介護職員が利用者から受けている暴力から目を背けるな

Pocket

以前、介護業界では利用者から介護職員への暴言や暴力が日常的に行われており、事業所内も含め業界全体でそれが容認されている現状と、その是非について記事を書きました。

さて今回は、どの都道府県でもどの事業所でも 一度は目にする耳にする 最低一人はいるであろう 『暴力を振るう利用者』についての考...

介護職員が入所者や利用者に対して暴言や暴力を行えば、すぐに虐待認定され、ニュース等で報道されたりします。

「介護職員だから」ということではなく、「人間として」暴言や暴力を振るうことは絶対に許してはいけないのです。

しかし、その「人間として」という大前提さえ覆してしまう治外法権でカオスな世界が介護業界にはあります。

それが「利用者(入所者)→職員」という構図の暴言や暴力なのです。

そして、唯一無二の介護業界の特殊性と劣悪さを象徴するのが「利用者からの暴言・暴力を容認し、被害から目を背ける」という人権侵害行為になります。

世間一般でもどの業界でもあり得ない治外法権な業界となっています。

スポンサーリンク

「認知症だから」暴力も許される?

「認知症は病気なんだから」

「やりたくてやっているんじゃないはずだ」

「もっと利用者の気持ちに寄り添えられればこんなことにならなかったはずだ」

介護職員が利用者から暴力を受けた際に、よく言われるセリフです。

しかし、その内容は新興宗教の洗脳に近いものがあります。

介護力だけで、認知症者の暴力に立ち向かうのは限界があるのです。

確かに、刑法上の刑罰が成立するためには、「責任能力」が問われ、認知症者にはその能力が欠如しているが故に犯罪にはならないのかもしれません。

だからと言って、他人を傷つけていいわけではありません。

医療機関の精神科を受診したり入院して、治療を行い「他者に危害を加えない状態」になって初めて社会に出る必要があります。

介護施設だって、色々な利用者が集団生活を送っている以上、ひとつの社会(コミュニティ)です。

治療や更正をする場所ではなく、生活の場である以上、犯罪行為をする人間が存在しては困るのです。

しかし、現状では多くの介護施設に犯罪行為が蔓延し、それを容認している介護業界に狂気さえ感じます。

目に焼き付けて欲しい「介護現場の実態」

Twitterのタイムラインを閲覧していると、フォロワーさんの衝撃的で痛々しいツイートを目にしました。

正に現実の介護現場での被害者です。

※ツイート主のpokojazzさんにはブログ掲載の事前許可を頂いています。

あまりにも痛々しい被害に目を逸らすことが出来ず、すぐにリツイートしました。

日常的に噛みついたり、つねってきたり、引っ掻いてくる利用者を移乗した際に噛みつかれたそうです。

介護業界で働いている人だけでなく、世間一般の人にもこの事実を知って欲しいと思います。

そして、もうひとつ知って欲しいのは「こういう被害の現実を知っておきながら問題視しない事業所や業界の在り方」です。

問題視したとしても、せいぜい「労働災害」として処理する程度でしょうか(労災さえ適用されない事業所はブラックを通り過ぎて法人とか会社組織を名乗ってはいけないレベルです)。

一般社会であれば、この状況は「傷害事件」です。

残念ながら報道されることはないでしょう。

全国各地で大なり小なりこういう介護職員の被害は常態化しています。

報道されるとすれば、介護職員が刃物で刺されて命に関わってくるような「殺人や殺人未遂」レベル以上の事件になります。

群馬県の老人介護施設で入所者が女性介護職員の左胸をハサミで刺した、という事件が発生しました。 ◆ニュース概要 介護施設職員、...

