キラキラ系職員や経営者が推進する「利用者本位、自己決定」の最終段階

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今の介護業界の方針は「利用者本位」とか「自己決定」ということになっています。

介護施設に入ったからと言って、「利用者には人権も尊厳も自己決定権もあるのだ」という考え方は理解ができますが、問題となるのは

・認知症の利用者

・法は犯してないにしても道徳や倫理に反する利用者

になります。

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◆認知症の利用者

認知症にも種類が色々あります。

周辺症状(BPSD)や中核症状という症状の区別もあります。

認知症のレベルも下記のように「日常生活自立度」でレベル区分されています。

日常生活自立度の判断基準一覧

レベル 判断基準
Ⅰ) 「何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内および社会的にほぼ自立している状態」基本的には在宅で自立した生活が可能なレベルです。
Ⅱa) 「日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが家庭外で多少見られても、誰かが注意していれば自立できる状態」
Ⅱb) 「日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが家庭内で見られるようになるが、誰かが注意していれば自立できる状態」
Ⅲa) 「日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが主に日中を中心に見られ、介護を必要とする状態」
Ⅲb) 判断基準「日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが夜間にも見られるようになり、介護を必要とする状態」
Ⅳ) 「日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする状態」
M) 「著しい精神症状や周辺症状あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする状態」

症状やレベルが様々であるので一概には言えないのですが、認知症であるが故に、利用者本位や自己決定が難しい状況があるのも事実です。

◆道徳や倫理に反する利用者

道徳や倫理に反している利用者も多数います。

・排泄物を垂れ流していても気にしない利用者

・気に入った職員にお小遣いをあげたい利用者

・職員を召使いのように扱う利用者

などになります。

その他にも、常識や生活歴が普通の人とは違う考え方の人もいます。

・入浴をしたくない利用者

・一日中寝て過ごしたい利用者

・食後に茶碗に入れ歯を入れて、そこにお茶を注ぎかき混ぜてからそのお茶を飲み干す利用者

などです。

現在の方針としては、法律にさえ抵触していなければ、利用者のニーズを受け入れて実現させていくべきである、という基本方針なのですが、さすがに道徳や倫理に反していたり、常識的にずれていたり、他者に迷惑が掛かる場合は修正したり我慢をしてもらう必要が出てきます。

これは、「介護施設だからどうのこうの」ということではなく、「日本で生活をしている以上、社会的に常識を持ってルールやマナーを守り他者に迷惑を掛けない範囲で生活をする必要がある」という当然のことになります。

しかし、「高齢者」とか「社会的弱者」とか「福祉の在り方」という言葉が大好きな「キラキラ系介護士」や「キラキラ系経営者」は脳内がお花畑になってしまい、ここが日本であることを忘れてしまっているかのような言動をします。

◆全てを受け入れる姿勢を示す自己陶酔

「利用者や高齢者や社会的弱者が、希望を訴えニーズが存在するのならば、それを全て受け入れ実現させていくのが介護業界の常識だろう」

ということを言う人が存在します。

一見、良いことを言っているように聞こえますが、それはそう言っている自分が大好きな「自己陶酔系キラキラナルシスト」です。

(余談ですが、そういう人は大体、スーツを着てポーズを決めている印象があります)

「帰宅願望のある利用者には帰宅させればいい」

「入浴拒否があれば入浴させなくていい」

という、現在の介護現場を否定するような言動をしています。

現場職員としては

「それでは家族が困るだろう」

「社会に認知症利用者を解き放ったら一般人にも影響が出てしまうだろう」

「不潔行為があれば周りの利用者にも迷惑が掛かるだろう」

と言って反論をしますが、そういうキラキラ系の人は大体他者の声に耳を貸しません。

理由は、「他者の迷惑よりも弱者を守っている自分が気持ちよくなっていたい」という「常識や倫理に反している考え方を持っているから」にほかなりません。

◆ニーズや自己決定を最優先した最終段階

しかし、よくよく考えてみれば、キラキラ系が言うように、利用者のニーズや自己決定を最優先し実現させていけば、「介護職員は今よりも楽になるのではないか」と思うのです。

