【福祉】本当に「救わなければならない人」は誰なのか?

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いつものように家のポストを覗くと、某政党のチラシが入っていたのですが、そこには大きな見出しで「まずは高齢者を救える社会を作る」と書いてありました。

本気でそう思っているのか、そう書いておけば万人受けすると思っているのか、その両方かはわかりませんが、介護業界に身を置く私としては「まずは現役世代を救う必要があるだろう」と思ってしまいます。

福祉という名の業界で働いているので、「高齢者や社会的弱者を支援する」立場にあるのですが、どう考えても社会的弱者なのは「介護業界で働く現役世代」なのです。

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高齢者にも色々ある

もちろん、一口に高齢者と言っても色々な環境で色々な立場で色々な状況の人がいます。

それは、若者だって同じことです。

一番怖いのは

「全ての高齢者」=「社会的弱者」

と決めつけてしまうことであり、現役世代が全ての高齢者を支えていかなければならないと思わされ、実際そういう制度になっていることです。

仮にそれはそれで、そういう制度だから仕方がないにしても、それならばまず、支える側の現役世代がもっともっと元気で救われていかなければ、肝心の高齢者を支えることが出来ません。

最悪の場合、共倒れになってしまうでしょう。

現に、そういう状況になりつつあるのが、日本なのです。

ですから、本当に大きな見出しで書いて欲しいのは「高齢者の前に現役世代を救う」という内容になります。

資産状況で見る「社会的弱者」

「社会的弱者」の定義については、

大多数の他者との比較において、著しく不利な、あるいは不利益な境遇に立たされる者(個人あるいは集団)のことである。

【引用元】ウィキペディア

ということになります。

高齢者になると身体的・認知的能力が衰えてくるので、現役世代の人と比較すると著しく不利な状況にあると言えます。

それは自然の摂理であるので、謂わんとしていることはよくわかるのですが、個人差も大きくなります。

もうひとつ忘れてはいけないモノサシとして「経済的弱者」があります。

高齢者になると働くこともままならず、収入が乏しくなっていくので福祉的な支援が必要なのはわかりますが、もっと問題なのは「働いているのに収入が乏しいワーキングプアのような現役世代」ではないでしょうか。

ワーキングプアの定義は「年収200万円以下」とされていますが、仮に年収300万円、400万円あったとして、貯蓄がどれくらいできてどんな将来像が描けるのでしょうか。

世代別の貯蓄額について下記統計で触れておきたいと思います。

  • ※データは2016年。総務省「家計調査」の年代別貯蓄規模(1世帯当たりの貯蓄額×世帯数分布)の比率を使用した推計値(2016年の平均値)。
  • ※四捨五入の関係で合計が100%とならない場合があります。

【出典】総務省「家計調査」を基に三井住友アセットマネジメント作成

日本では60歳以上の人が全体の3分の2以上の貯蓄額を持っています。

つまり「高齢者には経済的強者」が多数存在するのです。

逆に言えば「現役世代は経済的弱者」が多いと言えます。

貯蓄額だけで言えば「弱者が強者を支援している」のです。

なんとも皮肉な社会保障制度でしょうか。

もちろん、高齢者の中にも経済的弱者が存在することでしょう。

要は、本来の福祉はそういう人を支援していく必要があるのであって「全ての高齢者を対象にするものではない」ということを再検討していかなければならないのではないでしょうか。

だんだんと、そういう検討もされていて、所得や貯蓄に応じて高齢者の介護保険の負担額は1割~3割になってきています。

ですが、上限が3割ではやはり格差が生まれてしまいます。

貯蓄額1000万円(年金収入が344万円以上)の人も貯蓄や収入が10億円の人も同じ3割負担では、あまりにも格差がありすぎます。

大変申し訳ない話ではありますが、ある一定以上の所得や貯蓄のある高齢者は、現役世代のために一定以上の負担を背負ってもらいたいと思います(上限、全額自己負担)。

何故なら、そういう人に対しても、我々の介護保険や税金が使われている以上、身体的に介護を現物支給し、介護保険や税金を支払うことで現金支給をしているため、身体的・経済的奉仕をしており高齢者の奴隷でしかないからです。

高齢者の負担を増やす目的ではなく、「現役世代の負担を減らし救済していく目的」として、今後そういった制度へと変遷していくことが必要だと感じています。

まとめ(もっと言えば)

高齢者を救済する前に、現役世代を救済してもらわないと、我々の人生設計が成り立たないだけでなく、日本の将来も危ぶまれます。

何故なら、福祉は社会的弱者を救済するものであり、全ての高齢者が社会的弱者とは言い難いからになります。

そして、本当の意味で社会的弱者は現役世代にシフトしつつあります。

現役世代に元気と安心できる収入がないと高齢者を支えることは困難なのです。

もっと言えば、超富裕層の高齢者が貧困層の高齢者を経済的に支援していく「経済的な意味での老老介護」を推奨していくのもひとつの手段ではないでしょうか。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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コメント

  1. のえ より:

    こんにちは、のえと申します。

     記事に物凄い共感できました。入居されている方の介護保険証の三割負担や二割負担の文字を見るたびに「この人たちは肉体的には弱っているけど経済的には超強者」だと実感します。
     そういう方々のおかげでお金をもらっている立場ではありますけど「高齢者」という括りのみで全ての方を弱者と判断するのは浅はかじゃないかなと常々思いながら働いております。

    • 山嵐 より:

      >のえさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      そうですよね。
      もっと言えば、残りの7割~9割は現役世代が給料から天引きされている「介護保険」で賄われています。
      「社会的弱者」という名の高齢者を支えることで精一杯の社会では若者の元気がなくなるはずです。