この他にも、パン切り包丁を持って歩いている認知症の入所者を介護職員が取り押さえた際に怪我を負わせてしまった、という事件がありました。

本来なら、他者への被害の危険を身を呈して未然に防いだ介護職員は功労者として表彰されてもおかしくはありません。

しかし、なんと行政(市)は、入所者に怪我を負わせたとしてこの介護職員の行為を「虐待認定」したのです。

正に治外法権の象徴とも言える事件でした。

まとめ

「利用者は認知症なのだから仕方がない」

「認知症者なのだから何でも許される」

「許すことが介護や福祉」

「介護職員の対応の仕方に問題があったに違いない」

という歪曲した違法な捉え方をしているのが介護業界です。

仮に対応が悪かったとして、傷害事件レベルの外傷を負わされ何の補償もされない業界が他にあるでしょうか。

利用者や認知症が良いとか悪いとか、どうのこうのと言う以前に、まずは現場で働く職員の「権利を擁護し人権を保障し身の安全を確保」していくことが最優先される必要があります。

安心安全に働ける環境がないのに、人材不足が解消するわけがありません。

知っておいて頂きたいことは

「利用者から職員への暴力はどこの事業所でもあり得る日常の一部」

「利用者から暴力を受けたり怪我を負っても事業所や業界は黙認したり介護職員の対応の責任にすることが普通に行われている」

「事業所や業界や国は介護職員の人権や安全が確保されていないことを知りながら現実から目を背けている」

「介護職員の人権と安全の確保からは目を背け「やりがい」だけを前面に出したポジティブキャンペーンで人材を募集する図々しい業界」

ということです。

国や業界や事業所は、この痛々しい傷害の外傷から目を背けずにしっかりと見据え、逃げたり責任転嫁することなく「本当に必要な対策」を早急に行っていって欲しいと思います。

目を背けていては何も変わりません。

もし、自分の子供や兄弟や身内が同じ状況で被害に遭い、問題視や補償もされない環境の中で働いているとしたらどう思うでしょうか?

現状では介護職員は自分の身は自分で守るしかありません。

正当防衛であっても、利用者にかすり傷ひとつでも負わせれば「虐待認定」をされたり「暴行罪や傷害罪」に問われるリスクしかないのが介護職員の立場になります。

人権を剥奪された介護現場は今日も明日も人員不足なのです。

コメント

  1. アングラー より:

    一体誰が暴力を受けた介護職員に「寄り添って」くれるんですかね。職員をパーソンとすら認めないで、何がパーソンセンタードケア?
    ほんとにこういう状態を放置しておきながら人手不足とか、なかなかのギャグですよね。

    • 山嵐 より:

      >アングラーさん

      おはようございます。
      コメントありがとうございます^^

      身の安全も人権も確保されなければ働き手がいなくなるのは当然ですよね。

  2. デイちゃん より:

    老健でも暴力すごい人がいて、スタッフは防寒着着て移乗してましたね。

    腕の同じとこかみつかれてるみたいだから、腕に(サポーターに金属の板が入ってる)パワーリストとかまいたりして、かみついたら逆に自分が痛い思いをするようにしたらどうだろ?とか思った。(笑)

    ヘルメットにライダースーツ、手袋着用して、移乗するとか。
    全身保護されてるから、つねられてもいたくないよ?
    でもかなり暑いですね。

    普通、介護サービスって、自傷他害がある人は利用できないって、重説に書いてますよね?
    でも、事業所って、スタッフが、利用者からの暴力を訴えても何もしないですね。
    利用者からスタッフへの暴力は他害に入らないみたい。
    だったらこっちはこっちで自衛しないとね。
    スタッフが全員ライダースーツ着用してたら、さすがに会社も考えるかも。(笑)

    • 山嵐 より:

      >デイちゃんさん

      おはようございます。
      コメントありがとうございます^^

      重装備、夏は暑そうですね(笑)
      重説に書いてあっても実際はなかなか発動しない所に問題がありますね。
      介護職員にも人権が欲しいです。

      • デイちゃん より:

        私のデイでも、スタッフに暴力暴言がある利用者は、長いこと首にはならなかったんですが、その後、その暴力利用者が他の利用者をたたいたんですね。
        すると急展開で、その利用者は契約解除になりました。
        利用者を首にしたけりゃ、他の利用者をたたかせたらいいのかしら。でも他の利用者が犠牲になっちゃうけどね。