もっと言えば、介護施設もそんなに必要はありませんし、介護の仕事自体、今よりもニーズが無くなっていくのではないでしょうか。

「家に帰りたい」→「どうぞ帰ってください、さようなら」

「風呂に入りたくない」→「どうぞ、ご自由に」

「介護されたくない」→「どうぞ、ご自由に」

要は「ネグレスト(介護放棄)」の状態です。

そういう状況になれば、困るのは家族であったり、一般人になろうかと思います。

※一般人が何故関係があるのかと言うと、認知症高齢者は平気で道路の真ん中で寝ていたり、遮断機の下りた踏切を渡ろうとするような行動が予測されるからになります。

もし、キラキラ系の人がそういうことも想定して発言しているのなら「ネグレストの推進」だと言えます。

業界や世間がそういう状況を望んでいるのなら、私は介護職員としての仕事が無くなってしまっても仕方が無いと思っています。

◆まとめ

利用者本位、自己決定、ニーズを最優先させ、どれもこれも実現させてしまうのは無理があると考えるのは普通です。

もし、利用者ばかりを最優先させ、どんなニーズも叶えていける状況になれば、利用者本人としては幸せなのかもしれません。

しかし、その反面、誰かが不幸になるのだとすれば、健全なニーズだとは言えないのではないでしょうか。

「誰かの幸福の為に誰かが不幸になるのは不健全」だと言えます。

そして「職員の不幸の上に成り立っている介護施設も不健全な状態」だと言って過言ではありません。

コメント

  1. デイちゃん より:

    こんにちは。
    私は、介護サービスは「サービス」と「保護」に分ければいいと思うんですよね。
    サービス・・・お金をより多く払って、よりよいサービスをうける。
    保護・・・お金はあまり払わなくてよいが、サービスは必要最小限。

    「サービス」のサービスは、何でもあり。それこそ「ご本人様の思いによりそった個別ケア」を思う存分してあげればよい。キラキラさん達の本領発揮。もう極上のサービスを展開して、高いお金払ってもらって、自分たちも高い給料をもらえばよい。

    「保護」のサービスは、健康に生きていける最小限。事業収入が少ないから当然スタッフ数も少ないので、ご本人様の思いだの個別ケアだのはすべてカット。施設での決まりごとに従ってもらう。キラキラさんの出番なし。事業収入少ないから、スタッフの給料も安いので、シルバーさんとか外国人の方が中心になりそう。

    現在は、実質、有料老人ホームは「サービス」で、特養は「保護」だと思うのだけど、「保護」である特養で「サービス」を求める利用者がいるから、話がややこしいのでは。

    で、キラキラさん達って、「保護」のサービスでキラキラしようとするから、ややこしいんだと思います。
    高い有料老人ホームとかでキラキラすればいいんじゃないかしら。
    私の近所の有料ホームは、入居時に500万まず払ったうえに毎月40万くらいかかるんですけど、「スタッフを一人つけて海釣りに行く」とかいうサービスもあるんですって。
    ということは、その日はそのスタッフの給料をその利用者が払うんだよな~と思った。

    高齢者さんも要望をしていいと思うけど、それには当然対価が必要だという当たり前の話ですね。

    • 山嵐 より:

      >デイちゃんさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      なるほど、目から鱗です。
      キラキラ系だけでなく、国や業界が介護保険内で利用者至上主義で個別ケアをさせようと介護職員に押し付けてくるからおかしくなってきているんですよね。

      そういう事業仕分けは必要だと思います。

      • デイちゃん より:

        特養って料金が安いから、当然サービスは最小限のはずなので、そもそもユニットケアだの個別のケアだのおかしいですよ。
        高い金払って入る有料ホームなら、高い金払ってるんだから、個別のケアだのご本人様の思いによりそったケアだの可能でしょうけど。
        三ツ星レストランの高いコース料理を、マクドナルドで500円で出してもらおうとしても、そりゃ無理ってもんですよ。

        高い有料ホームなら、ナースコール頻回な利用者がいても、ナースコール1回1000円で契約していれば、ナースコール100回で夜勤さんは夜勤手当10万だから、「今日は稼いだな」「何回も押してくれてありがとう」「もっと押してくれてもいいよ」「なんなら部屋にずっといようか?」とかなるかもしれないけど。(笑)

        働いたら、それに見合った対価をもらうのは資本主義の大原則。
        なのに特養では、働いても、それに見合う対価がもらえないみたいですね。
        おかしいな。北朝鮮みたい。

