オール電化の介護施設が「台風の影響で停電する」という地獄絵図

Pocket

昨日(9月4日)は台風21号の影響で、全国各地で色々な被害が出ました。

ニュースやTwitterなどでも被害の状況を見ていたのですが、トラックが横転したり、看板や家の屋根や自転車置き場が飛んでいったり、家そのものが崩壊したり、電線に物が引っ掛かりそこから発火したり、電信柱が折れ曲がったり、道路が冠水したりと甚大な被害が出ていました。

ちなみに私は昨日、夜勤明けだったので、昼前には自宅へ戻っていました。

昼過ぎから徐々に雨風が強くなり、外から「ガンガラガッシャン!」という賑やかな音が聞こえなかなか寝つけず、ブログ関係の作業をしたり、Twitterを眺めたり、Youtubeを観たりしていました。

駐車場に置いている車が気になり少し様子を見てみようと家のドアを開けると、暴風でドアが強烈に開き、腕ごと持って行かれそうになり、必死の思いでドアを閉めました。

やはり、こういう事態の時は外に出たり様子を見に行こうとするのはダメですね。

そうは言っても、そんな日でも出勤日となっている介護職員は必死の思いで出勤することになります。

たまたま自分が夜勤明けだったのは不幸中の幸いですが、こんな日に出勤をせねばならない同士の皆様のことを思うと、本当に痛み入ります。

スポンサーリンク

◆明けでなかなか帰れなかった

本来朝9時が夜勤明けの定時になるのですが、こんな日こそすぐに退勤したい思いとは裏腹になかなか退勤できず残業をしてきました。

その理由は以下になります。

理由①「出勤できない職員の穴埋め」

もうこれは仕方がないのですが、25年ぶりの「非常に強い台風」なわけですから、どうしても出勤できない職員が出てきてしまいます。

・交通事情で出勤できない職員

・保育園や学校が休園や休校となることでお子さんの都合で出勤できない職員

という2種類に大別できます。

そうなると、いつも人員不足の職員配置より更に不足するわけですから、穴埋めをしたり調整をしたりする必要が出てきます。

出勤してくるはずの職員の到着を待って、一時的な穴埋めの関係で残業をしました。

理由②「穴埋めの調整を考える時間が長い」

そういう段取りは上司や経営者が采配するのですが、その結果が出るまでが長く、決定を待つ間残業をしました。

いつもなら5分~10分で終わる朝礼も、台風の話題と勤務調整と対策準備の話で30分近くありました。

ユニットからも職員が1人参加しているので、その職員が戻ってくるまで夜勤明けは退勤できません。

対応や対策をしっかり話し合うことは大切ですが、そういう話は前日にもっと詰めておいて欲しかったです。

◆オール電化の介護施設が停電

そんなこんなでフラフラになりながら、やっと退勤できたわけですが、夕方近くになって出勤している職員から「施設が停電してヤバい」という内容の連絡がきました。

確かにニュースを見ると、全国各地で停電が発生しているようでした。

私の自宅も同じ地域ですが、電灯がチカチカすることはありましたが、停電になることはありませんでした。

最近の介護施設は、火災予防のために「オール電化」のつくりになっています。

私の施設もオール電化なのですが、停電となればその脆弱性が一気に表面化してきます。

オール電化の介護施設が停電になった場合、何が使えなくなるかと言うと

・電灯

・冷蔵庫

・IHクッキングヒーター

・エアコン

・パソコン

・テレビ

・電気ポット

・電子レンジ

・電動ベッド

など、電化製品を含め電気が必要なものは全て使えなくなります。

◆自家発電機の効果は?

