「介護職の質」が低空飛行の原因

Pocket

自分自身、介護職をやっているので、こういうことを言うのもなんなんですが「介護職の質」って年々、いや日に日に下がっています。

厳密には「低空飛行を続けている」というのが正しい言い回しかもしれません。

スポンサーリンク

介護職の質が低空飛行を続けている原因

質の低下と低空飛行の違いは、質の低下は右肩下がりな状態であるのに対して、低空飛行は低い水準で浮いたり沈んだりしている状態です。

国や業界や事業所が「介護職員の資質の向上」を謳っており、研修やら専門性を明確にすることで底上げしようとしているのですが、ある程度まで資質が向上した職員は「介護現場の現状に失望して辞めたり転職していく」ことが最大の原因だと思います。

つまり、資質が向上すればするほど、介護業界の劣悪さがハッキリと明確に眼前に映し出され、どう足掻いてもニッチもサッチもいかないことに気づいてしまうことで「自分のために」現場から去っていってしまうのです。

介護業界から足を洗ってしまう人もいれば、他事業所へ転職する人もいます。

同じ状況が多くの事業所で行われていることで、人材が安定しないのです。

いくら能力や資格があっても、転職してきた人材は「新人」扱いです。

すぐに絶対的な信用と信頼を得られることが少なく、信頼を得ていくためには「ある程度の勤続年数」が必要となってくるのは介護業界に限ったことではありません。

そうなると、能力や資格のある転職してきた新人よりも、能力がなくて無資格の古株の方が大事にされる環境にあります。

そういう事業所ばかりだと、能力のある人材は面白くありませんし、また不平不満を抱え転職することになります。

現在の介護業界では資質の高い人材を欲しておきながら、現実として能力や資格がなくても勤続年数の長い人材の方を大切にしてしまう矛盾が、現場の質を低空飛行させている最大の原因なのです。

低空飛行の錯覚

人間は色々な錯覚を起こします。

どんなに優秀な人であろうと、感覚器に異常がなかろうと、目の錯覚や思い違いや思い込み等の錯覚は起こります。

介護現場では、能力や資質が無くて「使えない職員」という存在がどこの事業所にもいるかと思います。

「こんな使えない職員と一緒に働くのはイヤだな」

「全然仕事をしない無能なヤツだ」

「もっと仕事の出来る職員が欲しいな」

と内心思ってしまうかもしれません。

しかし、その職員より「もっと仕事ができない職員」が来た場合、現場の質は下がっていくのですが、ここで錯覚が起こります。

最初に「使えない」と思っていた職員が

「貴重な戦力」

「後から来た無能なヤツより使える職員」

に昇華されます。

本人の行動や能力が変わったわけではありません。

あくまでそれは「自分の中の受け止め方による錯覚」なのです。

能力の低い職員がどんどん補充されていくことによって、以前からいる「使えない職員」は「使える戦力」という錯覚の中で、浮いたり沈んだりしながら現場は今日も低空飛行を続けているのです。

実は資質が上がっている可能性

どんどん使えない職員が投入されると、低空飛行どころか右肩下がりのように思われます。

そして、「以前からいる無能な職員の資質は変わっていない」と書きましたが、実は「多少は上がっている可能性がある」のです。

それは、自分より能力の低い職員が来たことによる「優越感」とか「競争心」による心境の変化です。

「自分はこいつよりマシだろう」

「こんな無能なヤツは見たことない」

「自分の方が先輩なのだから追い越されるわけにはいかない」

という思いから、以前より仕事を頑張るようになる可能性もなくはありません。

その向上心のふり幅は小さいものでしかありませんが、そういう状況によって浮いたり沈んだりする「低空飛行の現場」が創り上げられているのです。

まとめ

能力や資質や経験や資格があろうとも、結局は「法人の勤続年数」には勝てない風潮があります。

そのことが、介護職や介護現場の資質の向上を妨げている最大の原因でもあります。

向上心の無い無能なお局さまを後生大事に抱えたり、昇格させたりしている事業所は「低空飛行の事業所」だと言えます。

「ずっといてくれる職員は可愛い」という思考はわからなくもないですが、本当に資質の向上(右肩上がり)を目指すのならば、もっと職員個々を平等なモノサシで評価していく必要があるのではないでしょうか。