        • 山嵐 より:

          >デイちゃんさん

          こんにちは~
          返信ありがとうございます^^

          もの凄く良くわかる例えをありがとうございます。
          日本は資本主義で法治国家のはずなのに、何故か介護業界だけ治外法権で日本じゃないみたいですね。

  2. アングラー より:

    まさに保険内サービスと保険外サービスの差ですね。単純明快な分かりやすい理論。
    「同じ食べ物だからフレンチを公定価格の300円で出しなさい。職員の待遇はマクドナルド並みで。でもホスピタリティを学んで、お客様の為に頑張って!仕事の質はフレンチ並みで。」「あれ?おもてなしがいを強調してるのに人がやめていく。人が集まらない?何故だろう?」集まるわけあるかい!!(笑)
    私は個人的には先回りしての過剰な「お手伝い」は本人の力を落ちさせるだけで、職員負担も将来的に増すと考えます。そこで付加価値を付けるよりは、本人の趣味(外出とか)、やりたい事を叶えるお手伝いをし、ただしそれを叶えるには職員一人拘束するわけだからその分の対価はしっかり頂きますよ式の付加価値の付け方が良いです。

    • 山嵐 より:

      >アングラーさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      やはり最後に物を言うのは「対価」になりますよね。
      その一番大切な部分をすっ飛ばしてしまうから迷走が続いているのだと思います。

      しかし、それがわかっていても(わかっているかは謎ですが)、その部分には触れようとしない所に闇を感じてしまいますね。

  3. ダメ人間 より:

    こんばんは。

    キラキラ系の職員や役職の方=福祉バカの考え方って
    「ぼくがかんがえたりそうのかいごぞう」
    が絶対に1000%正解だと思っていて、それを実行すれば利用者も充実した日々を送れると考え、頭の中がお花畑状態ですが思っているだけならいいですけど、それを無理に実行させようとするから、トラブル起こすんですよ。バカだと思いますが。

    自分もデイちゃんさん や アングラーさんがおっしゃっている、安価な高度なサービスを求める事に疑問を感じていました。
    例えば吉野〇の牛丼価格なのに、一流ホテルの高級レストランの味を求める…みたいな感じですかね。
    (物も該当しますが)サービスもお金の額の物が返ってくる訳で、対価と全く釣り合ってませんし、やっぱり措置時代に戻すべきです(笑)
    そんなに素晴らしいおもてなしを求めるなら、それなりの金を積んで高給な有料老人ホームに行けばいいだけの話しなのに、1~3割だけ払って後は税金なのに、「お客様は神様」ばりの権利意識……正直に言えば「まともにず~っと10割払ってから言えよ」って思います。

    ・受付にコンシェルジュあり
    ・食事は和食・洋食・中華などが選べて、正装した職員が運んでくれる
    ・医師と看護師は当たり前で24時間在住
    みたいな入居金が高いクラスだと、億を超える超~高級有料老人ホームでの求人って見た事がありますか?
    以前にとある所の求人を、ちょびっとだけ見た事があるのですが応募資格は、
    ・介護職→普通の所だったら長老さんレベルの年数。確か最低でも10年に近い数字だった様な。
    ・管理職→介護主任やら介護部長とかの管理職の経験は勿論あって、更にある程度の期間は従事してる必要あって、法人規模まで指定
    まだ他にもあった気がしますが、最低限でもこれ位で選考方法も
    書類→筆記(…一般常識や論文)→複数回の面接(…人事→エリア統括→役職→社長)
    こんな感じで、自分みたいなダメ人間を働かせてくれる、社福・医療のレベルじゃないです(笑)

    自分より長年に亘りこの業界にいる方々なら聞いた事があるかもしれませんが、全国展開してる某有名な有料老人ホームのコールにて、1回~円みたいなお金を取る所があり、夜間は押す回数が増えるので、お得な料金パック設定があるそうですね。

    • 山嵐 より:

      >ダメ人間さん

      こんばんは~
      コメントありがとうございます^^

      高級有料老人ホームのハードル高いですね。
      私はそういう求人は見たことはないですが、やはり都会に多いのでしょうね。

      福祉におもてなしを求めるのは筋違いですね。