「介護職員の自己犠牲に頼った残業」を減らしていくために上司に必要な意識改革とは?

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いつまで経っても人員不足の介護現場には「残業」がつきものです。

ちょっと前までは、職員の自己犠牲に頼る「サービス残業」が横行していましたが、最近は段々と「介護の仕事は奉仕やボランティアではなく、ひとつの職業なのだ」という当たり前の認識をされるようになってきたので、「残業手当」がちゃんと支給されるようになりつつあります。

それでも、現場業務は過酷ですし、利用者という人間が相手なので、現場にいればいるほど業務が尽きることはないため、「出来ることなら残業をせずに定時に帰りたい」というのが本心です。

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◆定時に帰りにくい環境

職場から定時に退勤するためには「職場環境」が不可欠です。

環境①「人員不足」

大前提となるのが「人員の確保」です。

時間帯に応じた当然配置されている必要がある人員がいなければ退勤することができません。

人員不足の場合、勤務表を見れば人員が不足していることが誰の目にも明らかなので、人員不足の日に自分が出勤になっていれば「残業確定」ということになります。

人員不足であるが故に、帰りたくても帰れない環境があるのです。

環境②「帰りづらい雰囲気」

現場にいればいるほど仕事は尽きないわけですから、上司にとっても周りの職員にとっても、利用者にとっても、「残ってくれたら大助かり」というのも事実です。

定時を過ぎ

「お先に失礼します」

と言うと

「え?もう帰るの?」

「悪いけど少し残ってよ」

と言われてしまいます。

そもそも、「それならもっと早く言えよ」と思うのですが「状況を見れば言わなくてもわかるでしょ?」という介護業界の図々しい考え方は今も昔も変わりません。

そういう職場環境だと、「定時に帰りにくい」と言えます。

◆環境改善は可能か?

定時に帰りにくい理由が「人員不足」と「職場の雰囲気」であるならば、その2つを改善すれば解決するはずです。

しかし、「人員不足」に関しては現場や上司の努力だけではどうにもならない所まできています。

国や行政や業界単位で、介護保険制度を抜本的に見直し、財源の確保から始める必要があります。

したがって、今回は事業所単位で改善可能な「職場環境」について考えていきたいと思います。

◆定時に帰れる環境づくり

定時に帰れない環境の原因は、上司にあるのは歴然です。

自分より先に出勤している上司が、残業をしていれば、それはそれは帰りづらいと思います。

恐る恐る声を掛けると

「残業してよ」

と言われかねません。

そんな上司の言うことなど聞く必要はなく、問答無用で退勤してしまうのが一番良いのですが、ハリボテであっても「一応、介護施設も組織」ですから、なかなか難しい場合もあります。

つまり、定時に帰りやすい環境を作るには「上司の意識改革」が必要不可欠になります。

◆上司の意識改革とは?

上司の意識改革と言っても具体的にはどういうことが考えられるのでしょうか。

答えは簡単です。

「部下のことを大切にする」

ということになります。

多くの介護事業所の上司たちは、今まで部下や介護職員のことを「将棋の駒」か「使い捨てのボロ雑巾」のように扱ってきました。

そのツケが今回ってきているのです。

今いる職員に残業を強いることは「ツケをツケで返している自転車操業」にほかなりません。

誠に滑稽な姿です。

今すぐ「部下を大切にしていく意識改革」をして欲しいと思います。

◆「上司が先に帰る」という勘違い

「よし、それなら上司である自分が定時に帰って帰りやすい環境を作ろう」

と考える人がいます。

確かに上司が定時に退勤していれば、他の職員も定時に帰りやすい雰囲気になりますが、新たな問題も出てきます。

問題①「残された現場が回らない」

職場の雰囲気は改善しても、人員不足は改善していない状況の中で、上司まで定時に帰ると、残された現場が回らなくなります。

そして、残された職員は益々過重労働を強いられることになり、「あっちを立てればこっちが立たず」状態に陥ってしまうのです。

問題②「そもそも自分に甘いだけ」

「上司である自分が定時に退勤しているのだから、キミ達も私の背中を見て退勤したまえ(キラン)」

なんて思っていたら大間違いです。

それは、「ただ自分が定時に帰りたいだけ」という甘えにしか見えません。

現場の状況を見極めた上で、定時にあがるか残業が必要かを見極めるのが上司の職責なのであって、自分に甘い背中を見せるために自分が定時にあがる必要はないのです。

思う存分、職責を全うするために残業をして欲しいと思います。

◆上司としてどうすればいいのか(まとめ)

