看護師は許されて介護職員は許されないリスク報告の謎

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リスクマネジメントやリスク報告書については、過去記事でもいくつか書いてきました。

おさらいになりますが、本来のリスクマネジメントやリスク報告書は

・リスクを管理し危険を軽減させたり回避を図るためのプロセス

・リスクを共有し全職員で対応を統一させる

という目的で行われるものです。

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リスク報告書を作成する時の絶望感

リスク報告書は、間違っても「反省文」でも無ければ「始末書」でもありません。

しかし、介護施設では、介護職員にリスク報告書を書かせては

・犯人捜し

・職員への責任の追及

・職員の吊るし上げや揚げ足取り

という風潮があり、「出来れば書きたくない書類」「関わりたくないマネジメントのひとつ」になってしまっています。

ですから、何かあった際に上司から

「それリスクだぞ」

「リスク報告書を書けよ」

などと言われると業務が増えるばかりか、犯人扱いされてしまった錯覚に陥り「絶望感」を感じてしまうのです。

この「絶望感」が大きければ大きい程、リスクマネジメントの本来の意味を周知徹底できておらず「低レベルな介護施設」だと言えます。

看護師は許されて介護職員は許されないリスク報告書

先日、とある利用者が服薬拒否をしました。

看護師に報告し、時間を空けて再度服薬を試みることにしたのですが、その利用者は

「嫌だ、飲まない」

と言って拒否が続きました。

再度、看護師に報告すると

「介護職員は薬ひとつ飲ませられないのか、仕方がないなぁ」

と言わんばかりに、看護師が直接利用者のもとへ行き、説得をした上で介助で利用者の口に薬を入れ、飲むように促しました。

すると、その利用者は飲むフリをして、口から手に薬を吐き出し「誰が飲むかい!」と言って薬を投げ捨てたのです。

看護師は「あっ!」と言って投げ捨てられた薬を回収し、そそくさと戻って行きました。

そして、何事も無かったように、ケース記録を書き「仕方がないね」と言って終わりました。

これって、もし同じ事を介護職員がやっていれば

「リスク報告書を書け」

「ひやりはっとだ、インシデントだ」

と大騒ぎされる事案です。

同じ事案でも、看護師は許されて介護職員は許されないということがあっていいのでしょうか。

看護師や上司に「リスクでは?」と聞いてみましたが、返答は「看護師だから」「薬のことだから」「利用者があんな状態だから」「問題ない、仕方がない」という返答でした。

明らかに違和感を感じました。

対応者(職種)が違うだけでリスクの有無が変わる謎

恐らく「薬を管理しているのは看護師なのだから今回は間違った対応はしていない」ということを言いたいのだろうと思いますが、間違った対応をしていなくても発生するのがリスクであり、その情報を共有し危険を回避するよう管理していくのがリスクマネジメントのはずです。

「看護師だから」「介護職員だから」という対応者や職種の違いで、リスクでなくなったり、リスクになったりするのは明らかにおかしいと感じます。

この謎の裏には

「介護職員は看護師より下に位置する職種」

「そもそも介護職員はカースト制度の底辺の職種」

「介護職員は常に責任や絶望感や劣等感を抱きながら働く職種」

というおぞましい偏見があるのです。

まとめ

対応者や職種によってリスク報告の対象になったりならなかったりするようなことが日常的に行われている介護施設は「低レベル」を通り越して「レイシスト(差別主義)施設」だと言えます。

差別主義者が介護施設を経営・運営しているのですから、十中八九、人員不足な状況であり、利用者も不幸な状態です。

リスクはリスクであり、報告書が必要な事案は誰が対応をしていようが必要なのです。

「薬のことだから看護師は免除される」と言うのであれば、「介護のことは介護士は免除される」ということになります。

理論として破綻しているのは明らかです。

現在の介護業界や介護事業所で求められているのは、「平等」なのです。

コメント

  1. デイちゃん より:

    こんにちは。
    私のデイのナースは、この前利用者を転倒させてしまって、事故報告書を書いてましたけど。別にうやむやにしませんよ。
    うちのデイのナースは、人柄がよくて働き者ですね。
    別に介護職を見下してないし。
    そもそも人を見下す人は、福祉で働く資格はありません。

    昔、高圧的な看護師がいて、私は注意したことがあるんですよ。ただのパートなのに。管理者はそのナースが怖いみたいで(笑)、見て見ぬふりだったので。
    したら、私がいる時は、そのナースはおとなしくなりましたけど。私がいないと態度は悪いままで、結局実習生からクレームになって首でした。
    あと、私のデイでは昔、人格最悪の管理者兼生活相談員と、人格最悪のババア看護師を、介護職みんなで追い出したことがあるんですよ。
    なので、介護職が最下層だとは思いません。

    そちらの施設では、介護職は最下層なんですか?
    介護職がそう思ってるから、管理者や看護師がつけあがるのでは。
    介護職がいなかったら介護施設は成り立たないのに。