電気の無い状態で介護業務を行うことは想像に絶する地獄絵図になります。

私の施設では、自家発電機を使って対応したようです。

自家発電機は3時間~4時間ごとに燃料の補充が必要になります。

そして、そんなにパワーがあるわけではないので、ユニット内の電灯を灯したりエアコンを動かしたりすることは不可能で、「せいぜいコンセントが使えるようになる程度」の能力しかないようです。

とりあえず、それで冷蔵庫を稼働させたりパソコンを使用することはできますが、利用者にメリットを与えることはあまり出来ていません。

それと自家発電機の音と燃料の臭いが凄いらしいのですが、致し方ないですね。

◆地獄絵図の詳細

各ユニットに懐中電灯とランタンのようなものが数個支給されたようです。

しかしそれでも薄暗い状況で、職員も介助がしにくいですし、利用者も不憫な状態です。

地獄絵図①「夕食はランタンの灯りで」

電気がつかないわけですから、ランタンの灯りの中、夕食を提供したようです。

これが、普通の家庭なら「ちょっとキャンプ気分で、たまにはいいね」などと笑えることもあるのかそしれませんが、介護施設では目が悪い利用者もいますし、食事介助が必要な利用者もいます。

電気ポットもIHも使用できないので、お茶を沸かすこともできません。

「確か行事の時に使った「カセットコンロ」があったのでそれが使えるかなぁ」と思っていますが、どうしていたのかは不明です。

想像すると不憫です。

地獄絵図②「エアコンがつかない」

これは生命にも関わってくる問題です。

停電ともなれば当然エアコンもつきません。

先日、某病院の患者が熱中症で死亡し、エアコンをつけていなかったことが問題になっていました。

正にそのままの状況が発生してしまっています。

4日の気温はそれほど高くなかったのは不幸中の幸いでしょうか。

しかし、もしこの状況で利用者の状態や生命に何かあった場合は問題があると言えます。

最悪の場合のことを自宅で勝手に想像していた私ですが、台風という自然災害の影響となるので「不可抗力の事態」として免責できるのかもしれません。

しかし、それまでに家族に説明をしたり、希望される利用者はエアコンが使える他の場所(自宅や他事業所等)への避難も必要なのではないかと思います(但し、外は暴風雨なので現実問題としてどうするべきなのかは要検討)。

職員もエアコンの無い状況での介助は大変です。

実際、どのように対応したのかの詳細は聞いていないのでわかりません。

地獄絵図③「薄暗く電動ベッドの調整もできない中での介助」

食事が終われば、口腔ケアを行い就寝介助に入ります。

職員はランタンや懐中電灯を持ち歩き、各利用者の居室で介助を行うわけですが、そんな状況ではミスや事故が発生しやすくなります。

とりあえず寝てもらうだけで精一杯な状況ではないでしょうか。

電動ベッドの高さ調整やギャッヂアップも使えないので、無理な体勢での介助は職員の腰への負担が大きくなりますし、ギャッヂアップが必要な利用者にとっては適切なケアができているとは言えません。

地獄絵図④「換気扇も止まるので悪臭が漂う」

介護施設の換気扇は24時間回しっぱなしになっています。

介護施設特有の「汚物の臭い」を逃がす為です。

しかし当然停電になれば換気扇も止まってしまいます。

換気扇が止まった状態で「汚物室」から漂ってくる悪臭が施設内に充満します。

ゴミ箱のフタや扉を閉めたり、消臭剤を使って臭い対策をするにしても、介護施設の汚物室に染みついた悪臭は普通の人はすぐにわかります。

ましてや、エアコンも動かない状態ですし、自家発電機の燃料の臭いも相まって、それはそれは臭いはずです。

そしてその臭いを嗅ぎながら夕食を食べていた利用者はやはり不憫です。

◆まとめ

それにしても、今年は大雨、地震、猛暑、台風という自然災害が続きますね。

火災対策を想定した「オール電化は、停電の際はめっぽう弱い」ということが露呈しました。

自家発電装置でも大した効果が得られなかった状況を見ると、他の停電対策が必要となります。

しかし、それには多額の費用が掛かってしまうでしょうし、判断が難しい所なのかもしれません。

こういう状況になって改めて感じるのが

「電気って本当に大切」

「電気がないとすごく不便」

「電気は生活の大部分を占めている」

ということです。

ちなみに、ナースコールは停電中も鳴ったり鳴らなかったりしていたようです。

「最後の命綱」とも言えるナースコールなので、停電対策がされていたのかもしれませんが、「鳴らなかった時もある」という点から、どういう仕組みかわかりませんが恐らく「内部バッテリー」の問題かと思われます。

もし、こういう非常事態の時に、介護職員を召使いのように扱うようなコールが連発すれば、地獄絵図は更に加速していくでしょう。

【関連記事】

病院や介護施設には必ずナースコールが設置されています。 設置が義務付けられているので、 ・設置していなかったり ・手の届か...

