【介護事件】京都府の特養で介護職員の女が91歳の入所者を死亡させる(1)

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2018年10月10日に流れてきた介護事件のニュースがあります。

もう皆さんはご存知かもしれませんが、「京都府向日市(むこうし)の特別養護老人ホームで2018年7月10日の昼頃に22歳の女性介護職員が91歳の女性入所者に暴行を加え両大腿骨骨折などの大怪我を負わせ、翌日に出血性ショックで死亡させた疑いで京都府警に逮捕された」という介護事件です。

今回は、この介護事件について記事を書きたいと思います。

※このブログ記事は、報道直後の2018年10月に執筆したものを2019年5月13日にリライトしたものです。古い情報が含まれている可能性があることをご了承下さい。

ニュース概要

以下、事件のニュース報道の概要です。

老人ホームで91歳女性に暴行、死なす 22歳職員女容疑で逮捕

京都府向日市物集女町の特別養護老人ホーム「サンフラワーガーデン」に入所する女性=当時(91)=に暴行を加えて死亡させたとして、京都府警捜査1課と向日町署は10日、傷害致死の疑いで、同ホームに派遣されていた介護職員の女(22)=京都市中京区=を逮捕した。女は容疑を否認している。

逮捕容疑は7月10日昼、サンフラワーガーデン施設内で、入所者の女性に暴行を加えて両大腿骨骨折などの大けがを負わせ、翌日未明に出血性ショックで死なせた疑い。

【引用元】京都新聞

事件考察

翌日10月11日に施設関係者(上司)の取材内容も報道されていました。

上司「仕事熱心、信じられない」 京都の特養91歳暴行死疑い

「まじめな職員。暴行はなかったと信じている」。サンフラワーガーデンを運営する社会福祉法人向日春秋会の滝口雅夫事務長は10日夕、集まった報道関係者に同じ言葉を繰り返した。亡くなった女性や遺族に対しては「『特養』はついのすみか。安心安全を提供できず申し訳ない」と声をしぼり出した。

同法人によると、女は2017年、人材派遣会社からサンフラワーガーデンに派遣され、働き始めた。ヘルパー資格を持ち、入居者の入浴や食事の介助を担当。入居者とのトラブルはなく、女性が死亡した後も欠勤することはなかった。滝口事務長は「誰よりも早く出社して、何かあればすぐに報告してくれる。控えめで、とても熱心。一生懸命に入居者のケアをしていた」と強調した。

【引用元】京都新聞

時系列

◇2018年7月10日午前11時半~午後0時20分

当該介護職員が女性入所者を入浴介助する。

その後、居室で入所者が嘔吐しているのを別の職員が発見。

◇2018年7月11日

両大腿骨骨折による出血性ショックで女性入所者が死亡

◇2018年10月10日現在

骨折の原因はわかっていない。

入浴介助をした女性介護職員が傷害致死の疑いで逮捕。

入浴介助と骨折の因果関係

女性入所者は骨折をしたから死亡に至ったわけですから、その骨折の原因の解明が最重要です。

入浴介助中に何らかのミスやアクシデントが発生し骨折をさせてしまった場合は「事故」になりますが、悪意を持って故意に介護職員が暴行や怪我をさせる行動を取ってしまった場合は「事件」になります。

但し、事故であっても著しい過失があり怪我が死亡の原因であった場合、「業務上過失致死」という犯罪になってしまうので、逮捕されたり書類送検をされる可能性は十分にあり得ます。

今回は「暴行を加えて」という文言があり、「傷害致死」の疑いで逮捕されたということですので、警察側は事故ではなく「事件」である、というスタンスであることがわかります。

女性介護職員の言い分

逮捕に「納得できない」「(入浴介助では)異常はなかった」などと話していることから、「自分が行った入浴介助と骨折に因果関係はない」という主張をしているようです。

上司の言い分

「まじめな職員。暴行はなかったと信じている」

「「誰よりも早く出社して、何かあればすぐに報告してくれる。控えめで、とても熱心。一生懸命に入居者のケアをしていた」と強調した」

という取材記事を読む限り、女性介護職員を擁護するような内容となっています。

ただ、引っ掛かったのは「暴行はなかった」と信じているものの、骨折をさせてしまうような「人為的ミスや事故はあったのかもしれない」という余韻を残してしまう点です。

死亡の原因が骨折である以上、「どこでどうなって骨折したのか」ということを究明していく必要があり、「全く身に覚えがない」と主張している女性介護職員に対して、上司は「女性職員が事故を起こした可能性」を捨て切っていないという点で、当たり障りの無い内容なのかな、とも思います。

