています。

だから「現場を知らない人間の空想理論」と揶揄されてしまっています。

「職員10人は言い過ぎ」と言い切れる人には「ユニットケアや個別ケアも言い過ぎ、無理難題、空想理論、机上の空論」と返答したいと思う次第です。

◆まとめ

利用者20名に対して職員10名の配置など夢のまた夢でしょう。

そもそも、それだけの財源がありません。

しかし、それが夢の夢だとするならば、現状で推進されている「ユニットケアや個別ケア」も夢の夢だと知る必要があります。

どうせ、当初は介護職員の自己犠牲でなんとか形にしようと思ったのかもしれませんが、残念ながらそう上手くはいきませんでした。

まずは現状のワンオペ夜勤を二人夜勤にすることで、大幅なケアの質の向上が見込まれます。

ユニットケアという夢物語を語る前に、まずは二人夜勤(ユニット型の場合)の配置を義務化することで、やっと正常な業務形態になることができます。

砂上の楼閣では立ち行かなくなっていることをご理解、ご承知頂けましたら幸いです。

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コメント

  1. デイちゃん より:

    こんにちは。
    一人と二人じゃ全然違いますよね。だって二倍だもの。
    四人と五人じゃあんまりかわらないけど。
    ただ、単純に人数増やすより、一人分の仕事がちゃんとできる人を必要な人数入れてほしいですよね。
    サボる奴とか仕事できない奴を数合わせで入れて、「人数入れたからやれ」というのはナシでお願いします。(笑)
    ま、今、人自体がいませんけど。(笑)

    ただ昔派遣で行ってた老健って、「サボりのあや」っていう有名なサボりスタッフがいて。
    で、入居者60名で夜勤は介護1看護1の2人なんだけど、あやが夜勤の時、仮眠から全然起きてこないから一人でオムツ交換したとかナースさんが怒って言ってた。
    2人でもサボる奴いるんだね~ってあきれたけど。

    介護だけではないけど、サービス業の宿命として、
    ・働く人がいない
    ・いたとしても、サボる
    という問題があると思います。(笑)

    • 山嵐 より:

      >デイちゃんさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      そうなんですよね、まずは「人」がいません。
      人がいても大切にしません。
      サボっても居座れます。

      まぁ色々カオスで色々問題があります。

  2. アングラー より:

    介護職員の負担軽減のために書類作成や掃除を専門にやる人を雇った場合に補助金を出すというのを来年からする予定みたいですが、お役人ってことごとくずれてますよね。
    専門性を持った職員が介護に専念できる環境を作ると言ってるけど、専門性に釣り合わない待遇を放置してる現状ではますますやる気のある職員ほど嫌気がさすでしょうに…。

    • 山嵐 より:

      >アングラーさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      そうなんですね。
      根本的な待遇や処遇を改善しないと何も変わらないのに、小手先の対策ばかり打ち込んでくるんですよね。
      まずは確実に、介護職員に処遇改善手当が全額行き届くようにして欲しいです。
      全てが中途半端でイヤになってしまいますね。