    • 山嵐 より:

      >デイちゃんさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      さすがに転倒や明らかな事故はうちの看護師でも報告書を書きますね。
      例えば看護師の薬のセットが間違っていて、それに気づかず介護職員が服薬介助をしてしまった場合は、まぁお互いが悪いので仕方がないのですが、気づいた場合は「ひやり・はっと」だと思うんです。
      でもそれって間違えた看護師じゃなくて「ヒヤッ」とした介護職員が作成するんですよね。
      常に現場の最前線だと色々な責任を押し付けられます。

      人を見下す人は福祉で働く資格がないはずなのに、現状は見下して働いていう人が多いのではないでしょうか。
      まぁ実際の人それぞれの考え方はわかりませんし「介護職を見下してますか?」と聞いても「No」と答えるでしょうから、「給与水準」や「待遇」や「業務の押し付けられ方」を総合的に判断して「最下層」だと感じています。

      • デイちゃん より:

        そうなんですか。
        でも私なら、ヒヤリハットに、「看護師〇〇が薬のセットを間違っていたが、服薬するときに気づいて直した」と書いて、「看護師〇〇が薬のセットを間違っていたが」を太字にして下線つけますね。(笑)
        で、要因に「看護師〇〇が薬のセットを間違っていたため」と書いて、対応策に「看護師〇〇が薬のセットをした場合は必ず確認する」と書きますね。
        ってどんだけ個人攻撃だよ。(笑)
        もう二度と「ヒヤリハット書け」って言われないだろうよ。(笑)

        与薬は6Rを確認しなきゃならないので、私は服薬の前には必ず利用者名を復唱しています。間違ったら大変だものね。
        その施設の看護師さんに聞いてみては?「あんた6R知っとる?確認した?6つ言ってごらん?看護師資格持っとるんやろ?あんたがバカにしとる介護士でも知っとるで?次から間違えんとってな。一応看護師やろ?給料私より高いんだからね?」って。(笑)
        どんだけキレてんだよ。どんだけ感じ悪いんだよ。対人援助する資格ないよ。(笑)

        看護師さんって、人間関係きびしいでしょ。病院とか、第二新卒とか当たり前みたいだし。で、病院のナースは介護施設のナースをバカにしてるとか。病院内でもオペ看が病棟ナースをバカにしとるとか。内科が放射線科をバカにしとるとか。いろいろマウンティングがありますもんね。
        めんどくさいですねえ。
        そんなんじゃ、「人に優しく教えてあげよう」とかなりませんもんね。
        「そんなことも知らないの?」「そんなこともできないの?」みたいな。
        看護師からしたら、介護職は医療知識がないからさ、「そんなことも知らないんだ、バーカ」ってなるのかもしれませんね。
        でも介護施設で、介護職同士でも、入所のスタッフがショートのスタッフをバカにしてるとかありますよね。
        やっぱり、人間って、自分と他人を比べないでは生きられない生き物なんですねえ。(結論そこ?)

        • 山嵐 より:

          >デイちゃんさん

          こんばんは~
          返信ありがとうございます^^

          謂わんとされていることはわかります。
          しかし、なかなかアレですね(笑)

          どこの世界でもマウンティングがありますよね。
          「しょうもない」「くだらない」「バカバカしい」と思いながら、正味のところ、「やられるくらいなら…」という本音もあります。

  2. とも より:

    こんばんは
    うちの看護師も普通な方が多いです。管理者に「看護師とみればよいのか、○○苑の一職員とみればよいのか?」と問いただしたこともあります。一職員であると答えたので「そうなら施設の行事などでもっと関わるべきではないのか」と伝えたら、看護の主任に話してくれたみたいです。
    看護師の中にも、動く人間、動かない人間、動けない人間がいると思います。更衣やおむつ交換、トイレ介助などやる人もいれば、介護さんにやってもらってと利用者に言う人もいる。
    当り外れがある職種だと思います。介護もですが。

    • 山嵐 より:

      >ともさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      まぁ看護師個々で見ると普通の人も多いですね。
      やはり上司や事業所の方針として「看護師ならOK、介護職ならNo」という判断が下されることが多いですね。

      介護、看護の上司のパワーバランスもあるのだと思います。

  3. サイモン より:

    比喩にカースト制度は適切か?
    介護職員には嫌ならやめる「自由」がある。

    • 山嵐 より:

      >サイモンさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      職場の人間関係や上下関係で「職場カースト」という造語があります。
      介護業界に特化して考えれば、介護職員の現状は「介護カースト」なのではないかと思います。

      もちろん、辞める自由もありますし、最近は介護職員への待遇や処遇が良くなってきている事業所も増えてきているかと思います。
      「介護は誰でもできる」と言われて外国人やボランティアを投入する前に問題を根本から解決して、社会的身分も上がっていけば良いと考えます。