上司だって人間ですし、与えられた職責と業務範囲の中で、もがき苦しんでいるのかもしれません。

しかし、「部下のことを大切にし、人間関係を構築していく」というのは全国共通の上司に与えられた職責のひとつのはずです。

介護職員を定時に帰らせるために、まずは

「定時にあがっていいよ」

「定時に帰ってね」

「残業しなくていいよ」

という言葉掛けが必要なのではないでしょうか。

たったそれだけの言葉だけで、部下である職員は安心して定時に帰ることができます。

まとめとして

・上司たちは部下を思いやる意識改革が必要

・職場環境の改善や雰囲気づくりは上司からの言葉掛けが必要

・上司自身が早く帰る必要はない

ということになります。

コメント

  1. アングラー より:

    BEYONDというサイトにエーデル土山という施設の残業撤廃に向けた取り組みの実例が書いてありました。なかなか面白かったですよ。資金力があればこその要素もあり、自分が働いてるところに直輸入は出来ないけど。こういうのができれば良いと思いました。
    あぁはがゆい…

    • 山嵐 より:

      >アングラーさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      そのサイトがどれなのかははっきりとはわからず見つからなかったのですが、その施設のホームページは拝見しました。
      なるほど、取り組みとしては職員を大切にする方針ですね。
      「トリプルゼロ」という取り組みをされているんですね。

      実際問題、内情として上手くいっているのかはわかりませんが、こういう意識改革が出来る施設が出て来ることは嬉しいことですね。

  2. アングラー より:

    https://boxil.jp/beyond/a3519/

    これで見れますかね?この前編と実際の取り組みを紹介した後編があります。
    あくまで経営者が書いた記事だからある程度は割り引いて見る必要がありますが

  3. ダメ人間 より:

    こんばんは。

    アングラーさんがおっしゃっている記事って、下記の事じゃないですか?
    ・介護施設職員の「働き方改革」成功事例、離職率40%から入職待機者続出へ
    ttps://boxil.jp/beyond/a3519/
    ・高齢化社会はロボットが救う、人手不足の介護業界が取り組むべき20のこと
    ttps://boxil.jp/beyond/a3547/

    自分は残業に関して、仕事ではどうしても発生してしまう面がありますから、
    「残業代だけちゃんと支払ってくれれば、それだけでイイ」
    というスタンスです。
    介護職として初めて勤めた社福の通所にて、場合によってはサビ残だけで過労死ラインを越え、その時期は1番遅くに帰宅&下っ端なので1番早く来て各種準備作業を行うという、素晴らしい環境でした。

    何かこの業界って昨今、話題になっている某スポーツ団体や某大学の問題と似ていませんか?
    ・上役=老害がジャイアニズム的な思考を振りかざしまくり
    ・お局さんやオバヘル=理不尽な要求やマイルールの押し付けで新人を泣かしたり、何処の小学生?と思える様な虐め
    こんな感じの事、何処の事業所でもあると思うのです。

    話しがズレましたが、こんな感じの業界なんで意識改革はちょっと無理難題な様な気もします。
    2025年問題も解決しないまま、更に焼け野原になるまで崩壊するその姿をライブで見られる事にワクワクしてしまう、そんな自分はダメ人間です(笑)

    • 山嵐 より:

      >ダメ人間さん

      わざわざお調べ頂きありがとうございます。

      確かに某団体や某大学や某国に似ていますね。
      そういう闇深い業界なので、いつかその本質や闇のベールが剥がされる日を心待ちにしているのです。

      現状では「無理難題」かもしれませんが、そういう日が来るまで自分が潰れてしまわないようにしたいものです。

  4. とも より:

    こんにちは
    私、この間ユニットリーダーになりました。玉突き事形式に(笑)
    で、今まで利用者だけ見ていた目を職員にも向けようと思いました。私の勤めている特養に変すぎる上司はいませんが、ユニットの職員が猛者ぞろい。しゃべりはじめたら仕事しないおじさん、別ユニットのコールを勝手に消すおばさんなど。
    同じ仕事なのにやるやらないの差がはっきり、小学生みたいにやったら名前書くくらいしないと、というとかまどきてます。
    ユニット内でよく働く人が犠牲を払うという例です

    • 山嵐 より:

      >ともさん

      こんにちは~
      コメントありがとうございます^^

      立場が変わればまた違う世界が見えてきますね。
      確かにレベルの低い職員も多いのも事実です。
      それを許してしまっている環境にも問題があると思います。