コメント

  1. MOCO より:

    台風直撃の大阪在住です。

    私も昨日は夜勤明けでした。
    私はJRと私鉄を利用しての電車通勤です。
    前日より朝10時にはJRは運休するとの事でした。
    夜勤は9時30分まで。
    会社について、「明日、運休になるので早退させて下さい。」と、
    言おうとしたら「明日は車で家まで送ります!」と副施設長がハッキリ仰いました。
    そこまでしてくれなくても良いのに、「ちゃんと送りますから!」と何度も言ってくれるので、お言葉に甘えて~と思ったのが間違いでした。
    翌日、状況が変わり「電車が止まるのは12時だからどうする?」って、言いに来られました。それならなんとか時間内で終われば帰れます。
    そんなこと言うのなら最初から「送る」と言わなきゃ良いのに!
    私だけでなく夜勤は各階に1人、夜勤専属が2人の計8人いるのに。
    送ってくれと頼んだわけでもないのにね(笑)
    せめて、早退の指示ぐらい出してほしかったです。
    ナンダカンダで少し残業になり、電車には無事に乗れて帰れました。
    今までも、人身事故、地震、台風で運休や遅延になってもタクシーで行ったり、別ルートで出勤したのに、嫌になりました。
    別ルートの運賃、タクシー代も出ませんが。
    ここで愚痴ってしまい申し訳ありません。

    • 山嵐 より:

      >MOCOさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      台風の事情なので状況が変わるのは仕方がないですが、期待をさせておいて蓋を開けてみればガッカリなことって色々ありますよね。
      送ってもらえなかったのが嫌なんじゃなくて、そういう体質が嫌なのですよね、わかります。

  2. デイちゃん より:

    こんにちは。
    災害時は大変ですね・・・。

    こちらの方は昼ごろに台風が通過するとのことで、デイのお迎えを早く終わらせたら大丈夫だろと思ってたのですが、案の定、送迎車が9時半ごろデイについた後に急に風雨が強くなり、セーフでした。
    ただ風がすごくなってきたので、利用者さんには窓際に近寄らないように声かけしました。何かとんでくるかもしれんし。
    でもデイに連れてきても、停電や断水になったら、どうしようもないですね。そこは何も考えてないよね・・・うちの会社。(笑)

    私は14時ごろ退社しましたが、そのころには台風は通過してましたけど、まだ風雨は強かったですね。
    ま、私は、職場は家から歩いて5分なので、少し雨にぬれて帰っただけでしたが。
    遠距離通勤されたみなさま、お疲れさまでした。

    • 山嵐 より:

      >デイちゃんさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      暴風雨も大変ですけど、ライフラインが絶たれてしまう方が問題ですね。
      台風の日に出勤された皆様、本当にお疲れ様でした。

  3. めど立てたい人 より:

    違うんですよ。

    そもそもユニットケア(笑)、ユニットケ型施設(笑)運営が諸悪の根源な・ん・で・す。

    …なんて大きくでてみますが、停電に騙され?てはいけません。

    正確には違うとはいえ、各ユニットに総家電設置するぐらいなら、(正or非)1人雇うぐらいの金にはなるでしょう。

    また、総家電さえなければ、部屋の灯りも不要。そうなれば、それこそ大事な食事(笑)作りの厨房とボイラー室に電気が送れるのに

    完全な?従来型だった昔の職場を思うと、介護は百歩譲るにしても、ユニットケア(笑)だけは介護においてホント××だなと思います。

    • 山嵐 より:

      >めど立てたい人さん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      どちらにしても、ユニット型、ユニットケアが諸悪の権化という結論ですね。
      わからなくもありません。