私が感じる3つの違和感

私が感じる違和感が3つあります。

違和感①「骨折が判明した時間帯が日中」

今までの介護事件の多くは「夜間帯」に発生する傾向にありました。

その理由としては

  • ワンオペ(一人体制)夜勤なので入所者と二人きりになる時間が多い
  • 事件が発覚するまでに時間が掛かるので証拠を隠滅しやすい
  • ワンオペなので入所者が大声を出しても誰にもわからない
  • ワンオペなので職員が追い詰められても助けを呼べない為、切羽詰まってしまう

ということになろうかと思います。

しかし、今回の事件は日中に発生しています。

入浴介助で入所者と二人きりになったとしても、大声を出されると他の誰かに気づかれる可能性もありますし、その後すぐに他の職員が異変に気付く可能性も高くなります。

現に、今回は他の職員が入所者の嘔吐を発見し異変に気付いています。

違和感②「大腿骨骨折は相当なもの」

今回の事件での骨折部位は「大腿骨」です。

「大腿骨頚部骨折」ならよく聞くのですが、大腿骨は太もも内にあるとても太い骨です。

高齢になり骨がもろくなっているにしても、その太い骨を両足骨折させようと思うと「相当強い力」が加わる必要があります。

入浴介助中に両足の大腿骨を骨折させた方法がどうも私には思いつきません。

入浴介助中にプロレス技でもかけたのならまだしも、ただのミスや事故で両大腿骨骨折には違和感を感じました。

【出典】介護ポストセブン

https://kaigo.news-postseven.com/4658/2

上記画像の矢印部分が「大腿骨頚部(だいたいこつけいぶ)」です。

転倒等のアクシデントの際に骨折しやすい部位です。

今回の事件の骨折部位の「大腿骨」はその下の太い骨です。

この骨は太ももの骨で、体の中で最も長く、体積があり、強靭な骨になります。

その強靭な骨が両方骨折するのですから、相当強い力が加えられたことが想像できます。

違和感③「女性介護職員の人間性と派遣」

上司の取材内容から読み取ると、この女性介護職員は「資質のある良い職員」しかイメージできません。

もちろん、事業所が

「以前から入所者に暴行しそうな職員でした」

「そういう兆候は以前からありました」

「何度も指導を行っていました」

などと発言すれば

「事件が発生するまで放置していた事業所の責任は重い」

と取られてしまいますので、まずそんなことは言わないにしても

「誰よりも早く出社」

「何かあればすぐに報告」

「とても熱心」

「一生懸命に入居者のケアをしていた」

という内容はベタ褒めです。

ここで考えられるのは

「一見そう見える素晴らしい職員でも実は心に闇を抱えるサイコパスだった」

若しくは

「本当にこの女性職員は暴行などやっておらず濡れ衣を着せられている」

かのどちらかです。

そして付随して気になったのが「派遣」という勤務形態です。

何故、そんな資質のある素晴らしい職員が派遣社員として働いていたのでしょうか?

派遣の種類も「一般派遣」なのか「紹介予定派遣」なのか「特定派遣」なのか、という所も気になります。

そんなに素晴らしい職員なのに、何故、事業所は正職員にしなかったのでしょうか?

本人は正職員を希望していたのでしょうか?

正職員として直接雇用を妨げていた原因は何なのでしょうか?

考えられるのは

「派遣の方が給料が良い」

「派遣の方が気楽」

「派遣ならすぐに他の職場に移れる」

という職員個人の理由と

「人員不足で急遽雇った派遣だった」

「正職員にしたかったが本人が拒否をした」

「直接雇用できない特段の理由があった」

という事業所側の理由があります。

派遣社員に専門性や全ての責任を求めるのにも限界があるでしょうし、どういった事情だったのでしょうか。

違和感が残ります。

最後に

介護職員が利用者や入所者に暴行を行い死亡させてしまったという事件になるのですが、まず大前提として「誰であろうとどんな環境であろうと暴行は絶対にしてはいけない」ということは間違いありません。

ましてや、命を奪ってしまうようなことはあってはならないことです。

しかし、介護現場ではこういったニュースが続きます。

「また介護職員か…」

と思う前に冷静によく考えてみて欲しいことがあります。

それは「何故、介護現場でばかりこういう事件が多発するのか」ということです。

月並みな回答をすれば

「介護職員の資質の問題」

「介護現場の劣悪な労働環境」

になろうかと思いますが、同じような問題を抱えている他業界や他産業でも、これほど人の命に関わる事件は多発していません。

例えば

  • 保育士
  • 警備員(ガードマン)
  • タクシー乗務員
  • 土木作業員
  • 飲食店員
  • 工場作業員
  • 引っ越し業者社員
  • 水商売

などで思い出してみても、これほど頻繁に事件、ましてや人の命に関わるような大事件が発生している仕事は介護ほど多くありません(保育士はたまに見ますね)。

何が言いたいのかというと、「それだけ介護の仕事は特殊」であり「早急に根本的な改革や公的な支援が必要な業界」だということです。

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