【介護業界の闇】「介護報酬を削減したいだけ」の共産主義の独裁世界

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日本は法治国家であり、資本主義社会です。

ですから、法律に則り、国家や政府に規制や管理されることなく、自由に商売をしたり働いて収入を稼ぐことができるはずです(自由競争の原理)。

自由競争の原理から除外されるのは「公務員」などの公僕になります。

公務員は自由競争ではない分、社会的地位や収入や退職金や福利厚生によって十分な恩恵を受けることができます。

では、介護業界は現状で「自由競争」と言える業界なのでしょうか?

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民間企業が参入できる介護業界

過去の記事でも介護業界への民間企業の参入について書きました。

日本の家電業界で双璧をなすソニーとパナソニック。 この2社が今、これまで以上に力を入れているビジネスがある。 それが「介護」...
経済産業省(経産省)が2035年には介護士が79万人不足するという試算を出しました。 介護に携わる人材の不足が、2035年...

大手企業だけでなく、「居宅介護支援事業所(ケアプランセンター)」や「訪問介護事業所(ホームヘルパーステーション)」や「通所介護事業所(デイサービスセンター)」などは、小規模であっても起業したり開業することが可能です。

実際、2000年4月に介護保険制度が施行されてから、民間企業の参入が右肩上がりで増え続けました。

つまり、独立開業して小規模であっても民間であっても参入できるという点では「介護業界は自由競争」だと言えます。

自由競争なのに財源を国が握っている矛盾

本当の自由競争ならば、売り上げや収入を国や政府に規制されたり管理されないはずです。

しかし、介護業界の主たる売り上げと収入は国が定めた「介護報酬」によって管理されているのです。

実態は「自由競争」とは名ばかりで、決まった売り上げと収入の中からやりくりをしなければならない「共産主義」の矛盾した世界なのです。

毎月決まった売り上げの中から、決まった賃金や決まった経費を平等に支払うシステムになります。

頑張ったり努力したら売り上げが上がったり、賃金が上がったりすることはありません。

頑張ろうがサボろうが、皆平等に決まった賃金が貰えるのです。

共産主義の世界で利益を増やしていくには

介護報酬の単位数は自由競争ではないので、売り上げを上げるためには

・多くの利用者を受け入れる

・介護度の高い利用者を受け入れる

・加算が取れるようにしていく

という方法しかありません。

その売り上げから利益を捻出しようとすると

・経費を削減する

・人件費を削減する

という「切り詰めること」でしか収益を増やすことができないのです。

切り詰めることでしか利益を増やせないのだとすれば、労働者の賃金も上がるはずもありませんし、夢も希望もありません(おっと失礼、搾取前提の「やりがい」だけはありましたね)。

サービスの提供価格を自由に決められず、ハード面でしか売り上げが上がらず利益を追及できないという点で「皆、平等に不幸な業界」だと言えます。

国家が急激な舵取りを行う

ここにきて、「国が管理する介護保険事業」に急激な舵取りが行われています。

2018年の介護報酬改定では「微増」だったものの、マイナス改定となる基本報酬のサービスもありました。

介護業務にボランティアを起用する施策を発表したり珍走が続いています。

要は「介護報酬を削減」したいのと、「零細事業所を淘汰して大手に集約」したいのです。

先ほど述べたように「ハード面でしか売り上げが上がらない仕組み」である以上、小規模な事業所は必然的に淘汰されていきます。

そこに「ブラック」だとか「経営手腕」は関係ありません(もちろんブラックで無能な経営の小規模事業所はあっという間に潰れます)。

ただただ、小規模事業所を淘汰したいだけなのです。

(逆に言えば、大規模事業所や大手は、少々ブラックだったり、経営者が無能でもなかなか潰れません)

何故、大手に集約したいのか

何故、国は小規模事業所を淘汰したいのでしょうか。

答えは簡単です。

「大手に集約した方が介護報酬の削減や管理が合理的」

「介護職員不足を解消するために人材も大手に集約したい」

という理由になります。

現に、小規模事業所が続々と倒産しています。

つまり、国が求めているのは「資本主義の自由競争」ではなく、「共産主義の独裁政治」なのです。

最後に

公務員のような恩恵も受けられないのに、介護保険事業は国が管理している「自由競争に見せかけた独裁業界」だということがご理解頂けたかと思います。

「多くの売り上げや報酬や給料は払えないけど、沢山のやりがいがあります」

というイメージアップキャンペーンを、国をはじめ行政や業界や自治体や非営利団体などが行っています。

「やりがい」と聞くと耳触り良く聞こえますが、言っていることとやっていることは「新興宗教の勧誘や洗脳」と何ら変わりありません。

国の方針が「介護報酬削減」と「小規模事業所の淘汰」である以上、資金力がない状態での介護業界への新規参入は避けた方が無難でしょう。

今後の政府としての命題は、やりがいを前面に押し出したイメージアップキャンペーンで人材確保を行うことではなく、「どれだけ「やりがい」以外のものを与えていける環境を創り出せるか」ということになるのではないでしょうか。