        毒をもって毒を制すじゃないけど、暴力がある利用者同士をいつも隣に配置して、お互いに暴力ふるわせて、二人とも首・・じゃだめかしら。
        スタッフは利用者より下かもしれないけど、利用者同士なら同じ立場だよね。
        まあ家族とか、「おたくがちゃんと見てないからや!」とかなんくせつけてくるだろうけど、そこは「止めようとしたけど間に合わなかったんです」「自傷他害がある方は本来介護サービス利用できないと明記してますので」「あなたも重説にサインしてますよね?」「訴訟とかになってもうちも弁護士立ててとことん争いますよ?」「訴訟になった高齢者なんてどこの施設も入れてくれないですよ?」とか言わないとね。

        目には目を。暴力には暴力を。(←これはダメだ(笑))

        • 山嵐 より:

          >デイちゃんさん

          こんばんは~
          返信ありがとうございます^^

          他利用者に危害を加えるとすぐに対応(契約解除や利用中止)されることはよくありますね。
          暴力行為の利用者同士をぶつけると、喧嘩両成敗になって利用は続きそうな予感がしますね。

          どちらにしても、利用者であろうが職員であろうが、被害者や犠牲者が出る前に対応するのがリスク管理かと思います。

          職員の場合は被害者や犠牲者が出ても対応してくれない所が闇深いですね。
          強気で言えない事業所ばかりです。

          どうせ治外法権ならハンムラビ法典になってしまえばいいのに、と思ってしまいますよね。
          そうなると、職員は皆、毎日筋トレを欠かさなくなるでしょう(笑)

  3. とも より:

    こんにちは
    認知症だから暴力行為は仕方ない という見方は、認知症の人を同じ人間として見ず、獣みたいに見ているから、すでに差別だと思うのですが、その辺りは上の人は気にならないのかな?と思います。
    好きでしてるわけじゃない、暴力にも理由がある という見方は、逆にいえば理由があれば暴力を振るってもいい、となりますし…。
    怖い怖い((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

    いつか、介護事業所が強気になれますように願っています。職員に傷を負わせたので、退所してください。暴言を録音しといて、心的外傷を受けたので、慰謝料を請求します。嫌なら、然るべき捜査機関に相談します。とか

    • 山嵐 より:

      >ともさん

      おはようございます。
      コメントありがとうございます^^

      そうですよね、認知症者の尊厳を人道から外すことによって逆に貶めていますよね。
      怖い業界です。

      求めていることは特別ではなく普通のことなんですよね。

  4. サイモン より:

    おっしゃる通り治療対象として扱い、抗精神病薬をうまく使えば、皆の負担を減らすことができる場合が多いのでは?

    • 山嵐 より:

      >サイモンさん

      こんばんは~
      コメントありがとうございます^^

      向精神薬等の加療は必要でしょうね。
      ただ、副作用で足元が不安定になる薬も多いので、今度は転倒のリスクを心配しなければならなくなるかもしれませんね。

      • サイモン より:

        家族に納得してもらった上で薬を入れて転倒なら、記録さえしっかりとしておけば問題ないのではないかと思う。不眠とか体動とかで見きれなくて薬を使うのとは、次元の違う話なので。

        • 山嵐 より:

          >サイモンさん

          こんばんは~
          返信ありがとうございます^^

          転倒とか事故は現在の人員配置では起こり得るリスクのひとつだと思っています。
          「薬を使って暴力を抑えても転倒することになったらイヤだな」というのは現場職員の私が思うひとつの意見です。

          「暴力より転倒の方がマシ」とは次元が違う話なのです。

          • サイモン より:

            「次元」
            山嵐さん_介護政策の現状を認めた上で対策を考える次元の話をしているのではないということか。つまり、もっと金をつかって人員を増やしてからだろと。
            サイモン_一般的な抗精神病薬の服用の結果の事故と、犯罪者を黙らせるために使用した抗精神病薬の服用の結果の事故とを同列に扱うことはできないという意味。
            「暴力より転倒の方がマシ」と受け取られたなら、私の言葉足らずでした。

          • 山嵐 より:

            >サイモンさん

            こんばんは~
            返信ありがとうございます^^

            ああ、私が勘違いしていたかもしれませんね。
            少々飛躍して捉えすぎました。

            暴力利用者が大人しくなっても転倒ばっかりしたら
            「リスク報告書作成業務も増えるし、ワンオペ夜勤で救急対応も必要になるかもしれないし、それはそれでイヤだなぁ」
            という意味で返答したのですが、噛み合わなくてすいません。